『ファーザー マザー シスター ブラザー』「MOTHER」篇から母と娘の気まずいアフターヌーンティーを収めた場面写真&本編映像が解禁
ジム・ジャームッシュの監督最新作『ファーザー マザー シスター ブラザー』(11月20日公開)から新たな場面写真と本編映像が到着した。
本作は独自のスタイルを貫き続けるジム・ジャームッシュが第82回ヴェネチア国際映画祭の最高賞「金獅子賞」を受賞した6年ぶりの新作。ニューヨークを対岸に眺めるニュージャージー、伝統という亡霊が息づく古都ダブリン、愛と自由の街パリといった3つの街で繰り広げられる完璧とはかけ離れた3組の家族の人間模様を活写する。
このたび解禁されたのはシャーロット・ランプリング、ケイト・ブランシェット、ヴィッキー・クリープスが出演する「MOTHER」篇の本編映像と3点の場面写真。「MOTHER」篇の舞台はアイルランドの首都ダブリン。人気作家で昔気質の母(シャーロット・ランプリング)が主催するアフタヌーンティーに、しっかり者の長女ティモシー(ケイト・ブランシェット)と自由奔放な次女リリス(ヴィッキー・クリープス)が集う。同じ街に暮らしながらも、顔を合わせるのは年に一度という母娘が、互いの私生活には踏み込まないまま、どこか他人行儀な会話を展開する。
「MOTHER」篇に集結したのは、シャーロット・ランプリング、ケイト・ブランシェット、ヴィッキー・クリープスといった実力派俳優たち。ブランシェットは、ジャームッシュからの電話オファーを快諾。カルト的人気を誇る『コーヒー&シガレッツ』(03)以来、22年ぶりとなるタッグが実現した。また『ファントム・スレッド』(17)、『エリザベート 1878』(22)などで知られるクリープスについて、監督は以前からその演技に注目。彼女をイメージして自由奔放な次女リリスを創り上げた。そして、母親役のランプリングは、監督がかねてより敬愛していた俳優のひとり。熱烈なラブコールによって、念願の初タッグが実現した。
また「MOTHER」篇の舞台となったダブリンについて、監督は「当初はロンドンを舞台に、母親はイギリス人という設定で執筆していましたが、アイルランドでは作家が税制上の優遇を受けられると知り、ダブリンに住んでいる設定に変えたんです」と意外な裏話を披露。さらに「2人の娘は母親の近くにいるためにダブリンに引っ越してきたのに、ほとんど母親と会わない。それがちょっと面白いなと思ったんです」と、母と娘たちの微妙な距離感を描いたユーモラスな設定についても明かした。
公開されている本編映像には、母親主催の「年に一度のアフタヌーンティー」で母と娘2人が久しぶりに再会するシーンが収められている。遅れて来た姉がコートを脱ぐと、偶然にも3人とも赤をアクセントにした服を着ていることがわかり、嬉しいような、少し気恥ずかしいような空気が流れる。律儀な姉と、パンクな妹。対照的な姉妹は、久しぶりの再会に笑顔で近況を語り合うものの、そのやりとりはどこかよそよそしく、ぎこちない。一体、これから始まるアフターヌーンティーはどんな時間になるのか。離れて過ごす母と娘たちの微妙な距離感が垣間見える、ユーモアと気まずさが入り混じった映像となっている。
ジャームッシュが“家族”というテーマに真正面から挑んだ本作。実力派俳優たちの共演をスクリーンで堪能してほしい。
文/サンクレイオ翼
