ボディコンにワンレン、ソバージュなどなど!綾瀬はるか、ファーストサマーウイカらが『ファーストボイス』で纏うバブルファッション
“日本初のセクハラ裁判”に着想を得て制作された『ファーストボイス』(公開中)。映画のなかで裁判が開廷したのは1989年。1986年頃から始まった空前の好景気“バブル”にまだ日本中がまみれ、浮かれまくっていた時代だ。映画を観ると、そんな空気感が最も顕著に表れたのが女性のファッションやメイク、そしてヘアスタイルだった、と改めて思う。ボディコンシャス、ビビッドなリップカラー、前髪を立たせた“トサカヘア”、ワンレン(ワンレングス)のロングヘア、毛先のみにパーマをかけたソバージュ等々、時代を彩ったトレンドが次々と思い浮かぶ。
ファーストサマーウイカがバブルファッションのテキストに身を包む
劇中に登場する女性たちのルックもそんな流行をしっかり踏襲している。ファーストサマーウイカが演じる原告、上原恵の装いは、ショッキングピンクのダブルブレストのスーツに真紅のリップにはじまる、まさにバブルファッションのテキストみたいだ。男性はもちろん、女性たちからも「そんな格好しているからセクハラされても仕方ない」と批判されるが、恵は終始、自分は間違ってないと主張し続ける。そんな追い詰められた気持ちが、強い色の服や濃いメイクによって前へ押し出される瞬間が何度もある。
本作のヘアメイクを担当している百瀬広美によると、恵のメイクはウイカ本人との話し合いから生まれたものらしく、艶感優先のいまとは異なる、ベタっとした口紅の重量感も見逃さないでほしい。
役柄による違いなど細部にこだわりを感じるバブルファッション
綾瀬はるか演じる弁護士、朝日道子のワードローブには、当時流行ったパワースーツが何着か収まっている。肩パッドが入った衣紋掛けみたいなジャケットスーツだ。衣装デザインの小川久美子は、いまはどこを探してもなかなか見つからないこのパワースーツを映画のために何着か作ったと語っている。
女性ファッションを役の立場や年齢に比例してざっくり色分けすると、最もビビッドなのが原告の恵、次はカチューシャがトレードマークの松本穂香扮する新人弁護士の藤野栞、服もヘアもやや抑え気味でかっちりとした印象なのが朝日弁護士、髪をアップにして首元には品のいいパールのネックレスをしている木村多江演じるベテラン弁護士、宮本由莉子という順番になるだろうか。
バブルファッションだからと言ってみんなが同じ服ではなく、よく見ると細部が違うし、ド派手一辺倒になってないところに衣装担当者たちの誠意を感じる。小川は前田哲監督との話し合いで、当時の流行をそのまま再現するのではなく、映画の世界観になじませることを心がけたそうだ。あからさまではない、リアルを目指した独自のクリエイティビティは映画の衣装作りにおいては必須だ。
