水上恒司×黒木華×小池栄子が『本当にあった話(の話)』の撮影現場で体感した“演じること”の奥深さ「“芝居の上手い下手ってなんだろう?”という思考になった」

水上恒司×黒木華×小池栄子が『本当にあった話(の話)』の撮影現場で体感した“演じること”の奥深さ「“芝居の上手い下手ってなんだろう?”という思考になった」

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鴻池留衣の同名小説(初出タイトル『フェミニストのままじゃいられない』から改題)を、『赤色彗星倶楽部』(17)で注目された武井佑吏監督が水上恒司の主演で映画化した『本当にあった話(の話)』が10月2日(金)から公開される。

世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年後。演出家の加藤(佐々木蔵之介)と脚本家の垣内(小池栄子)はその事件をベースにした舞台劇の制作に乗り出し、殺害される夫・マサキ役にIT企業に勤めるプログラマーで、舞台経験のない素人の夛田(水上恒司)をオーディションで抜擢。マサキを殺害する妻の貴子に女優として活路がなかなか見出せない米良(黒木華)が起用される。そんななか、加藤の威圧的な演出を受け、脚本解釈をめぐって垣内と激しい議論を戦わせながら稽古にのめり込んでいった夛田は次第に役と現実の境目を見失っていく…。

連続殺人事件に基づく舞台劇の制作現場で、主演に抜擢された男が暴走していくさまを狂気とブラックな笑いでスリリングに描く本作。MOVIE WALKER PRESSでは、そんな禁断のヒューマンサスペンスで主人公の夛田を演じた水上と相手役に選ばれる米良役の黒木、脚本家の垣内に扮した小池のインタビューを敢行!現実と劇中劇のドラマ、登場人物たちの歪んだ正義と欲望が入り乱れ、人間の欲望と闇をあぶり出していくこのひと筋縄ではいかない衝撃作の撮影現場の裏側からお互いの印象、実際の舞台制作との違いまで、たっぷり語り尽くしてもらった。

「オーディション会場から出てきた時の夛田の笑顔は最高(笑)」(小池)

役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいく夛田
役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいく夛田[c]鴻池留衣/文藝春秋 /2026「本当にあった話(の話)」製作委員会

――みなさんは本作のどんなところにおもしろさを感じましたか?

小池「誰しもなにかを演じながらこの世の中を生きていると思うんですけど、本作は舞台の演じ手たちの話だったので、それがわかりやすく出ていて。皮を一枚被って生きている人間のその部分を深くえぐっているところがおもしろいと思いましたね」

黒木「私は台本を読んだだけではよくわからなくて、どんな作品になるのかな?と気になったのが最初の印象です。でも、この小さな世界を描く作品で濃いキャラクターを演じられる小池さんや(佐々木)蔵之介さんとご一緒したら、絶対におもしろいだろうなと思って。水上さんと武井佑吏監督とは『はじめまして』でしたが、きっと新しい目線の作品になるような気がしていました」

水上「僕はいつも自分がやったことのない役柄や設定の作品に参加させてもらっているんですけど、これはそのなかでもかなり異質なものだと思いました。どんな作品になるんだろう?といういい意味での不透明さや可能性もたくさんあったので、自分がそこでどこまでできるのかな?っていう興味が自然に湧き上がりましたね」

配偶者入れ替え連続殺人事件を舞台化することが念願だった垣内
配偶者入れ替え連続殺人事件を舞台化することが念願だった垣内[c]鴻池留衣/文藝春秋 /2026「本当にあった話(の話)」製作委員会

――本作は小池さんが先ほど言われたようにひとつの舞台を制作する人たちの話で、実際に俳優のお仕事をされているみなさんが舞台俳優を演じ、そこで人間の本質があふれ出てくる多重構造になっているのが興味深かったです。

小池「多重構造みたいになっていることは演じている時はわからなかったです。それは監督が見ている世界ですし、完成した映画を観た時は私もそう思いましたけど、撮影現場での私はいたって真剣に、垣内というクソ真面目な脚本家の女の役をまっとうすることだけを考えていました。演者に扮したお2人は、また全然違う心境だったかもしれないですけど」

黒木「恐らく水上さんがいちばん難しかったのではないでしょうか。演技経験のない主人公の夛田が“いま、どういう状態なのか?”その変化をシーンごとに武井監督と相談されていましたよね」

小池「そうだよね~。あれってけっこう順撮りでできたんだっけ?」

水上「いや、そんなことはなかったです。ただ、幸いにも僕のクランクインが最初のオーディションのシーンで。お芝居が素人の夛田をあそこで見せなければいけなかったんですけど、そこで武井監督から『すみません、ちょっと上手すぎます』っていう演出を受けて。その言葉の意味はわかったんですよ。芝居をちょっとかじっているように見えたんだろうな?っていう意図は汲み取ったんですけど、『あっ、わかりました』と言った後で、“えっ、俺って自分のこと上手いと思っているのか?”とか“上手ってなんだろう?下手ってなんだろう?”という変な思考になっちゃったんです」

「夛田の笑顔が最高だった」と話す小池
「夛田の笑顔が最高だった」と話す小池撮影/MISUMI

小池「芝居の上手い、下手って好みみたいなところもあるからね」

水上「そうなんですよ。そのバランスが今回はすごく難しかったですね」

小池「でも、あの初めのオーディション会場から出てきた時の夛田の笑顔は最高だったね(笑)」

水上「あの笑顔は武井監督も『好き』って言ってました(笑)」


小池「あの笑顔を見た瞬間に、普段の夛田の人との距離感や順調な人生を歩んでこなかったんだろうな~みたいなことがなんとなく伝わってきて、すごくおもしろかった。『笑顔をください』って言われた時に、普通はあの顔を選択しないじゃない?あれは彼が無意識にやっている笑顔なんでしょうね」

武井監督は水上に「ジャック・ニコルソンを彷彿させる瞬間があった」という
武井監督は水上に「ジャック・ニコルソンを彷彿させる瞬間があった」という[c]鴻池留衣/文藝春秋 /2026「本当にあった話(の話)」製作委員会
■衣装協力
水上恒司:ジャケット¥90,200 パンツ¥48,400(共にシュタイン/エンケル)
その他スタイリスト私物

<問い合わせ先>
シュタイン/エンケル 03-6812-9897

黒木華:ジャケット¥333,300、ベルト¥68,200(マリナ イー)
イヤカフ¥84,000、ネックレス(長)¥248,000、ネックレス(短)¥384,000、リング(右手中指)¥84,000、(右手人差し指)¥96,000、(左手中指)¥90,000(シャルロット シェネ)

<問い合わせ先>
ノースリバティ URL: pr@northliberty-inc.com
シャルロット シェネ 青山店 03-6433-5955

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