“ケンティー”を応援し続けている人にこそ観てほしい!『ラブ≠コメディ』で描かれる中島健人とリンクする主人公像
中島健人が主演、長濱ねるがヒロインを務め、ラブコメドラマの撮影現場を舞台に描いた映画『ラブ≠コメディ』が公開を迎えた。本作を一足先に観ていた筆者が言えるのは、主人公の神崎麗司が「中島健人の自伝!?」と思ってしまうほどのハマり役だということ。中島と麗司はどんなところがリンクしているのか、映画の魅力と共に紐解いていきたい。
“ラブコメ嫌い”の人気俳優に舞い込んだ新たなオファー
『ラブ≠コメディ』の主人公は、中島扮する人気俳優・麗司。“360度全方位イケメン”と称され、数々のラブコメディ作品で主演を務めてきた麗司だが、その裏では「重厚な作品で俳優として評価されたい!」という葛藤を抱えていた…というところからスタートする。
キラキラとしたラブコメ常連俳優という、ファンの理想像に応える一方で、中島が麗司の学生時代からの友人でライバルでもある実力派俳優、渕上颯真(塩野瑛久)の伝統ある作品への出演を疎んでいる。そんな麗司に舞い込んできた次なる出演作は、麗司が頭のなかで描いていた理想のキャリアとは裏腹に、またしても王道のラブコメディ。相手役はアイドルグループ「ぴょんぴょんフルーツ」のメンバーである南風美里(長濱)だと聞いて、麗司はわかりやすくやる気を喪失してしまう。
観始めて印象的だったのは、ドラマの顔合わせに二日酔いで登場し、一生懸命に役づくりへのこだわりを語る美里を冷ややかな目で見る姿。そんな姿は、唯一“中島健人”とリンクしない部分のように感じさせ、真新しい印象を受けた。しかも、それを美里に気づかれ「見損なった」と言われ、わかりやすく苛立ちを見せる麗司。相手が誰であろうと、容赦せずしっかりと苛立ちを見せる姿も新鮮に映ったが、中島自身が持つ熱い一面を彷彿とさせる。
共感必至!俳優、神崎麗司の成長物語
ラブコメ制作の現場を舞台に、麗司と美里が対立しながらも距離を縮めていく姿をコミカルに描く本作。しかし、単なるラブストーリーではない。筆者が作中の麗司と同世代ということもあるかもしれないが、映画では、30歳ならではのキャリアの壁みたいなものがリアルに描かれている。
私自身、同業の友人たちの活躍を素直に喜べない日があったり、自分がずっと停滞しているような感覚に陥って落ち込んでしまったりする日もあるのだが、“ラブコメ作品じゃなく、もっと重厚な作品に出たい!”と駄々をこねる麗司に「わかるよ…」と思わず共感しながら観てしまったものだ。あらすじだけを読むとラブコメという印象が強いかも知れないが、本作はキュンキュンとしたシーンが連続するような作品ではない。個人的には“神崎麗司”という1人のキラキラ俳優が、自分がいまいる立ち位置を受け入れ、そのうえで芸能界のなかでどのように成長していくかを描いた物語のように感じた。
