「本当に怖いミイラ映画はまだ存在しない?」“新たな恐怖”のプロセスを『THE MUMMY / ザ・マミー 棺の中の少女』監督が語る
「死霊館」のジェームズ・ワン率いるアトミック・モンスターと、ジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズがタッグを組み、“世界最古の都市伝説”といわれる「ミイラの呪い」を描いた『THE MUMMY / ザ・マミー 棺の中の少女』(公開中)。このたび本作から、メガホンをとったリー・クローニン監督が“新たな恐怖”の創作過程を語るオフィシャルインタビューが到着した。
エジプトに駐在中のジャーナリスト一家の娘ケイティが、ある日突然姿を消す。懸命に捜す家族だったが、異国の地での捜索は困難を極め、愛する娘を見つけられないまま帰国の途に就く。それから8年の月日が流れ、家族のもとにケイティが発見されたという知らせが。再会を喜ぶはずだった家族が目にしたのは、あまりにも変わり果てたケイティの姿。そして彼女の帰宅をきっかけに、家族の周辺でおぞましく不穏な出来事が起こりはじめる。
「私にとって映画づくりの醍醐味は、次になにが待ち受けているかわからないことです」。A24製作の『ホール・イン・ザ・グラウンド』(19)で長編監督デビューを飾り注目を集めると、「死霊のはらわた」の正統続編『死霊のはらわた ライジング』(23)の監督に抜擢。たった2作でホラー映画ファンから絶大な信頼を寄せられる監督へと成長したクローニン監督は、「ある時『本当に怖いミイラ映画はまだ存在しないのではないか?』と話す機会があり、すごく興味をそそられました」と、本作の創作の経緯を語りはじめる。
ストーリーを考える過程で「軸となる設定」と「描きたいキャラクター」「同じ人物たちをめぐり2つの時間軸にまたがるストーリー」が見えたことで創作意欲が高まり、“隠された秘密”を題材にすることにたどり着いたという。「そこで考えたのは、“しばらく失踪していたものの、人生が終わるよりも前に戻ってきた少女”でした。明らかな異変が起きており、それは失踪中に起こったことと結びついている。そのミステリーの核心に迫ることで、これまでのミイラ映画とは異なるものになると考えました」。
また「メインストーリーがあり、その裏で様々な要素が同時進行する作品にしたかった」と、ハードボイルドとボディホラーを掛け合わせたデヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』(95)や、ダークな雰囲気と家族ドラマの温かみを兼ね備えたトビー・フーパー監督の『ポルターガイスト』(82)を参考にしたことを告白。「特に家族というテーマは、誰もが自分の経験と重ねられるものなので、ホラーの入り口として非常に効果的です」。
もうひとつ“やりたかったこと”として挙げるのは、「少女の姿を白昼堂々と見せること」だったという。変わり果てた姿で帰宅した少女という、得体の知れない異様な存在を、観客にも登場人物たちと同じように体験してほしい。そんな狙いがあったのだとか。「この映画は突然驚かせてくるようなものではなく、じわじわと紐解いていくタイプのホラーです。観客を映画の世界に引き込むために効果的な方法は、感情移入できるキャラクターを作り、そのうえで彼らを酷い目に遭わせてじわじわと追い詰めていくことですから」。
最後に「私は自分が作る映画や物語を、暗闇のなかを進むジェットコースターのようなものと捉えています。静寂のなかを進む時もあれば、先の見えない頂上へじわじわ向かっていく時もある。時には流れを一変させるような衝撃的な展開も必要になってくる」と、自身のホラー哲学を語ったクローニン監督。「大画面で最高の体験をしてもらえるよう、一切の妥協なく取り組んでいるので、私の作品は絶対に映画館で観てほしい。それに、ホラー映画は大勢で観るのがベストだからね」と呼びかけた。
文/久保田 和馬
