森七菜が単独初主演作『炎上』で“じゅじゅ”を生きた日々を振り返る「『ほかの誰にもわからない、自分だけの一本』だと思ってくれたら」
『国宝』(25)や『秒速 5センチメートル』(25)、ドラマ「ひらやすみ」など近年の話題作に数多く出演し、注目を集めている森七菜が主演し、『そうして私たちはプールに金魚を、』(16)、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(19)の長久允が脚本、監督を務めた映画『炎上』が4月10日より公開中だ。本作で描かれるのは、カルト宗教信者である両親との関係に耐え切れず、家を飛び出した少女の小林樹理恵が、SNSを頼りに歌舞伎町の“トー横”にたどり着く物語。少女はそこで、同じような生きづらさや傷を抱えた若者たちと出会い、“じゅじゅ”という新しい名前を得る。新しい名前、眠る場所、食べ物、スマホ、そして仕事をもらい、初めて知る世界で様々な人たちとの出会いを経て、ようやく自分の意思を保つことができるようになり、家に置いてきた妹を救い出して一緒に暮らすという夢を抱くが…。本作で単独初主演を飾った森が、壮絶な物語の裏側にある想いを語ってくれた。
「じゅじゅに『普通の10代の子』という感じを持たせることが、自分にとっての課題だった」
主人公の“じゅじゅ”こと小林樹理恵を演じた森は、脚本を読んだ時に「縁」のようなものを感じたのだそう。「これが自分の未来になっていくんだろうな、という予感がしました。その『未来』というのはキャリア的なことではなく、これから自分が過ごしていく日々。そういったものが書かれている感じがして、すごくご縁を感じたし、撮影がとても楽しみでした」と笑顔を見せる。
本作は長久監督のオリジナル脚本。監督が5年間温めた企画の映画化で、取材を重ねながら物語を作り上げた。じゅじゅを演じるうえで、長久監督とはたくさん会話を積み重ねたと振り返る。
「じゅじゅのようにハードなバックグラウンドを持っている子は、悲劇のヒロインにしたくなりがち。そういう感覚が自分にもあったけれど、彼女のなかにある『普通の10代の子』という感じを持たせることが、自分にとっての課題だと監督と話しながら思うようになりました。ナレーションでは友だちと話す時のように『ちげぇだろ!』みたいな喋り方もするし、実際に友だちに肩パンして戯れ合ったりもする(笑)。そういった彼女のキャラクターとしての“遊び”みたいなものを表現することが、自分のなかでの課題でした」と“じゅじゅ”の役作りの軸となるものへの気づきの過程に触れた。
「監督からも『じゅじゅをかわいそうな子にはしたくない』というニュアンスが伝わってきたので、いろいろなシーンで普通の10代の女の子らしさみたいなものをどうやって表現できるかを考えながらやっていきました」と、長久監督と話すなかでヒントをもらったことも明かした。
