実在のシリアルキラーに動物の死体…『悪魔のいけにえ』のリアルな恐怖を生みだしたトンデモな“本物”エピソードの数々
役者たちを襲った本物のケガの数々
過酷な環境下でのエピソードはこれだけにとどまらない。カーク役のウィリアム・ヴェイルがハンマーで殴られるシーンでは、ゴム製のハンマーにすり替えられたものの、レザーフェイス役のハンセンの振り下ろす勢いが強すぎたため目を腫らしてしまうというアクシデントが起き、演者たちは災難続き。
なかでも大変な思いをしたのが、主人公のサリーを演じたマリリン・バーンズだ。コックに箒で叩かれるシーンでは、用意した偽物のなかになぜか固い棒が入っていたり、ナイフで指を切りつけられるシーンでは、ナイフの先から血糊が出るという特殊効果がうまく働かず、急遽指を切ることになったりと体を張りまくっている。
全力疾走でレザーフェイスから逃げるシーンでも実際に枝や雑草に腕や足を絡め取られるなど、傷、血、さらにはパニック状態と思えるラストシーンのリアクションまで、なにからなにまですべてが本物なのだ。
まだまだ映画撮影のノウハウもなく、うまく現場をコントロールできなかったと、のちに自身でも撮影の不手際を振り返っているトビー・フーパー監督だが、そんな様々なアクシデントやイレギュラーが積み重なったことにより誕生してしまった恐怖は、多くの表現者に影響を与えてきた。
『チェイン・リアクションズ』では、スティーヴン・キングや日本の三池崇史監督、コメディアンのパットン・オズワルトや『ガールファイト』(00)、『ストレイ・ドッグ』(18)などのカリン・クサマ監督といった人々の口から作品の魅力が語られている。ぜひあわせてチェックし、改めて『悪魔のいけにえ』の恐ろしさを味わってほしい。
文/武藤龍太郎
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