ビーバーボイスの秘訣は顔マネ!?『私がビーバーになる時』芳根京子&小手伸也が教えるアフレコ秘話
「完全に入り込んでいる自分にビックリしました」(芳根)
――そうして大切に声を吹き込まれた、完成版をご覧になられた感想も教えてください。
芳根「もう、本当におもしろかったです!普段は参加した作品を観る際は“大丈夫かな?”とドキドキしながら観るものなのに、本作に関しては、あまりにおもしろくてアッという間に観終わってしまいました。途中、本気で笑ったりと、完全に入り込んでいる自分にビックリしました」
小手「なんなら僕は泣きましたよ。もう本当にすばらしくて、思わずグッときちゃって。メイベルとおばあちゃんの関係が、本当に素敵なんですよ。メイベルは頑張りすぎるあまり、社会やほかの人たちからみると共感されないような空回り方をしてしまうこともあって、それをキング・ジョージが慰めるシーンがあるんです。その瞬間、僕自身の感情もジョージのそれと一致して、思わず高ぶってしまって。メイベルの頑張りを認めてあげたい、寄り添ってあげたいという気持ちになりました。“メイベルにこの気持ち届け!”という思いで、メイベルを(心で)抱きしめながら声を当てていました」
芳根「私も、あそこは大事なシーンだと思いました。本当にグッときましたね。ほかにも後半で何度もグッとくるポイントがありました」
小手「しかも日本版声優の皆さんが、本当に上手なんですよ。だから没入感がすごかったです。僕も最初は自分の仕事ぶりを意識していましたが、始まったら一気に物語世界に引き込まれて。そういう意味でも、強い作品だなと思いましたね」
――また、ビーバーが王様ということに驚きつつ、劇中で初めて知るその生態に驚かされたりもします。
芳根「そうなんです。ビーバーが森を作っているというのは、よく知られている情報かもしれませんが、よくよく考えたらメチャクチャすごいこと。だってビーバーが1匹いれば、森を救えるところまで行きつくんですから。ビーバーって、とてつもないパワーを持っているんですよね」
小手「そう、台本を初めて見た時は“動物の王様がビーバー?”と驚きましたが、よくよく考えると、ビーバーがダムを作ることによって池が生まれ、そこに魚が集まり、それを採る鳥が集まり、それを狙う動物が来て…生態系が作られる。それって、国を1つ作るみたいなこと。そういう意味において、ビーバーが王様なんだというのは非常に腑に落ちました」
芳根「弱肉強食の世界で強いというだけではなく、ビーバーがいないと始まらないというのが、とっても温かくて素敵ですよね」
小手「ちゃんとビーバーの生態を調べて描かれている本作は、ファンタジックでありながらリアリティも大事にする、そのバランス感覚が非常におもしろい。しかも勧善懲悪という単純な形でもなく、多様性の時代を反映して、それぞれ動物の視点、人間の視点から描いていて。森を守りたいメイベルも、町に道路を作りたい市長も、どっちの言い分も大事にしている。誰もが己の正義を持っていて、それが時に結び合い、時に離れ、ということが繰り返されていく視点がとても豊かで、一貫して筋が通っていると感じました。それなのに、時にハチャメチャな展開が訪れるのが、またいいんです。そういう相反するもののバランスがうまく取れているから、笑いながら泣けるんです」
