パク・チャヌク新作『しあわせな選択』で来日したイ・ビョンホンを直撃!「“演技の怪物”のような俳優たちとの共演にワクワクした」

パク・チャヌク新作『しあわせな選択』で来日したイ・ビョンホンを直撃!「“演技の怪物”のような俳優たちとの共演にワクワクした」

「監督が盆栽を選んだのは“あれ”のためだったのか…本当の天才」

「劇中のマンスの髪型はスティーヴ・マックイーンをモデルにした」と語るイ・ビョンホン
「劇中のマンスの髪型はスティーヴ・マックイーンをモデルにした」と語るイ・ビョンホン撮影/JANG HOMIN

軍事境界線を挟んで対峙する南北兵士たちの友情の行方を見つめる名作『JSA』(00)で出会い、オムニバス『美しい夜、残酷な朝』(04)の一篇でも組んだパク・チャヌク監督とは約20年ぶりのタッグ。改めてその才能に驚かされたという。

「監督の頭の中をすべて知ろうとしても無理があります。いくつもの計画があり、本当に多くの意図がある。映画を6回、7回と観てようやく『あの時の要求にはそういう意味があったのか』と気づきました。マンスの趣味を原作小説にはない盆栽にしたのもすばらしい選択でした。木を原料として紙を作ってきた人が、植物を育てる趣味を持ち温室まで作っているというのは、アイロニカルですし、よく考えると残酷なことでもあります。自由に成長するはずの枝を自分の思い通りに曲げたり形を変えたりする姿には少し家父長的な面も見られます。そして、最終的に盆栽を選んだのは“あれ”のためだったのかということを知り、本当に天才だなと思いました」

撮影現場のパク・チャヌク監督とイ・ビョンホン
撮影現場のパク・チャヌク監督とイ・ビョンホン

監督からの鋭い要求に応えなければならなかった撮影現場は緊張感に包まれていたものの、笑いも絶えなかったと振り返る。初共演となった妻ミリ役のソン・イェジンとの絶妙なコンビネーションも、そんな雰囲気から生まれたようだ。

「どうしていままで一緒にやる機会がなかったんだろうと改めて驚きました。とても好きな俳優でしたから、リラックスして撮影できました。出来上がった作品を観て、すごく細かい感情まで逃さず演技していたことに気付き、本当にすばらしい俳優だなと感じました」

ソン・イェジンと初共演を果たした
ソン・イェジンと初共演を果たした[c]2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED

マンスの分身といってもよいほど似た境遇にある失業者ボムモ役は演技派として知られるイ・ソンミン。さらに彼の妻を、これまた多くの作品で名演を見せてきたヨム・ヘランが演じている。

「韓国での舞台挨拶やインタビューでもたびたび話してきましたが、キャスティングを聞いた時、『こんな“演技の怪物”のような俳優たちと、いつまた共演できるだろうか』と感じ、ワクワクしました。実際に一緒に演じてみると、シナジー効果のようなものを感じ、とてもよい影響がありましたし、学ぶこともたくさんありました」

『しあわせな選択』で約20年ぶりに組んだパク・チャヌク監督との撮影を振り返るイ・ビョンホン
『しあわせな選択』で約20年ぶりに組んだパク・チャヌク監督との撮影を振り返るイ・ビョンホン撮影/JANG HOMIN

91年のデビュー以来、トップ俳優として走り続けてきたイ・ビョンホン。今後、挑戦してみたいジャンルやキャラクターはあるのだろうか。

「特定のジャンルにこだわったり、無理に選んだりすることはありません。特に最近の映画を見ると、様々なジャンルが混ざったものも多いですよね。私たちの日常にとても近い気がします。生きていくなかでは、ある瞬間には恐れを感じたり、またある瞬間には笑ったり、さらに別の瞬間には少しメランコリックになったりすることもある。これが人生ではないでしょうか。重要なのは物語、そして、俳優たちです。演技が上手な人であれば、一度は共演してみたいです。『KCIA 南山の部長たち』を選んだ時もそんな気持ちでしたし、今回も当然そうです。常に渇望しているのは、これまで見せてこなかった新しい感情を見せられるのかどうか。それができる作品をこれからも探していきたいです」


取材・文/佐藤 結


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