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2025年の韓国映画界はハートウォーミング・ゾンビ映画『ゾンビ娘』やパク・チャヌク新作『しあわせな選択』がヒット!2026年の注目アクターはチョ・インソン

コラム

2025年の韓国映画界はハートウォーミング・ゾンビ映画『ゾンビ娘』やパク・チャヌク新作『しあわせな選択』がヒット!2026年の注目アクターはチョ・インソン

大作映画の観客動員数が伸びない一方、低予算映画のヒットや海外で注目を集めたインディーズ映画が、不況が続く韓国映画界の希望の星となった2025年。また観客数では、変化球のゾンビコメディ映画『ゾンビ娘』が1位を獲得。青龍映画賞は、『ハルビン』(24)のヒョンビンと、『しあわせな選択』(2026年3月6日公開)のソン・イェジンが夫婦W受賞に輝いた。果たして来年はどんな期待作が待っている?

観客数最多は、“ゾンビ映画”の常識を覆した『ゾンビ娘』

【写真を見る】悪戦苦闘しながらも、人間と共存できるよう特訓を重ねる家族の絆に心打たれる『ゾンビ娘』
【写真を見る】悪戦苦闘しながらも、人間と共存できるよう特訓を重ねる家族の絆に心打たれる『ゾンビ娘』[c]Everett Collection/AFLO

最多観客数563万人を記録したのは、チョ・ジョンソク主演、ピル・カムソン監督の『ゾンビ娘(原題:좀비딸)』だった。原作はウェブトゥーンで、ゾンビウイルスに感染した娘を守ろうと奮闘する父親のジョンファンをチョ・ジョンソクが熱演した。本作は、ゾンビは出てくるものの、ホラーではなく家族愛が感じられるコメディになっている。

韓国では、これまでたくさんのゾンビ映画が作られ、“Kゾンビ”というジャンルが生まれるほどだったが、本作がユニークだったのは、人間をゾンビから守るのでなく、ゾンビを人間から守る物語という点だ。ウイルスに感染してしまった中学生の娘のスア(チェ・ユリ)は、完全にゾンビになったのではなく、人間としての記憶も残った状態で、努力すれば意思疎通も図れる。“ゾンビは見つけたら殺す”というのが社会の掟となっているなか、ジョンファンは実家でこっそりスアをかくまい、少しずつ人間に戻す訓練を試みる。

チェ・ユリによる、チャーミングさも備えたゾンビがかわいい(『ゾンビ娘』)
チェ・ユリによる、チャーミングさも備えたゾンビがかわいい(『ゾンビ娘』)[c]Everett Collection/AFLO

噛みつこうとするスアをなだめすかすジョンファン。噛みつかれたらジョンファンもゾンビになるという緊張感もありながら、笑えるシーンも多く、感動まで与えてくれる。ゾンビの狂暴性と人間の理性の間で葛藤するスア役のユリの名演が光った。

祖国奪還のため、同志らと共に伊藤博文の暗殺に繰りだす安重根の戦いを描いた『ハルビン』
祖国奪還のため、同志らと共に伊藤博文の暗殺に繰りだす安重根の戦いを描いた『ハルビン』[c]Everett Collection/AFLO

ヒョンビン主演、ウ・ミンホ監督の『ハルビン』は、2024年の年末公開作なので興行結果としては2025年の作品とも言える。観客数491万人は数字としては2位の記録だ。ヒョンビンが祖国独立のために戦う安重根(アン・ジュングン)役、安重根に暗殺される伊藤博文役をリリー・フランキーが演じた。さらに安重根と共に戦う同志としてイ・ドンウク、パク・ジョンミンも出演し、豪華キャストによるスパイアクションが繰り広げられた。伊藤博文の「この国の民衆は国難のたびに変な力を発揮する」というセリフが、まさに昨年12月の非常戒厳ののちに国会議事堂のある汝矣島(ヨイド)に集まって大統領弾劾を訴えた人たちと重なり話題を集めた。

検事と手を組み、麻薬犯罪者から引きだした情報を検察に提供する“ヤダン”ことガンス(『YADANG/ヤダン』)
検事と手を組み、麻薬犯罪者から引きだした情報を検察に提供する“ヤダン”ことガンス(『YADANG/ヤダン』)[c] 2025 PLUS M ENTERTAINMENT AND HIVE MEDIA CORP, ALL RIGHTS RESERVED.

そして、カン・ハヌル、ユ・ヘジンが共演する『YADANG/ヤダン』が観客数337万人のヒットを記録。主演のハヌルは、「ヤダン」と呼ばれる、麻薬犯罪者から話を聞きだし警察などに情報提供を行うブローカーを、共演のヘジンは「ヤダン」を利用して出世しようとする検事を演じた。どちらもギラギラとした野心家で、タッグを組んで次々に麻薬犯罪者の検挙を成功させていく。

名優ユ・ヘジンが、野心あふれる検事グァニに扮し、ヤダンと共に検挙に臨む(『YADANG/ヤダン』)
名優ユ・ヘジンが、野心あふれる検事グァニに扮し、ヤダンと共に検挙に臨む(『YADANG/ヤダン』)[c] 2025 PLUS M ENTERTAINMENT AND HIVE MEDIA CORP, ALL RIGHTS RESERVED.

麻薬犯罪に関して使われる隠語であり、“捜査機関に情報を提供する情報員”を指す「ヤダン」の存在は、この映画が公開されるまで一般的には知られていなかった。違法と合法のグレーゾーンで暗躍しながら、麻薬犯罪の取り締まりに一役買うヤダン。ファン・ビョングク監督は、その実態に迫ろうとヤダンを含む麻薬犯や捜査関係者計100人以上に実際に会って取材を重ねたという。リアルな描写は監督自ら身を投じた努力の賜物だ。



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