新解釈『嵐が丘』にもハマる劇画的風格!『フランケンシュタイン』も高評価のジェイコブ・エロルディから目が離せない

新解釈『嵐が丘』にもハマる劇画的風格!『フランケンシュタイン』も高評価のジェイコブ・エロルディから目が離せない

エメラルド・フェネル(『プロミシング・ヤング・ウーマン』)新解釈による『嵐が丘』(公開中)がちょっとした嵐を巻き起こしている。2月23日までに全米興行収入が6000万ドル、全世界興行収入では1.51億ドルを弾きだしているのだ。文豪の原作を基にしたラブロマンスとしては珍しいケースだ。もっとも、同作はエミリー・ブロンテの原作をあふれ返るエロチシズムと攻めまくった美術と衣装で再構築したもの。特に、マーゴット・ロビー扮するヒロインのキャサリンと、監督のフェネルがオーディションをスルーしてキャスティングしたというジェイコブ・エロルディ演じるヒースクリフのラブシーンは、繰り返すほどに切実度を増していく。

心赴くままに愛し合う2人を待ち受ける衝撃の運命とは?(『嵐が丘』)
心赴くままに愛し合う2人を待ち受ける衝撃の運命とは?(『嵐が丘』)[c]2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

劇画的イメージをリアルに体現するジェイコブ・エロルディ

フェネルは「初めて読んだ原作に添えられていたイラストが(劇画だったのか?)全部ジェイコブに見えた」と愛の歴史を熱烈アピール。当然、監督の思いというのは観客にも伝わるもので、ヒースクリフがキャサリンに壁ドン&キスする時の眼差しはリアル劇画みたいで、エロルディのキャスティングが原作に綴られたヒースクリフのイメージではないとディスりまくったブロンテマニアたちをも沈黙させてしまった。映画のヒットから鑑みて、そう考えるのが妥当だろう。

ヒロイン、キャサリンとの愛憎に身を焦がすヒースクリフ(『嵐が丘』)
ヒロイン、キャサリンとの愛憎に身を焦がすヒースクリフ(『嵐が丘』)[c]2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

こうして最新版『嵐が丘』は、マール・オベロン、ローレンス・オリヴィエ共演のウィリアム・ワイラー版(39)から、時代背景を日本の室町時代に移した田中裕子、松田優作共演、吉田喜重監督による『嵐が丘』(88)まで、数多ある関連作品のなかでも一際異彩を放つ異色作となったわけだ。

再び戻ってきたヒースクリフは見違えるほどの裕福な紳士になっていた(『嵐が丘』)
再び戻ってきたヒースクリフは見違えるほどの裕福な紳士になっていた(『嵐が丘』)[c]2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

“怪物”を演じた『フランケンシュタイン』でアカデミー賞候補に!

スペインのビルバオからオーストラリアのブリスベンに移り住んだ父親のジョンと、ブリスベンでボランティアをしていた母親のメリッサの間に生まれた待望の男児がジェイコブ・エロルディだった。彼には3人の姉がいる。早くからスポーツの才能を開花させ、10代半ばでラグビーとバスケットの両方で実力を認められるようになったという。

196cmの長身、スポーツで鍛えたがっしりした体格も魅力(『嵐が丘』)
196cmの長身、スポーツで鍛えたがっしりした体格も魅力(『嵐が丘』)[c]2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

現在、映画ファンを魅了するアスペクト比に収まらない見事な長身と、それでいて、間延びしない身のこなしは少年時代に培ったスポーツの成果だと思われる。しかし、スターへの分岐点としてありがちな怪我によってアスリートとしての未来を諦めたエロルディは、母親(最近本人がよく口にしている芸能界への橋渡し役)の勧めもあり、メルボルンの演劇学校の門を潜った。

Netflix配信の『キスから始まるものがたり』、HBOの大ヒットシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」なども話題に(『嵐が丘』)
Netflix配信の『キスから始まるものがたり』、HBOの大ヒットシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」なども話題に(『嵐が丘』)[c]2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

当時から、敬愛するマーロン・ブランド、ローレンス・オリヴィエ、ダニエル・デイ=ルイス等、先人たちの伝記を読み漁り、彼らの言動を真似していたというエロルディ。特に、同郷の先輩、ヒース・レジャーが『ダークナイト』(08)に刻み込んだジョーカーの快演は『フランケンシュタイン』(25)でモンスターを演じるうえで大いに役立ったと本人が後述している。今年のアカデミー賞助演男優賞候補のなかで、エロルディのモンスターはダークホース的立ち位置だ。しかし、だからこそ、受賞の可能性は高いと思うのだが、どうだろう?

【写真を見る】美しい面影はどこに!?ジェイコブ・エロルディが“怪物”役を怪演した『フランケンシュタイン』
【写真を見る】美しい面影はどこに!?ジェイコブ・エロルディが“怪物”役を怪演した『フランケンシュタイン』[c]Everett Collection/AFLO


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