映画『木挽町のあだ討ち』は「記憶を消してまっさらな状態で観返したい」!?感想コメントでひも解く“ミステリーとしてのおもしろさ”

コラム

映画『木挽町のあだ討ち』は「記憶を消してまっさらな状態で観返したい」!?感想コメントでひも解く“ミステリーとしてのおもしろさ”

「空いたピースが埋まっていく楽しさ」…まさに江戸版「刑事コロンボ」で「古畑任三郎」なミステリーとしてのおもしろさ

仇討ち事件の顛末を調べる加瀬総一郎は、本作における狂言回しであり探偵役。森田座の関係者一人一人への聞き込みを行いながら、気になる異変を見つけ、油断した相手の隙を突くことで新たな手がかりも入手していく。このような展開からも本作は、江戸版「刑事コロンボ」であり「古畑任三郎」といっても過言ではない。感想コメントを見ても、ミステリーものとしてのおもしろさを大勢が絶賛していた。

「登場人物それぞれが断片的にしか真相を語らず、ストーリーが進むにつれて空いたピースが埋まっていく楽しさ」(40代・女性)
「一緒に推理しているような気持ちになりました。謎が解けた時が気持ちいい」(20代・女性)
「刑事コロンボを思わせる総一郎の言い回しがお見事!」(20代・女性)
「ミステリーに重要な“誰が”、“なぜ”、“どうやって”の構成が巧みでした」(20代・女性)
「少しずつ、これはさっきの伏線だと気づけるところがいい」(40代・女性)

飄々とした掴みどころのなさは江戸版「刑事コロンボ」で「古畑任三郎」!柄本佑演じる加瀬総一郎の名探偵ぶり
飄々とした掴みどころのなさは江戸版「刑事コロンボ」で「古畑任三郎」!柄本佑演じる加瀬総一郎の名探偵ぶり[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

「仇討ち事件の裏に優しい人たちの人情があった」…豪華実力派キャストの結集と涙なしでは見られない人情ドラマ

飄々とした掴みどころのなさが観る者を惹きつける総一郎役の柄本佑をはじめ、圧倒的存在感の渡辺謙、『室町無頼』(25)でのアクションも印象的だった長尾謙杜、数多くの悪役を演じてきたことが今回の役にも生きている北村一輝。さらに、瀬戸康史、滝藤賢一、高橋和也、正名僕蔵、山口馬木也と実力派キャストが結集。彼らが演じる一癖も二癖もある登場人物も本作の見どころで、特に印象に残ったキャラクターとその理由も紹介したい。

まずは主人公の総一郎から。これぞ探偵!とも言うべき、人好きのする人物でありながら、淡々と会話をしていたらいきなり核心を突いた言動を見せるなど底の深さが好評で、以下のような感想が上がっている。

「天性の人たらしなのか、調査のために演じていたのか。ミステリアスなところがおもしろい」(40代・女性)
「飄々としているようでその実、刃物のような鋭さで推理していく」(40代・男性)
「軽妙な語り口で人の懐にスッと入るが、油断できない鋭さもある」(30代・女性)
「柄本さんならではのなにを考えているかわからない感が役にハマっていた」(20代・女性)

一八と出会った総一郎は森田座の人々への聞き込みを行う
一八と出会った総一郎は森田座の人々への聞き込みを行う[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

菊之助は素直で真っ直ぐな人物であり、それだけに父親の仇とはいえ人を殺すことにためらいが見られる。「守らなければと思わせる純粋さと幼さ。一方で、仇討ちの場面での凛とした強い姿の両方を演じ切っていた」(20代・女性)「殺陣の美しさ」(20代・女性)などの言葉からも、演じる長尾がその葛藤を丁寧に表現していたことが伝わり、殺陣のアクションでも観客を魅了していた。

仇といえど、人を殺すことにためらいを覚える心優しい菊之助
仇といえど、人を殺すことにためらいを覚える心優しい菊之助[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

金治には渡辺の熱演もあり、「人情に篤く、グッとくるものがあった」(30代・女性)との声が見られた。森田座の名物立作者であり、総一郎すらも気圧されてしまう風格は渡辺が演じてこそ醸しだされたものだろう。


森田座の立作者、篠田金治
森田座の立作者、篠田金治[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社

森田座の面々には、「全員がとてもすてき。江戸っ子ならではの粋なはからい」(40代・女性)という感想が。遊女の子である木戸芸者の一八(瀬戸)、訳あって武士の世界から離脱した相良与三郎(滝藤)、焼き場で働くなど数奇な運命をたどってきた女形の芳澤ほたる(高橋)、我が子を失った過去を持つ寡黙な小道具方の久蔵(正名)とそれぞれがつらい過去を持ちながら懸命に生きてきた。それだけに、故郷を離れ途方に暮れる菊之助を放ってはおけなかった。森田座の人々が織りなす温かい人情ドラマには、「感動した!」と大勢が心を揺さぶられている。

「江戸の世界と森田座で繰り広げられる狂言に没入し、人々の優しさと温かさ、生きる想いに勇気をもらいました」(20代・女性)
「理不尽なことが多い世の中だけど、人を救うのもまた人だと思わされた」(20代・女性)
「誰かのために必死になり、涙を流す姿に心を動かされました」(20代・女性)
「仇討ちという殺伐とした事件の裏に優しい人たちの人情があった」(50代・男性)
「一つ一つの嘘が人を守るためについていることに魅力を感じた」(40代・男性)

森田座の人々が織りなす人情ドラマが観客の心を打つ
森田座の人々が織りなす人情ドラマが観客の心を打つ[c]2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 [c]2023 永井紗耶子/新潮社
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