二足のわらじを履くパク・ジョンミン、怪演で魅せるイ・ソンミン&ヨム・ヘラン!韓国ライターが選ぶ2026年期待のパイプレイヤーは?
親近感の湧くキャラクターを演じる視聴者の“心の隣人”イ・ボンリョン
「2025年に見たドラマのなかで最も好きなキャラクターは?」と聞かれたら、「『いつかは賢いレジデント生活』のソ・ジョンミン教授!」と答える。自分のことしか考えない新人医師たちを、厳しく温かく、チャーミングに指導し、いつの間にか一人前にしてしまった彼女は本当に魅力的だった。「おつかれさま」では、主人公の娘が一酸化酸素中毒で運び込まれる病院の看護師役で特別出演。セリフはほとんどないが、若い恋人たちに対する感情を表情と体の動きで巧みに表現し、笑いを誘った。
(映画ライター・佐藤結)
名ドラマにキム・ソニョンあり!どんなに小さな役でもキャラクターの人生の重みを感じさせる
“この人が出ていれば磐石”というバイプレイヤーが韓国には何人もいるけれど、間違いなくキム・ソニョンはその筆頭格だ。「トラウマコード」「コンフィデンスマンKR」でのクセが強いキャラもインパクト大だったが、 「告白の代価」で演じた女性刑務所のチンピラ風なボスキャラは、そこまで出演シーンが多くないにもかかわらず確実に爪痕を残した(ちなみに彼女の悪口だらけのセリフはほぼアドリブだったらしい)。しかしキム・ソニョンの真価は、余韻を残す深い演技。特に忘れがたいのは、パク・ボヨン扮する双子の姉妹ミジとミレの生き方をめぐるヒューマンドラマ「未知のソウル」で見せた、姉妹の幼なじみ・ホスの母ブノン役。ブノンはホスの実母ではなく継母で、自身の家族や周囲から反対されたり偏見を受けながらも、耳に障がいを持つホスに愛情を注いで育ててきた。苦しみを見せることなく明るくふるまってきた彼女がたった一度見せた悲しみを必死にこらえるシーンと、姉妹の母で長年の友人オクヒとの不器用ながら暖かな友情を感じさせるシーンは本作屈指の涙を誘う名場面として大きな感動を呼んだ。2026年も多くの作品でキム・ソニョンの顔を見たい。
(映画ライター・荒井南)
“キム・ゴウンのマブダチ”から脱却!マイルドな笑顔に隠された、ワイルドな実力派イ・サンイ
ミュージカル、ドラマ、映画、さらにはバラエティまで――ジャンルを横断して活躍する、まさしくオールラウンダー。かつては「キム・ゴウンさんのマブタチ」という印象が強かった彼ですが、気づけば、私が観るドラマ、観るドラマにいる(笑)。昔観ていた作品も実は名前がクレジットされていた…なんてことも数知れず。取材で作品選びのポイントを問われ、「自分がおもしろいと思う作品を選ぶ」と語っていたのを見ると、私たち趣味が合うのかも(笑)。今では画面にイ・サンイさんが出ると「パンガウォ(会えてうれしい)」とつぶやいてしまいます。彼の俳優としての魅力は、演技力はもちろん、キャラクター選びの上手さ。映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(24)ではラストで“マブタチ”キム・ゴウンさん演じるヒロインと結婚式を挙げる役で思わず歓喜。「損するのは嫌だから」の軽快なコメディ演技も大好きで、「社長のお品書き」ではその高い歌唱力にびっくり。「ブラッドハウンド」ではボクシング選手役として、引き締まった細マッチョボディも見せてくれ、作品ごとにエンターテイナーとしてのポテンシャルを見せてくれるのです。ちなみに、軍人(素人)時代に仲間と特技披露番組に出演した時のオーラも格違いでした。今年は、パク・ボゴムさんと美容室運営に挑戦したり、日韓合同制作の音楽番組で歌声を披露したりと、バラエティ分野でも話題を提供。これからも芸能界を縦横無尽に駆け回り、私たちを楽しませてくれそうです。
(映画ライター・酒井絵美子)
作品の完成度を上げる、韓国インディーズ映画界の至宝イ・サンヒ
ここ数年の出演作を振り返ると、イ・サンヒの2026年もまた、堅実な活躍が期待される。2010年の映画『視線(原題:시선)』でデビューして以来、インディペンデント映画を中心にキャリアを積み重ねてきたイ・サンヒ。感情を強く押し出すのではなく、登場人物が置かれた状況のなかでどんな選択をし、どんな態度を取るのかを丁寧に描く演技で、確かな存在感を築いてきた。彼女の演技は、場面を支配するタイプというよりも、物語の流れを自然に保つことに長けている。そのため主役の物語を邪魔することなく、登場人物の立ち位置をはっきりと印象づけることができる。テレビドラマに活動の場を広げてからも、そのスタンスは一貫している。「ミストレス」「ライフ」「ある春の夜に」「検事ラプソディ~僕と彼女の愛すべき日々~」「半分の半分」などでは、物語を牽引する主役というより、現実的な判断を重ねながら物語の軸を支える役柄を数多く演じてきた。派手に感情をぶつけるのではなく、セリフの間や視線、人との距離感といった細部で人物を表現するイ・サンヒ。その演技は、ジャンルや出演分量に関係なく、作品の完成度を確実に支えている。
2025年には、ディズニープラス「北極星」、Netflix「広場」と「ザ・リクルート」シーズン2、SBS「わたしの完璧な秘書」、Wavveオリジナル「Sライン」など、配信サービスや作品のタイプを問わず幅広く出演し、どんな現場でも安心して任せられる俳優であることをあらためて印象づけた。こうした流れを踏まえると、イ・サンヒは2026年も、作品が求める役割を的確に担いながら、全体の完成度を底上げする俳優として、引き続き多くのオファーを受ける存在であり続けるだろう。
(映画ライター・柳志潤)

