映画2部作の注目ポイントは?木村拓哉の冷徹ぶりも圧巻な「教場」シリーズの魅力
風間の右目を奪った因縁の十崎波琉とは?
しかし、その再会は喜ばしいものではない。公式によれば、風間の身に危機が迫ったことで教え子たちが集結するとされている。風間の窮地。そう言って思い浮かぶのは、ある男の存在だ。かつて風間が逮捕した殺人犯で、名前は十崎波琉(森山未來)。ほかならぬ風間の右目を奪った張本人だ。
十崎との因縁は、「教場II」と「教場0」で語られている。彼の出所後、その存在が周辺でちらつきながらも、警戒を続けていた風間。そんななか、指導官の風間と共に別件の張り込みをしていた新人刑事の遠野章宏(北村匠海)が十崎に千枚通しで襲われ、遠野は命を、そして風間は右目を失うこととなった。
やがて所轄の警官が十崎の身柄を確保するが、無抵抗の相手を暴力的に取り押さえたとSNSで拡散され、加えて事件の裏付けも取れなかったことから釈放されてしまう。また、警官が公務執行妨害をでっち上げていたことから、風間は現状の警察の在り方に失望。現場を離れ、警察学校への異動を申し出るのだった。一方の十崎は、幻か現実か、警察学校にいる風間の背後に姿を現す。「妹はどこだ」とだけつぶやいて姿を消した彼は三度、風間の前に姿を見せるのか。
木村拓哉の狂気的なまでのカリスマ性に引き込まれる
風間はなぜ冷徹な人物となったのか?「警察には恨みだらけだ」と語るまでに至った経緯はこれまでのシリーズでも描かれてきた。しかし、謎は残る。十崎が問いかけた妹の存在。また、濱田岳演じる鳥羽暢照は十崎の事件の現場に居合わせていたが、その詳細も語られていない。そうした点とあわせて注目なのが、やはり風間を演じる木村拓哉の迫力と魅力だ。
新境地となる役柄にして、我が道を行きながら本質を見抜いている人物ということでは、まさにふさわしい役どころ。プロデューサー&監督の中江功とは、「若者のすべて」や「ギフト」、「眠れる森」、「空から降る一億の星」でも組んでいるが、共通するのは狂気的なまでのカリスマ性と血に濡れた木村の姿だ。緊張と期待。果たして、新たな2部作で風間が見るもの、また木村が見せるものとは?配信中の『教場 Reunion』、そしてまもなく公開となる『教場 Requiem』でその核心に迫ってほしい。
文/渡辺水央
