ありがとうワーナー!「WB」大好き映画ライターが、思い出の作品を語りまくる「“ここから始まった”みたいな映画ばかり」

ありがとうワーナー!「WB」大好き映画ライターが、思い出の作品を語りまくる「“ここから始まった”みたいな映画ばかり」

SF映画の概念を根本的に変えてしまった『ブレードランナー』の衝撃

——ワーナー映画はどの年代にも映画ファンにとって特別な作品だらけで、セレクトするのもひと苦労しそうですね。続いて1980年代、今回上映されるのは1982年公開の『ブレードランナー』です。

相馬「公開当時はそんなにヒットしなかったんですよね」

渡辺「確か3週間くらいで終わっちゃって、興行的にはうまくいかなかった。けれど、『ブレードランナー』以前と以降ではSF映画が180度変わっちゃったよね。SF映画の概念を根本的に変えてしまった。『ブレードランナー』が出るまでのSF映画は綺麗で、とても“クリーンな未来”だったけど、リドリー・スコットは“地続きの未来”を作った。“近未来”や“世界観”という言葉がでてきたのもここからだった気がします。
のちにリド様(リドリー・スコット)にインタビューしたら、『私としては自分が綺麗だと思うものを全部差し出したのだけど、みんなから汚いやらなにやらいろいろと言われた』とか言っていました。でも、『後になってすばらしいとか言い出して適当だよ』って(笑)。そういう意味でも文字どおりエポックメイキングな作品で、SF映画に対する影響力は半端なかったと思います。やっぱり、そういう作品をちゃんと世に送ってるのが、やっぱり監督を重視していて作家性のあるワーナー映画なのかな」

『ブレードランナー』でデッカードを演じたハリソン・フォード
『ブレードランナー』でデッカードを演じたハリソン・フォード[c] 1982 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

相馬「僕は実は公開されてから結構あとに観て、上京して初めて名画座で観ました。でも最初は正直、おもしろさがわからなくて…」

渡辺「いくつくらいの時?」

相馬「20歳くらいだったと思います。飯田橋の名画座で観たんですよね。ただ最初はストーリーを追うのに精一杯だったけれど、何度か観ると、やっぱりすごい映画だ!と思って」

渡辺「わかります。私は『スターログ』(アメリカのSF映画雑誌。日本語版も発行されていた)で予習もしっかりしていったから、ストーリーは大丈夫だったけれど、圧倒されたシーンはいっぱいあって。デッカード(ハリソン・フォード)が蛇の鱗を街の鑑定士に見せるエピソードがある。彼女が顕微鏡みたいなので覗くと、その鱗の全部にシリアルナンバーが入っていて、『すごいぞ、これ!』ってクラクラきちゃった。最初に感動したのがここで、『なんなのこのディテールは。この監督すごくない?』と思って、リドリー・スコットの名前を覚えたという思い出があります」

今回上映されるバージョンは『ブレードランナー ファイナル・カット』
今回上映されるバージョンは『ブレードランナー ファイナル・カット』[c] 1982 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

——1980年代には、『卒業白書』『グレムリン』『カラーパープル』『グーニーズ』『リーサル・ウェポン』といった作品もありました。

渡辺「私の『グレムリン』(笑)。1984年の年末公開で、『グレムリン』『ゴーストバスターズ』『ゴジラ』の“スリーG”の年だった」

相馬「『カラーパープル』は、オムニバスの『トワイライトゾーン 超次元の体験』除くと、(スティーヴン・)スピルバーグの初ワーナー作品ですね。明るく楽しいではない、スピルバーグらしからぬ映画でした。やっぱりワーナーは、ちょっと硬派な会社って感じがしますね」

渡辺「その後の『太陽の帝国』もよかったですね。ほかにも1980年代だと、ティム(・バートン)くんの『ビートルジュース』とかも」

相馬「1989年には『バットマン』もやってきます」

ブルース・ウェイン/バットマン役を演じたマイケル・キートン
ブルース・ウェイン/バットマン役を演じたマイケル・キートン[c]EVERETT/AFLO

渡辺「当時試写に行ってもらったグッズの巾着、いまだに使ってますよ。あと『ロジャー・ラビット』!」

相馬「このころはディズニー映画を、日本ではワーナーが配給していましたね。『リトルマーメイド』とか『美女と野獣』とかも」


『ボディガード』がメガヒット!骨太な映画も目立つ1990年代のワーナー映画

——(記事に収まりませんでしたが)非常に多くのタイトルが挙がったところで、続いて1990年代になります。今回2本上映がありまして、1本は冒頭でお話にも出ていました1992年公開の『ボディガード』 です。

相馬「『ボディガード』は映画もヒットしたけれど、サントラもバカ売れしましたね。確か歴史上最もサントラ盤が売れた映画で、4000万枚売れたとか」

渡辺「テイラー・スウィフトでリメイク版の話も出ていたけれど、さっき話したように、鍋からそのままスープを飲む、あのシーンが似合う俳優はいるのだろうか…というのが気がかりです。あの当時、私、ケビン・コスナーが大好きで。1番好きなのは『さよならゲーム』(日本ではワーナー配給)。あれもトランクス姿でアイロンがけする姿が良すぎて。ケビン・コスナーはこういう日常のシーンをすごくすてきに演じると思いました。私の恋愛映画のベスト2のうちの1本です」

相馬「2本しかないんですね(笑)」

渡辺「もう1本は『バットマン リターンズ』!」

相馬「恋愛映画と言っていいのかどうかは置いておいて…」

渡辺「ティム(・バートン)くんのセンスが爆発しているところがすごく好き。仮面舞踏会のシーンとか、デートを誘うシーンとか、たまりません」

相馬「話を戻してケビン・コスナー繋がりで言うと、イーストウッドの『パーフェクト・ワールド』は、ワーナーブランドがいい形に住み着いていましたね。イーストウッドが巨匠となり始めたのもこのころからでした」

渡辺「そうそう。それこそ『許されざる者』とか『ホワイトハンター ブラックハート』とか」

「最後の西部劇」と称された『許されざる者』
「最後の西部劇」と称された『許されざる者』[c]EVERETT/AFLO

相馬「その前には自身が主演しない『バード』があって。求められる俺を演じる映画と、自分の撮りたい映画のバランスを取っている」

渡辺「それステキ。確かにそうだね」

相馬「そうしないとやりたい『バード』とかを撮らせてもらえないだろうからね」

渡辺「でも撮らせてくれる、すばらしいなワーナー。でも、やっぱり骨っぽい映画が多いよね。『JFK』とかも大好き」

相馬「オリバー・ストーンにも、3時間超えの硬派な大作をちゃんと撮らせてますからね」

――そして1990年代でもう1本上映されるのが、1999年公開の『マトリックス』です。

社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔『マトリックス』
社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔『マトリックス』[c] 1999 Village Roadshow Films (BVI) Limited. [c] 1999 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

渡辺「『ブレードランナー』もそうだけど、『マトリックス』もSF映画に対する影響力、半端なかったです」

相馬「やっぱり初めて観た時は新鮮というかショッキングでした。こんな表現できるんだっていう」

渡辺「そうそう。あのサイバー空間を映像する感じが、当時はあまりなかったのかな」

相馬「オンラインっていう概念も一般的じゃなかったから」

渡辺「“インターネット”っていう考え方は、やっぱり『ターミネーター』(日本ではワーナー配給)の時に、(ジェームズ・)キャメロンが“スカイネット”として出して、あれが私は映画で初めてだったような印象があります」

相馬「ただ『マトリックス』は、電話線を伝っていろんなことができるっていう発想を映画で表現したのが、斬新だったなと」

バレットタイムと呼ばれるスローモーション映像も大流行した『マトリックス』
バレットタイムと呼ばれるスローモーション映像も大流行した『マトリックス』[c] 1999 Village Roadshow Films (BVI) Limited. [c] 1999 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

渡辺「ああ、そうかもね。ネットの表現をちゃんとビジュアル化した映画で、とてもかっこよかったし、おもしろかった。しかもそれがオリジナルの物語ですからね」

相馬「そして1999年は、キューブリックの『アイズ ワイド シャット』が完成した年でもありました」

渡辺「そのあとに『A.I.』があったね。アメリカではあまりヒットしなかったけど、日本では興収が90億以上いった。ここからワーナーの黄金期がしばらく続くイメージがあります。2000年代だと『ハリー・ポッター』が始まって、あとチャン・イーモウの『HERO』とかもワーナーがやってました」

ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル
●日程
2025年12月15日~12月23日(火)
●会場
東京・丸の内ピカデリー
大阪・なんばパークスシネマ
●料金
一般・シニア・大学生 1,500円/高校生以下・障害者手帳提示で 1,000円
※特別興行のためサービスデー、その他各種割引は適用外となります
※入場者特典として特製ポストカードを全員にプレゼント
●チケット発売
オンライン会員:上映3日前の17時00分~/非会員:上映3日前の21時00分~
劇場窓口:上映2日前の劇場オープン時~

●上映作品
<丸の内ピカデリー>
12月15日(月)『ダークナイト』(08)
12月16日(火)『マトリックス』(99)
12月17日(水)『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(17)
12月18日(木)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)※V8Jプロデュースによる応援上映
12月19日(金)『燃えよドラゴン 劇場公開版』(73)、『マイ・インターン』(15)
12月20日(土)『ハリー・ポッターと賢者の石(吹替版)』(01)、『インセプション』(10)
12月21日(日)『グラン・トリノ』(08)、『銀魂』(17)
12月22日(月)『ブレードランナー ファイナル・カット』(07)※上映前トークイベント予定
12月23日(火)『ボディガード』(92)※上映前トークイベント予定、『るろうに剣心』(12)

<なんばパークスシネマ>
12月15日(月)『ハリー・ポッターと賢者の石(吹替版)』(01)
12月16日(火)『マイ・インターン』(15)
12月17日(水)『ブレードランナー ファイナル・カット』(07)
12月18日(木)『ダークナイト』(08)
12月19日(金)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(17)
12月20日(土)『燃えよドラゴン 劇場公開版』(73)、『インセプション』(10)
12月21日(日)『銀魂』(17)
12月22日(月)『グラン・トリノ』(08)、『マトリックス』(99)
12月23日(火)『ボディガード』(92)、『るろうに剣心』(12)
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