ありがとうワーナー!「WB」大好き映画ライターが、思い出の作品を語りまくる「“ここから始まった”みたいな映画ばかり」
2025年末をもって、日本での劇場配給業務を終了することを発表したワーナー・ブラザース映画(以下、ワーナー映画)。日本国内での歴史は、ちょうど100年前の1925年、アメリカに本店を構えるワーナー・ブラザース・ジャパン・インコーポレーテッドの日本の営業所として始まり、以降、映画史に残る数々の名作を配給してきた。その歴史の集大成となるメモリアルイベント「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」が、12月15日から23日(火)まで東京と大阪の2箇所で開催中だ。
MOVIE WALKER PRESSでは、映画ファンの誰もが特別な想いを抱くこの映画祭の開催を記念して、映画ライターの渡辺麻紀と相馬学がたっぷりワーナー映画の魅力を語り合う対談を実施!今回上映される『燃えよドラゴン』(73)から『IT/イット“それ”が見えたら終わり。』(17)までの約50年間のワーナー映画を、上映タイトルを中心に振り返ってもらった。
あれもこれもワーナー映画!あなたのワーナー映画デビュー作はなに?
——まずは、お2人が初めて観たワーナー映画やワーナー映画の原体験的なお話を伺いさせてください。
相馬「僕が初めて映画館で観たのはリチャード・ドナー版の『スーパーマン』ですね。秋田県出身なのですが、都市部から電車…というか汽車で1時間の場所なので、僕の田舎では封切りタイミングでは観られなくて」
渡辺「うちも同じ。私は実家が大分なんだけど、映画館のある大分市まで電車で1時間かかったから」
相馬「そんな映画館事情だったのですが、『スーパーマン』は珍しく僕の田舎でも東京と同時公開だったんですよ。だからすごく鮮明に覚えていて。しかも、当時は二本立て上映が普通でしたが、『スーパーマン』は一本立てで。大作は1本というイメージがあったのと、ちょうど映画好きになったころなので、最初のワーナー映画の思い出はしっかり残っていました。作品的には『スーパーマン』以上に、その後に公開された『マッドマックス』(日本ではワーナー配給)が強烈でしたね。『マッドマックス』の初公開の時って、日本で主題歌つけてるんですよ」
渡辺「え、そうなの?それは知らなかった」
相馬「串田アキラさんが歌ってるんですけど、幸いにも英語だったんで、とりあえずスッと観れました(笑)」
渡辺「すばらしいね(笑)。私はなんだろうなぁ…。これはワーナー映画だからみたいに意識していなかったけど、やっぱり自分の認識のなかでは、女性や子ども向けでない映画を作るのがワーナーという印象かな」
相馬「日本で言ったら東映みたいな感じで」
渡辺「そもそもギャング映画からスタートしたスタジオだし」
相馬「なるほど。社風なんですね」
渡辺「当時はスター役者をスタジオが抱え込む時代だった。その時ワーナーが抱え込んでいたのはジェームズ・キャグニーとか、ハンフリー・ボガート。どう転んでも、女性や子ども向けではないという印象で、その流れがいまも根底にはある気がする。だから私好みの映画も多いのかな」
相馬「確かにあまり女性映画っぽいのって割と最近までなかった気がします」
渡辺「『ボディガード』が出てきたタイミングかな?そこから少し変わってきた気がします。でも、ケビン・コスナーが一人暮らしする家で、小鍋で作ったスープかなにかを鍋のまま食べるシーンがあって」
相馬「そこだけ東映感がありますね(笑)」
渡辺「それがめちゃくちゃ似合っててすごく印象に残っています。あと、ワーナー映画がちょっと変わった映画を作るなあと感じ始めた作品は、やっぱり『ブレードランナー』が最初かなって思います。確か『シャーキーズ・マシン』と二本立てで…」
相馬「いや『ブレードランナー』は、たしか『ファイヤーフォックス』と二本立てでしたね」
(※編集部註:上映劇場・地域によって二本立ての作品が異なる場合があります)
渡辺「あー、そうか。じゃあなにと二本立てだったんだろう?『シャーキーズ・マシン』はバート・レイノルズが自分で監督していて、結構好きで。拷問シーンみたいなのがあって、そこがなんか異常にねっとりしてて良かった(笑)」
相馬「(クリント・)イーストウッドもそうですけど、やっぱりワーナーはそういうテイストが好きなんですかね(笑)」
『燃えよドラゴン』が上陸!1970年代はブームの火付け役となる作品ばかり
——お話が無限に出てきそうですが、ここからは「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」での上映作品を中心に、同時期に公開された作品を振り返っていければと思います。まずは1970年代から、1973年公開の『燃えよドラゴン』です。
渡辺「『燃えよドラゴン』は相馬くんの映画よね(笑)」
相馬「大好きですけれど、公開された時はまだ小学2年生くらいだったので、後追いの世代です。ただ、年上のいとこが映画館から帰って来たら、すっごいおもしろかったらしくて」
渡辺「マネしてた?」
相馬「してました(笑)。コタツの足に黒いビニールテープをぐるぐる巻いてチェーンで繋いでヌンチャク作って。それを見て、『そんなにおもしろかったんだ!』って思ったのを覚えています」
渡辺「あれはマネしたくなるよね。私は名古屋で観たかな。コスタ=ガヴラス監督の『告白』と二本立てだった記憶があって。なんでこの2本なんだろう…って思ったのをすごく覚えています」
相馬「不思議な二本立てで思わぬ映画に出会うこともありますよね。『燃えよドラゴン』は、そのあと少し経ってから観たのですが、やっぱりおもしろかった。いま冷静に考えてみると『燃えよドラゴン』が公開された時、もうブルース・リーは生きていなかったんですよね」
渡辺「これがヒットしてほかの作品が発掘されていったのよね」
相馬「日本にもカンフー映画ブームが来て。当時はカンフーではなく空手映画と言ってましたが」
渡辺「ジャッキー・チェンなんかもそのおかげというか…」
相馬「しばらくはブルース・リーの遺作があったけれど、もうないぞ!って時にジャッキー・チェンが出てきてくれたから(笑)」
——1970年代の作品でほかに思い出深い作品はありますか?
渡辺「それで言うと、私は『エクソシスト』かな。公開の時に観てるんだけど、もう前評判がすごくて。でもそんなにどこが怖いのかという感じで、いまいちダメだった。だけど、あとで観直したらすっごく良くて。なんか若いころに観るのと年を取って観るのと違うんだなと思った映画ですね。あとこれって確かオカルト映画の走りでしょ?『オーメン』とどっちが先?」
相馬「『オーメン』が後でしたね」
渡辺「『燃えよドラゴン』はカンフー映画の走りで、このあとに出てくる『タワーリング・インフェルノ』もパニック映画の走りよね。だから“ここから始まった”みたいな、キャッチーな作品が、ワーナー映画には結構あるんじゃないかなと思います」
相馬「ほかにも(サム・)ペキンパーの映画も結構ワーナーから出ていますよね。『ダーティーハリー』『狼たちの午後』『スケアクロウ』『時計じかけのオレンジ』…なんかも印象深いですよね。こういったラインナップも今回の上映でぜひ観たかった」
渡辺「私は(スタンリー・)キューブリックなら『バリー・リンドン』を入れてほしかったな」
●日程
2025年12月15日~12月23日(火)
●会場
東京・丸の内ピカデリー
大阪・なんばパークスシネマ
●料金
一般・シニア・大学生 1,500円/高校生以下・障害者手帳提示で 1,000円
※特別興行のためサービスデー、その他各種割引は適用外となります
※入場者特典として特製ポストカードを全員にプレゼント
●チケット発売
オンライン会員:上映3日前の17時00分~/非会員:上映3日前の21時00分~
劇場窓口:上映2日前の劇場オープン時~
●上映作品
<丸の内ピカデリー>
12月15日(月)『ダークナイト』(08)
12月16日(火)『マトリックス』(99)
12月17日(水)『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(17)
12月18日(木)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)※V8Jプロデュースによる応援上映
12月19日(金)『燃えよドラゴン 劇場公開版』(73)、『マイ・インターン』(15)
12月20日(土)『ハリー・ポッターと賢者の石(吹替版)』(01)、『インセプション』(10)
12月21日(日)『グラン・トリノ』(08)、『銀魂』(17)
12月22日(月)『ブレードランナー ファイナル・カット』(07)※上映前トークイベント予定
12月23日(火)『ボディガード』(92)※上映前トークイベント予定、『るろうに剣心』(12)
<なんばパークスシネマ>
12月15日(月)『ハリー・ポッターと賢者の石(吹替版)』(01)
12月16日(火)『マイ・インターン』(15)
12月17日(水)『ブレードランナー ファイナル・カット』(07)
12月18日(木)『ダークナイト』(08)
12月19日(金)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』(17)
12月20日(土)『燃えよドラゴン 劇場公開版』(73)、『インセプション』(10)
12月21日(日)『銀魂』(17)
12月22日(月)『グラン・トリノ』(08)、『マトリックス』(99)
12月23日(火)『ボディガード』(92)、『るろうに剣心』(12)
