2025年の韓国映画界はハートウォーミング・ゾンビ映画『ゾンビ娘』やパク・チャヌク新作『しあわせな選択』がヒット!2026年の注目アクターはチョ・インソン

コラム

2025年の韓国映画界はハートウォーミング・ゾンビ映画『ゾンビ娘』やパク・チャヌク新作『しあわせな選択』がヒット!2026年の注目アクターはチョ・インソン

話題の的はパク・チャヌク×イ・ビョンホンの『しあわせな選択』

転職活動も苦戦するマンスは、不採用になった会社に対し「空きがなければ作ればいい」と考えて…(『しあわせな選択』)
転職活動も苦戦するマンスは、不採用になった会社に対し「空きがなければ作ればいい」と考えて…(『しあわせな選択』)[c]2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED

世界的な話題作は、なんと言ってもパク・チャヌク監督、イ・ビョンホン主演の『しあわせな選択』で、8月に第82回ヴェネチア国際映画祭でお披露目され、9月の第30回釜山国際映画祭では開幕作として上映された。家族にも仕事にも恵まれて順風満帆に見えた主人公マンス(ビョンホン)は、ある日突然、勤め先の製紙会社を解雇される。マンスは美しい妻ミリ(ソン・イェジン)と育ち盛りの息子、娘を養う一家の主として再就職を目指す。しかし、行き詰まった末にとんでもない計画を実行に移す──というブラックコメディだ。

同作は、第46回青龍映画賞では最優秀作品賞、監督賞を含む7冠を達成。イェジンが主演女優賞と人気スター賞を受賞し、『ハルビン』で主演男優賞と人気スター賞を受賞したヒョンビンと共に、夫婦でW受賞という前代未聞の吉報で世界を沸かせた。

篆刻家のヨンギュと、その息子ドンファンが40年間隠されていた母の死の真相に迫る『顔』
篆刻家のヨンギュと、その息子ドンファンが40年間隠されていた母の死の真相に迫る『顔』[c]Everett Collection/AFLO

一方、製作費2億ウォン(約2100万円)の低予算ながら観客数100万人を超えたヨン・サンホ監督、パク・ジョンミン主演の『顔(原題:얼굴)』は、不況にあえぐ韓国映画界の希望のニュースに。ジョンミンは視覚障がい者でありながら著名な篆刻家(てんこくか/篆刻=はんこを作る職人)のヨンギュ(クォン・ヘヒョ)の息子役と、若き日のヨンギュの一人二役を好演。実際にジョンミンの父は視覚障がい者だが、キャスティングは偶然だったそうだ。

ジョンミンは、今年俳優業を一時中断して自身が営む出版社の仕事に専念し、11月に東京、神保町で開かれた「K-BOOKフェスティバル」にも参加。耳で聴くオーディオブックの制作に力を入れるのは、父が本を目で読めないことがきっかけだったのだそうだ。出版界の救世主として脚光を浴びたジョンミンは、さらに青龍映画賞の授賞式でMAMAMOOのファサの祝賀ステージにコラボ出演したことでさらなる話題を呼び、一躍スターとなった。

インディーズ映画では、『世界のジュイン(原題:세계의 주인)』が口コミで評判を広めて観客数16万人を突破、カナダのトロント国際映画祭や、日本の第26回東京フィルメックスに招待されるなど、国を超えて注目を集めた。タイトルの「ジュイン」とは主人公の名前だが、韓国語では「主人」の発音も「ジュイン」なので、タイトルには『世界の“主人”』という意味も込められている。

クラスメイトが提案した署名運動に全校生が参加するなか、ジュインだけが署名を拒否。それが波紋を呼んで、友だちとの関係もぎくしゃくし始める。背景には、ジュインが過去に受けた傷があった。『わたしたち』(16)のユン・ガウン監督が、10代の揺らぐ内面を繊細に描きだし、ジュイン役のソ・スビンもまた新人とは思えない演技力で高い評価を得た。

2026年はチョ・インソン大活躍の年に!

来年に公開を控える期待作としてはリュ・スンワン監督のスパイアクション『ヒューミント(原題:휴민트)』が筆頭に挙げられる。ウラジオストク国境付近を舞台に南北の秘密要員たちが犯罪を暴くなかで衝突する物語で、『密輸 1970』(23)にも出演したチョ・インソン、パク・ジョンミンのほか、パク・ヘジュン、シン・セギョンらが出演し、2月に韓国で公開予定だという。

また、ヨン・サンホ監督の『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20)に続くゾンビ第3弾となる『群体(原題:군체)』は、チョン・ジヒョン、チ・チャンウク、ク・ギョファンら豪華キャストの出演が明かされており、期待を集めているところ。さらにナ・ホンジン監督の『ホープ(原題:호프)』は、非武装地帯近くの村で得体のしれない生物が目撃され、村全体が緊急事態に直面する物語で、チョ・インソンのほか、ファン・ジョンミン、マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデルら、韓国とハリウッドの俳優が共演する。

ファン・ジョンミン、マイケル・ファスベンダーら豪華キャストが出演する『HOPE(原題:호프)
ファン・ジョンミン、マイケル・ファスベンダーら豪華キャストが出演する『HOPE(原題:호프)[c]PLUS M ENTERTAINMENT All Rights Reserved

Netflixで配信予定のイ・チャンドン監督の新作『可能な愛(原題:가능한 사랑)』は、まったく異なる人生を生きてきた2組の夫婦の関係が交錯し、4人の日常に亀裂が広がる物語。『ペパーミント・キャンディー』(00)、『オアシス』(02)主演のソル・ギョング、『シークレット・サンシャイン』(07)でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンのほか、チョ・インソン、チョ・ヨジョンが主演する。2026年は『ヒューミント』、『ホープ』、『可能な愛』に主演するチョ・インソンから目が離せない一年となりそうだ。


文/成川彩


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