初来日から10年!60歳になったマッツ・ミケルセンの日本での軌跡をプレイバック

コラム

初来日から10年!60歳になったマッツ・ミケルセンの日本での軌跡をプレイバック

マッツ・ミケルセンらが創出する奇想天外なデンマーク映画の世界観

この10年間で『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)に『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(22)、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(23)、『ライオン・キング:ムファサ』(24)など、錚々たる大作シリーズに参加してきたミケルセン。一方で、母国デンマークの映画にも出演し続けており、ハリウッド作品ではなかなか見ることのできない、人間的な弱さや慈しみ、独特なユーモアセンスを放ってきた。

ミケルセンの60歳の誕生日を祝した特集上映「〈北欧の至宝〉マッツ・ミケルセン生誕60周年祭」
ミケルセンの60歳の誕生日を祝した特集上映「〈北欧の至宝〉マッツ・ミケルセン生誕60周年祭」

そんなミケルセンの魅力をじっくり堪能できるのが、現在開催中の特集上映「〈北欧の至宝〉マッツ・ミケルセン生誕60周年祭」。デンマーク王室最大のスキャンダルを描いた歴史劇『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)やカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞した『偽りなき者』(12)など7作品がラインナップされている。

クセ毛に無精ひげといういで立ちで強すぎる性欲を持て余す男に扮した(『メン&チキン』)
クセ毛に無精ひげといういで立ちで強すぎる性欲を持て余す男に扮した(『メン&チキン』)[c]2015 M&M Productions A/S, Studio Babelsberg, DCM Productions & M&M Mænd & Høns ApS

なかでも注目は、長年にわたってコラボレーションしてきた盟友アナス・トマス・イェンセン監督による日本の劇場初公開作品を含む4本。銃器マニアの荒くれ者を演じた『ブレイカウェイ』(00)、生え際を剃り上げるなど衝撃のビジュアルを披露した『フレッシュ・デリ』(03)、狂気的なまでにポジティブシンキングを貫き通す牧師から目が離せない『アダムズ・アップル』(05)、クセ毛に無精ひげといういで立ちで強すぎる性欲を持て余す男に扮した『メン&チキン』(15)など、どれもこれもが奇想天外な役柄の作品ばかり。ウルリク・トムセン、ニコライ・リー・コース、ニコラス・ブロら常連俳優たちとのかけ合いと共に予測不能なストーリーが展開され、その模様はさながら“劇団アナス・トマス・イェンセン”とも言うべき唯一無二の世界観を創出している。

大阪で初めて開催された「大阪コミコン2023」にも駆けつけた
大阪で初めて開催された「大阪コミコン2023」にも駆けつけた


今後も「ハンニバル」の製作陣と再びタッグを組んだ『Dust Bunny(原題)』やイェンセンの監督最新作『The Last Viking(原題)』の日本公開が待たれるほか、死刑囚のために料理を作るシェフを演じる『Last Meals(原題)』、北欧グリーンランドが舞台の『Sirius(原題)』、ダイアン・クルーガーと共演するSFスリラー『Ami(原題)』などへの出演も発表されている。“北欧の至宝” マッツ・ミケルセンの快進撃はまだまだこれから!

文/平尾嘉浩

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