舘ひろし『港のひかり』初日舞台挨拶で万感の思い!劇中の役が「渡哲也に似ている」という感想も

舘ひろし『港のひかり』初日舞台挨拶で万感の思い!劇中の役が「渡哲也に似ている」という感想も

映画『正体』(24)で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人と、名キャメラマンの木村大作が初タッグを組んだ、舘ひろし主演映画『港のひかり』の初日舞台挨拶が11月14日にユナイテッド・シネマ豊洲で開催。舘、眞栄田郷敦尾上眞秀、藤井監督が登壇し、撮影時のエピソードや役に込めた想いなどを語り合った。

【写真を見る】尾上眞秀に称えられて、照れる舘ひろしもダンディ!
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北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本で描く本作で、舘が演じるのは、主人公の元ヤクザの“おじさん”こと三浦。歌舞伎界の新星、尾上が盲目の少年、幸太を、成長した青年の幸太を眞栄田がそれぞれ演じる。劇中では、おじさんと幸太との年の差を超えた、十数年の友情が描かれる。

三浦諒一役の舘ひろし
三浦諒一役の舘ひろし

舘は藤井監督について『ヤクザと家族 The Family』(21)以来、2度目のタッグとなったことに触れ「その撮影が終わり、試写を観た時に、もう一度この監督とご一緒したいなと本当に心から思いました。そして、亡くなった河村(光庸)プロデューサーにそのことをお話し、この企画が生まれました。本当にたくさんの素敵な俳優さんが参加してくれたし、カメラは木村大作さん!一昨年の震災前の輪島の風景、そして美しい能登の海を、35mmのフィルムに焼き付けてくださいました。私の俳優人生の50年の集大成ともいえるべき映画になったのではないかなと自負しております」と力強く挨拶。

青年となった幸太役の眞栄田郷敦
青年となった幸太役の眞栄田郷敦

眞栄田も「撮影は僕が23歳の時でしたが、23歳の僕のすべてを注ぎ込んだ作品になっております」と手応えを口にする。尾上は「早くこの映画を皆さまに観てもらえたらなと思っていたので、いまはすごくうれしいです」と挨拶。

少年の幸太役の尾上眞秀
少年の幸太役の尾上眞秀

藤井監督も舘が語った縁に感謝し「木村大作さんをはじめ、本当にレジェンドというすばらしい先輩方と、日本を代表する俳優の皆様、そしてこれから未来を背負って立つであろう郷敦君、眞秀君と、この映画をつくれたこと、本当に光栄に思います」と感謝した。

メガホンをとった藤井道人監督
メガホンをとった藤井道人監督

その後、映画をすでに観たという方々の熱い感想が紹介されたが、そのなかで、劇中での舘が、渡哲也の姿に被って見えたというものも。MCの伊藤さとりが「渡哲也さんが降臨しているような感じってありましたか?」と尋ねると、舘は「そういうふうに演じようとはあまり思ってはいなかったのですが、私が俳優をやってもいいかなと思い、渡さんに初めて会って、それから40数年ずっと一緒でしたから。やっぱりいつも渡さんを見ていたので、きっとどこか似てくるんでしょうね」と述懐。

想い出のシーンについてもクロストーク
想い出のシーンについてもクロストーク

また、12年ぶりにおじさんと再会するシーンがよかったという感想を受けた眞栄田は、同シーンについて「なによりも、おじさんと出会ったことで、いま幸せに生きていますとか、12年間ずっと自分の心のなかで思い続けているというのがにじみ出ればいいかなとは思っていました」と語り、舘について「舘さんとは2度目だったんですが、初めてお会いした時から、すごく接しやすい空気を作ってくださったので、そこはすごくやりやすかったです」と舘に感謝した。

尾上も「舘ひろしさんは優しい方です。撮影で船に乗るシーンがあったのですが、ちょっと波が荒れてて。『僕、酔いそう』と舘さんに言ったら『この波とかを全部楽しめばいいんだよ』と言ってくださって。それで本当に酔わなくなって。すごい人だなというか、すごい気を遣ってくれてありがとうございます」とお礼を述べると、舘は「ありがとうございます」と照れながら恐縮した。そして尾上について舘は「僕が目の見えない役をやれって言われても、眞秀ほどできないと思います。すばらしかったです、本当に」とその演技を称えた。

笑顔で手を振る3人
笑顔で手を振る3人

また、今回、舘が演じた三浦の佇まいや仕草がすばらしいという感想も紹介される。舘は今回の役作りについて「僕は『あぶない刑事』をやる時は、ちょっとスタイリッシュにやろうという気持ちがあるんですが、今回は藤井監督ですから、もう気持ちでぶつかっていくしかないと最初からその決めていました。形ではなくて、本当に気持ちだけでお芝居をしようと決めてやりました」とコメント。

大盛況だった舞台挨拶
大盛況だった舞台挨拶

藤井監督は「本当に幸せな日々でした。フィルムだからこそできること、できないことってあるんですが、そのなかで三浦をどう生きるかということを、すごく主演として、自分に寄り添って考えてくださった。その時、本当に映画をつくって、映画の仕事を選んでよかったなって思った瞬間でした」と感慨深い表情で語った。

最後に舘は「本当にすばらしい映画になったと思います。一度ならず、二度、三度も皆さんに観ていただいて、この映画のすばらしさをご家族に伝えていただけたらうれしいです」としっかりとアピールし、舞台挨拶を締めくくった。


文/山崎伸子

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