『チェンソーマン レゼ篇』が『鬼滅』につづいて北米No. 1スタート!気になるオープニング成績を、過去の日本アニメと比較

コラム

『チェンソーマン レゼ篇』が『鬼滅』につづいて北米No. 1スタート!気になるオープニング成績を、過去の日本アニメと比較

日本国内では公開から6週連続で週末動員ランキングのトップを守り、すでに興収73億8000万円を突破している『チェンソーマン レゼ篇』(日本公開中)が、満を持して北米上陸。先週末(10月24日から10月26日まで)の北米興収ランキングでは、事前の期待通りNo. 1スタートを飾ることに成功。これで『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(日本公開中)に続き今年2本目、日本のアニメ映画としては史上5本目の北米初登場No. 1を飾ったことになる。

【写真を見る】日本アニメとしては5本目の快挙!『チェンソーマン レゼ篇』が事前予測を上回るスタート
【写真を見る】日本アニメとしては5本目の快挙!『チェンソーマン レゼ篇』が事前予測を上回るスタート[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

前回の当記事でも木曜プレビューや初日の盛況ぶりをお伝えしたが、その時点で現地メディアが出していた初週末の興収予測は1400〜1500万ドル前後。しかし実際のところ、初日から3日間の興収は1803万883ドルと、予測を上回っている。これは2022年春に北米公開を迎えた『呪術廻戦0』(21)のオープニング興収(1800万9921ドル)とほぼ同水準だ。

公開2日目のデイリー興収で『ブラックフォン 2』(11月21日日本公開)の後塵を拝した点は少々気になるが、平日に入ってからも順調に興収を積み上げている『レゼ篇』。最初の7日間の興収は2476万9447ドルと、こちらは同2314万8272ドルだった『呪術廻戦0』よりも良いペース。とはいえ『呪術廻戦0』の上映館数は2286館だったため、1館あたりのアベレージ興収(初週7日間)で比較すると『レゼ篇』が8248ドルなのに対し、『呪術廻戦0』は1万126ドルと、やや差が目立っている。

日本アニメのジンクスを超えられるか!?2週目以降の推移に注目したい
日本アニメのジンクスを超えられるか!?2週目以降の推移に注目したい[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

いかんせん日本のアニメ映画は、まだファンダムの力に支えられている部分が強く、公開2週目でガクンと成績を落とす傾向にある。それこそ初週末で7000万ドル超の興収をあげ、すでに北米における非英語圏の外国語作品で歴代No. 1のヒット作となった『無限城篇』も例外ではなく、多くの場合2週目末の興収は初週末の興収の3割以下となりやすい。そもそも1800万ドルでの初登場1位スタートは2025年内で6番目に低い数字でもあり、相手関係に恵まれたという見方もできる。

批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は97%、観客からのそれは99%とかなり高め(おおむねこちらもファンダムの熱烈なレビューによって支えられている部分はあるが)。これが2週目以降の成績を後押ししてくれるのかどうかは未知ではあるが、少なくとも『呪術廻戦0』の北米累計興収3454万2754ドルは超えることは可能だ。

ジェレミー・アレン・ホワイトが“ロックの英雄”を演じた『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
ジェレミー・アレン・ホワイトが“ロックの英雄”を演じた『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』[c]Everett Collection/AFLO

さて、トップ10圏内には他に3本の新作タイトルがランクインしているのだが、いずれも厳しい出足に。『きっと、星のせいじゃない。』(14)のジョシュ・ブーン監督の『Regretting You』は3393館でオープニング興収1368万7530ドル、スコット・クーパー監督の『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(11月14日日本公開)は3460館で同888万7255ドル、NEON配給のホラー『シェルビー・オークス』(12月12日日本公開)も1823館で同234万ドル。来月後半から始まるホリデイシーズンよりも前に、なにか大きな起爆剤が欲しいところだろう。


文/久保田 和馬

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