細田守監督最新作公開記念!金ローで『おおかみこどもの雨と雪』『時をかける少女』など4週連続放送

細田守監督最新作公開記念!金ローで『おおかみこどもの雨と雪』『時をかける少女』など4週連続放送

細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が、いよいよ11月21日(金)に公開される。それを記念し、金曜ロードショーでは11月を細田守月間として、4週連続で細田監督作品が放送されることが決定した。

【写真を見る】細田守監督作品と思考実験展の開催も決定
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1週目の7日(金)には、細田監督のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」の第1回作品『おおかみこどもの雨と雪』(12)、2週目の14日(金)には、初めて興行収入50億円を突破した大ヒット作『バケモノの子』(15)、最新作公開の当日となる21日(金)には前作『竜とそばかすの姫』(21)を放送。そして最終週となる28日(金)には、細田監督作品の原点とも言えるフリーになって初の監督作品『時をかける少女』(06)が放送される。

2人の おおかみこども 「雨」と「雪」
2人の おおかみこども 「雨」と「雪」[c]2012 W.C.F.P

独立してフリーとなった細田守監督のオリジナル長編アニメーションの第2作にして、細田監督が所属するアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」が設立されて初めての作品となる『おおかみこどもの雨と雪』。恋した男がたまたま“おおかみ男”だった1人の女性が、恋愛や結婚、出産。子育てを通じて成長する姿と、2人の間に生まれる2人の“おおかみこども”「雨」と「雪」の姉弟が、特別な生い立ちが故に悩み、傷つきながらも、自分の生きる道を見つけて自立していく姿を描く。脚本は『八日目の蟬』(11)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞、本年最大の話題作『国宝』(公開中)でも脚本を務めている奥寺佐渡子が細田と共同で執筆。キャラクターデザインは、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの貞本義行。声の出演は、“おおかみこども”の母である主人公、花を宮﨑あおい、その夫となる“おおかみおとこ”を大沢たかお、“おおかみこども”の姉、雪の少女期を黒木華、雪の小学校の担任である田辺先生の声を、その後細田作品に数多く参加、最新作『果てしなきスカーレット』にも出演する染谷将太が演じる。花の近所に住み、なにかと気にかけてくれる老人、韮崎の声は菅原文太が演じている。

11月14日(金)放送の『バケモノの子』
11月14日(金)放送の『バケモノの子』[c]2015 B.B.F.P

『おおかみこどもの雨と雪』から3年後に公開された『バケモノの子』は、はじめて興行収入50億円を超え、2015年に公開された邦画ではNo.1の大ヒットを記録。バケモノの男と孤独な少年の奇妙な師弟関係を軸に、バケモノたちの棲む異世界での修行と冒険、リアルな渋谷の街を舞台にした壮大なアクション、そして親子の絆やヒロインとの淡い恋愛などを描く。声の出演は、主人公の九太(きゅうた)の少年期を、『おおかみこどもの雨と雪』で主人公の花の声を担当した宮﨑、成長した青年期の声を染谷が務める。九太の師匠である“バケモノ”の男、熊徹(くまてつ)の声は、『果てしなきスカーレット』でもスカーレットの父親の国王役で出演する名優、役所広司が演じる。また、九太の同級生のヒロイン、楓の声を広瀬すず、熊徹の悪友の“バケモノ”多々良役を大泉洋、同じく熊徹の悪友である百秋坊をリリー・フランキー、“バケモノ”の世界の長老、宗師役を津川雅彦、熊徹のライバルである猪王山を山路和弘、その息子の一郎彦の少年期を黒木華、青年期を宮野真守が務めるなど、錚々たる豪華なキャスティングも話題となった。

すずのアバターであるベル
すずのアバターであるベル[c]2021 CHIZU

母親の死により、心に大きな傷を抱えた女子高校生の主人公が、もうひとつの現実と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界<U>で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語『竜とそばかすの姫』。コロナ禍の真っただ中にあった2021年に公開されたにも関わらず、興行収入66億円を記録、現在まで細田作品最大のヒットを記録している。本作では、『美女と野獣』をモチーフに、かつて『サマーウォーズ』(09)でも描かれた、細田監督が得意とする、現実世界とインターネット上の仮想世界という、2つの世界が絡み合いながらストーリーが繰り広げられる。声の出演は、主人公の女子高校生、すずに、本作が声優初挑戦となったシンガーソングライターの中村佳穂。本作ではセリフだけでなく“歌の力”が重要なファクターだっただけに、細田監督が「歌を大事にしていて、歌からも愛されているということ。歌との距離が近い。そういった意味で唯一無二な人」と絶賛する彼女が抜擢された。すずの幼馴染で女生徒の憧れ“しのぶくん”役は、新海誠監督の『君の名は』(16)でも声優を務めた俳優の成田凌。熱血男子の“カミシン”役には『おおかみこどもの雨と雪』以来、細田作品ではお馴染みの染谷。校内の人気者“ルカちゃん”役には、モデル、俳優の玉城ティナ。すずの親友“ヒロちゃん”役には、本作が声優初挑戦の音楽ユニット「YOASOBI」のikuraこと幾田りら。すずの父親役には『バケモノの子』以来、本作で3作連続出演する役所。そして、すずのアバターである“ベル”がインターネット世界<U>で出会う嫌われ者“竜”を俳優の佐藤健が演じる。また、なにかとすずの面倒をみてくれる“合唱隊”にも森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世と、超豪華な面々が出演。CGキャラクターデザインにはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで、『塔の上のラプンツェル』(11)をはじめ数多くのキャラクターデザインを手掛ける大物アニメーター、ジン・キムが、音楽では「King Gnu」の常田大希率いる「MILLENNIUM PARADE」がメインテーマで参加している。

11月28日(金)放送の『時をかける少女』
11月28日(金)放送の『時をかける少女』[c]2006 TK/FP

『時をかける少女』は、細田守監督が、フリーになって初めて手掛けた長編映画。原作は筒井康隆が1965年に発表したSF小説で、これまで沢山の映像作品が作られてきた。なかでも1983年に公開された、原田知世主演で大林宣彦が監督した映画は大ヒットを記録、いまでも“青春映画の金字塔”として高い人気を誇っている。本作はその大林版の約20年後、2006年を舞台とした新たな物語であり、主人公の紺野真琴は、芳山和子の姪である。本作は、当初ミニシアター並みの公開規模で、13本のフィルムにより、初週わずか6館の小規模公開で始まったが、ネットの口コミなどの効果で連日立ち見が出る程の人気となり、その後上映館は増え続け延べ100館以上に拡大。40週間という、映画としては異例のロングラン上映を達成した。また作品の内容も高く評価され、日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞の受賞を始め、国内外で数多く映画賞を受賞した。

主役の真琴の声を演じているのは、俳優デビューを果たしたばかりで、公開当時16歳だった仲里依紗。本作での演技で一躍脚光を浴びた。転校生の間宮千昭の声も前年デビューしたばかりの俳優、石田卓也。原作の主人公であり、真琴の叔母、和子の声を俳優の原沙知絵が演じる。本作から3作連続で細田監督とタッグを組む奥寺が脚本を手掛けている。

また、連動イベントとして、『果てしなきスカーレット』公開記念「細田守監督作品と思考実験展」の開催が決定。今年5月“リアル性格診断!”とSNSを中心に大いに話題となり、12,000枚のチケットが“完売”した「思考実験展」が、『果てしなきスカーレット』そして、細田監督の過去作と初のコラボレーションをはたす。映画公開と同日の11月21日(金)から、渋谷で期間限定開催。チケットは10月18日(土)正午より発売開始となる。


さらに、この4週の金曜ロードショーでは、毎回『果てしなきスカーレット』の特別映像や特別情報が放送される。『果てしなきスカーレット』公開の前に、ぜひ放送で細田監督の名作の数々を振り返っておきたい。

文/鈴木レイヤ

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