世界が注目するパク・チャヌク最新作『NO OTHER CHOICE』、異例の大ヒット『ゾンビ娘』など夏&秋に公開された韓国現地の話題作

コラム

世界が注目するパク・チャヌク最新作『NO OTHER CHOICE』、異例の大ヒット『ゾンビ娘』など夏&秋に公開された韓国現地の話題作

原作は大人気WEB小説!期待の大作『全知的な読者の視点から』

小説の世界が現実になるなか、その小説の結末を知る男ドクジャが世界を救うべく奮闘する『全知的な読者の視点から』
小説の世界が現実になるなか、その小説の結末を知る男ドクジャが世界を救うべく奮闘する『全知的な読者の視点から』[c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.

キム・ビョンウ監督の『全知的な読者の視点から(原題:전지적 독자 시점)』(2026年日本公開)は、同名のウェブ小説を原作とし、アン・ヒョソプ、イ・ミンホら豪華キャストで映画化。ヒョソプが演じる主人公ドクジャは、10年以上連載が続いたWEB小説「滅亡した世界で生き残る3つの方法」の読者だが、この連載を最後まで読んだ読者は唯一ドクジャのみ。ドクジャとは韓国語で“読者”のことで、タイトルは『全知的なドクジャの視点』と読むこともできるだろう。

劇中に登場する小説のなかの主人公ジュンヒョクをイ・ミンホが演じる(『全知的な読者の視点から』)
劇中に登場する小説のなかの主人公ジュンヒョクをイ・ミンホが演じる(『全知的な読者の視点から』)[c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.

ある日、小説の中の出来事が現実に起こり始め、小説の主人公、ユ・ジュンヒョク(ミンホ)がドクジャの目の前に現れる。小説の中の出来事というのは、すなわち世界の滅亡だ。滅亡した世界でどう生き残るのか、唯一最後まで読んだ読者としてその方法を知っているドクジャは“全知的”と言える。そんな“全知的”な彼は自分だけが結末を知っているという状況を、自分一人の生き残りのためではなく、世界を救うために活かし仲間たちと力を合わせていく。ゲームの中に入って主人公と一緒に戦っているような体験型の作品として楽しめたが、原作小説が世界的メガヒット作だっただけに、観客数100万人超でも期待には及ばない興行成績となっている。

イム・ユナが天使&悪魔のような女性を怪演『悪魔が引っ越してきた』

昼間は清楚な女性だが、夜になると悪魔のような攻撃性を見せるソンジにユナが扮した『悪魔が引っ越してきた』
昼間は清楚な女性だが、夜になると悪魔のような攻撃性を見せるソンジにユナが扮した『悪魔が引っ越してきた』[c]2025 CJ ENM Co, Ltd., FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

『EXIT』(18)で観客動員数942万人の大ヒットを記録したイ・サングン監督と主演イム・ユナ(=少女時代ユナ)のコンビが、『悪魔が引っ越してきた(原題:악마가 이사왔다)』(2026年6月日本公開)で戻ってきた。ギルグ(アン・ボヒョン)はマンションの下の階に引っ越してきたソンジ(ユナ)に一目惚れ。昼間は優しくて清純なソンジだが、深夜2時になると悪魔のように豹変する。それはソンジに取り憑いた悪魔の仕業だった。

ギルグは、ソンジの父チャンス(ソン・ドンイル)から夜中だけ彼女の保護者を頼まれることになるが…(『悪魔が引っ越してきた』)
ギルグは、ソンジの父チャンス(ソン・ドンイル)から夜中だけ彼女の保護者を頼まれることになるが…(『悪魔が引っ越してきた』)[c]2025 CJ ENM Co, Ltd., FILMMAKERS R&K ALL RIGHTS RESERVED

昼の天使のようなソンジと、夜の悪魔のソンジ、両極端な役を熱演するユナも、ソンジに翻弄されるギルグ役のボヒョンの演技も光ったが、これも興行的には期待を下回る結果に。しかし、ユナはその後主演ドラマ「暴君のシェフ」が視聴率17%を超える大ヒットを記録し、2023年の「キング・ザ・ランド」に続き、ドラマでは連続ヒットを飛ばしている。


文/成川 彩


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