「第38回東京国際映画祭」の注目作品をチェック!公開前の話題作から国内外の秀作、そして“幻の映画”の上映も
映画祭でしか観られない貴重な作品も?
多彩な特集企画と共に現在の世界の映画界の潮流を提示する「ワールド・フォーカス部門」では、フィリピンの鬼才ラヴ・ディアス監督がガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた『マゼラン』や、『輝かしき灰』(22)のブイ・タック・チュエン監督がベトナム戦争を描いた『トンネル:暗闇の中の太陽』などが上映。
また、第22回ラテンビート映画祭との共催企画では、アレハンドロ・アメナーバル監督の『囚われ人』、ミシェル・フランコ監督の『ドリームズ』、セバスティアン・レリオ監督の『波』といったラテン系を代表する大御所監督たちの新作が上映されるほか、ペドロ・アルモドバル監督の初期の傑作と名高い『マタドール』(86)がデジタル復元版で上映される貴重な機会も。
昨年度はジャパン・プレミアとしていち早く上映した作品のうち3作品が第97回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた「アニメーション部門」では、今年も国内外の話題作とレトロスペクティブ上映を含む12作品が上映。なかでもスペインのアルベルト・バスケス監督の『デコラド』と、メキシコ初の長編ストップモーションアニメ『私はフランケルダ』は必見だ。
日本映画の不朽の名作を特集する「日本映画クラシックス部門」では、なんといっても「三島由紀夫生誕100周年記念」の特集に注目。ポール・シュレイダー監督がメガホンをとり、40年にわたって日本国内では劇場公開やソフト化もされていなかった“幻の映画”『MISHIMA』(85)が、ついに上映の時を迎える。このような貴重な機会がめぐってくるのも映画祭の醍醐味。是非ともチェックしてみてはいかがだろうか。
他にもアジアの若手監督たちによるフレッシュな作品を上映する「アジアの未来部門」や、日本映画界の新たな才能を目撃する「Nippon Cinema Now部門」、若い観客に向けられた「ユース部門」、昨年設立された「ウィメンズ・エンパワーメント部門」、配信向けに製作されたシリーズ作品をスクリーンで上映する「TIFFシリーズ部門」、そして新たに設立された学生映画のコンペティション部門「アジア学生映画コンファレンス部門」なども見逃せない。
第38回東京国際映画祭のチケットは10月18日(土)より発売開始。詳しい上映作品やスケジュールなどを映画祭公式ホームページでチェックし、映画づくしの10日間を過ごしてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬