「第38回東京国際映画祭」の注目作品をチェック!公開前の話題作から国内外の秀作、そして“幻の映画”の上映も

「第38回東京国際映画祭」の注目作品をチェック!公開前の話題作から国内外の秀作、そして“幻の映画”の上映も

東京に世界中から映画が集結する「第38回東京国際映画祭(TIFF)」が、10月27日(月)から11月5日(水)までの10日間、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される。今年はどんな映画と出会うことができるのか、主要11部門100本を超える上映作品のなかから、特に注目すべきタイトルを一気にチェックしていこう。

吉永小百合、山田洋次、クロエ・ジャオ、映画界の“顔”の新作をいち早く堪能!

吉永小百合124本目の映画出演作となる『てっぺんの向こうにあなたがいる』
吉永小百合124本目の映画出演作となる『てっぺんの向こうにあなたがいる』[c]2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会

映画祭のオープニングを飾るのは、日本を代表する女優である吉永小百合にとって124本目の映画出演作となる『てっぺんの向こうにあなたがいる』(10月31日公開)。『北のカナリアたち』(12)の阪本順治監督がメガホンをとった同作は、女性として初めてエベレストの登頂に成功した登山家の田部井敦子の半生を描いた物語だ。

吉永の主演作がTIFFのオープニング作品に選ばれるのは第5回の『天国の大罪』(92)以来33年ぶり。吉永は今回の映画祭において、永年の国内外を含めた映画界の貢献が目覚ましい人々へ贈られる「特別功労賞」を授与されることも決定しており、銀幕デビューから66年を迎える国民的女優のキャリアに刻まれる新たな一ページの幕開けに立ち会うことができるだろう。

【写真を見る】倍賞千恵子と木村拓哉が共演するヒューマンドラマが、映画祭中盤を飾る“センターピース”作品に
【写真を見る】倍賞千恵子と木村拓哉が共演するヒューマンドラマが、映画祭中盤を飾る“センターピース”作品に[c]2025 "TOKYO TAXI" Film Partners

昨年の第37回から新たに設けられたセンターピース作品として今年上映されるのは、巨匠・山田洋次監督の91本目の長編映画監督作となる『TOKYOタクシー』(11月21日公開)。倍賞千恵子と木村拓哉を主演に迎え、85歳のマダムとタクシー運転手の一日限りの旅を描いた感動作で、フランス映画『パリタクシー』(22)を原作に、舞台を東京へと置き換えている。

そしてクロージングを飾るのは、第93回アカデミー賞で作品賞や監督賞など3部門に輝いた『ノマドランド』(20)のクロエ・ジャオ監督が、ウィリアム・シェイクスピアの名作「ハムレット」が誕生する背景にあった夫婦の愛と喪失を描く『ハムネット』(2026年春公開)。先ごろ行われた第50回トロント国際映画祭で観客賞に輝き、第98回アカデミー賞の有力候補の一角として大きな注目が寄せられている同作を北米公開よりも早く観ることができる。

クロージングはアカデミー賞でも注目の『ハムネット』
クロージングはアカデミー賞でも注目の『ハムネット』[c]2025 FOCUS FEATURES LLC


なおジャオ監督は『国宝』(公開中)の李相日監督と共に、今年度の「黒澤明賞」の受賞者にも決定している。同賞の授賞式は11月3日(月・祝)に開催予定。また、毎年恒例の企画となっている「国際交流基金×東京国際映画祭 co-present 交流ラウンジ」では、山田洋次監督と李相日監督の対談も実現。上映はもちろんのこと、会期中の各イベントからも目が離せない!

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