日本語を習得して挑んだハン・ヒョジュが振り返る「匿名の恋人たち」の撮影の日々。信頼する“オッパ”小栗旬は「本当にありがたい存在」
「挑戦もいいけど、うまくやれることをもっとうまくやりたいなと思う」
――今回のハン・ヒョジュさんのように、最近は日本でも様々な韓国の俳優さんが活躍されてますが、何かご覧になった作品はありますか?
『シム・ウンギョンさんの『新聞記者』は観ました。これからももっと増えるでしょうし、楽しみです』
――これまでも日本の映画が好きと言われていましたが、最近観たものはありますか?
「今回、ちょっと早めに日本に来て、『国宝』を観ました。もともと李相日監督の作品が好きでしたが、キャストの皆さんの演技もすばらしかったです。3時間の映画って韓国では少ないし、長尺の映画には、なかなか出資も集まらないと思うんです。でも、日本の場合は、『ドライブ・マイ・カー』も長尺ですし、そういう映画を作って上映できることってすごいなと思います」
――では、韓国映画の現在をどう捉えていますか?
「そうですね。最近、韓国の映画のビジネスは難しくなっていると思います。配信ですぐに作品が観られますし、観客動員数や作品数自体も減りました。映画好きとしては悲しいんですけど、これからもまた何か起こるんじゃないかと思っています。大好きなパク・チャヌク監督の作品(『NO OTHER CHOICE(英題)』)も公開されましたし、続けていろいろな良い作品が公開されるといいなと思います。大きな作品だけでなく、小さくても韓国だからこそ作れる作品がちゃんとヒットして、作り続けられるといいなと思います」
――ハン・ヒョジュさんの作品で言うと、最近はNetlifxの映画『毒戦 BELIEVER 2』の演技も、普段と違って印象的でした。こういう、いろんな役に挑戦したいという気持ちがあるんですか?
「今まではそうでした。新しいチャレンジをすることが好きだし、いろんな役をやりたかったんです。でもこれからは、挑戦もいいけど、うまくやれることをもっとうまくやりたいなと思うようになりました」
――「匿名の恋人たち」もそういうお気持ちだったんですか?
「この作品は大きなチャレンジでしたし、この作品に出たことでそういう心境になったのかもしれないです」
――これから、40代、50代になりますが、尊敬する先輩はいますか?
「キム・ヘス先輩には、よく相談したりしています。同じ事務所のハン・ジミンさんとも仲良しで、俳優としてではなく、お姉さんのように相談したりしています。先輩たちに対しては本当に尊敬しかないです。俳優の仕事って大変で、この仕事を始める前にその大変さを知っていたら、やらなかったと思うくらいです(笑)。でもこの仕事を続けている先輩たちを心から尊敬しています」
取材・文/西森路代