是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』2026年公開!綾瀬はるか&大悟が夫婦に扮しヒューマノイドの親に
<コメント>
●是枝裕和(監督)
「今回の企画の出発点は、最新のテクノロジーで“死者を蘇らせる”という発想からでした。数年前から日本のテレビ番組でもそういった企画があり注目を集めていましたし、テクノロジーの進化と人間の内面的なものが衝突することに対する賛否についても題材として興味を持ちました。去年の春には中国で“死者の蘇り”のビジネスが人気だという記事を読み、秋にそのビジネスをしている方にお会いし、これは今後日本でも起きる可能性があり、想像以上のスピードでテクノロジーが進化しているので、思ったよりも早くそういう事態が到来するなと感じました。
クランクインして3週間近く経ちますが、ヒューマノイド役の少年が人懐っこくて、朝来ると大悟さんの坊主頭をなでなでしているほど懐いていて、彼の存在が大きく和やかな現場です。久しぶりの綾瀬さんは、相変わらずチャーミングでとてもすてきです。今回は感情の変化が難しい役なので、現場でも言葉の一つ一つをどのように届けていくか、人物像含めて一緒に話し合ってやっていこうと思っています。
大悟さんは、存在感があり、歩き方が独特で、人間味があってすごくいい顔をされています。1970年代の日本映画界にいた俳優さんのような顔だなと。芸人さんやミュージシャンには勘がよく、間合いの取り方がうまく、掛け合いのお芝居が上手な方が時々いらっしゃいますが、大悟さんはまさにそうでした。勘が当たりました。子どもともそうですし、撮影現場の中で自分なりの表現を見つけてらっしゃるから、とてもすごいと思います。綾瀬さんと大悟さん演じる夫婦には期待しかないです!この夫婦と人間ではないヒューマノイドの子どもが一緒になった時に、あまり見たことない家族劇になるのではないかと思います」
●綾瀬はるか(甲本音々役)
「『海街diary』以来久しぶりの是枝監督作品ですが、変わらずとても和やかな空気が漂う現場でした。初日は1カット1カット丁寧に撮影していき、そのなかで、音々の気持ちにイメージが膨らみました。今回一番楽しみにしているのは、大悟さんと夫婦役ができることです。始めはわだかまりがある2人が、ヒューマノイドの子どもを迎え、様々なことが起き、また心が通い合っていくというお芝居を大悟さんとしていくなかで、音々自身がどう成長していくのかとてもワクワクしています。大悟さんはテレビの中と印象そのままで、お会いした際『ごめんな、俺が夫で』と言われ、『えーそんな!』って。とてもシャイな感じがしましたし、とてもすてきな方だと思いました。『少し先の未来』の物語ですが、夫婦の形や子どものこと、人と人の愛というのはずっと変わらない大事な部分だと感じながら演じています。きっと観終わったあとに心があたたかくなる作品になると思いますので、ぜひ、楽しみにしていてください」
●大悟(甲本健介役)
「クランクインです。ビビってます。これだけの人と時間をかけて、いまからすごいことが始まるんだなと楽しみは楽しみですが、大丈夫なんかな“ワシ”ってほうが大きいです。奥さん役の綾瀬さんは本当にあのままというか、非常に明るい楽しい人でとてもよかったと思っています。一番最初にお会いした時に『ごめんね、ワシがダンナ役で』と言ったら優しい顔で笑ってくださいました。今日はまだ2人の芝居シーンをしていないので、いまのところはただただかわいく、ただただ遠くから見ています。是枝監督からは、あまり皆さんにしてるかはわかりませんが、『大悟さん、そんなにきっちりセリフ覚えなくても、僕が現場で耳打ちする感じでそれをそのまま自分なりにやっちゃってください』と言っていただきました。それは監督がこれまで子役に使ってた手法らしくて…。そう仰っていただいて自由にやっていいんだなって、非常に気持ちが楽になりました、いまのところは。日ごろは笑ってもらうお仕事をしていますが、大悟が出た、大悟がしゃべった、大悟が現れたで笑われないように頑張りたいです。あとは、監督にお任せします。どういうのが出るかなって、自分でも楽しみです」
文/サンクレイオ翼