大沢たかお、『沈黙の艦隊 北極海大海戦』で歩いたのは「ついに0歩」SCREENX、4DX版はキャスト陣「みんなで観たい」
映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』の初日舞台挨拶が9月26日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、大沢たかお、上戸彩、津田健次郎、中村蒼、渡邊圭祐、笹野高史、江口洋介、吉野耕平監督が出席。上映後の会場から、熱い拍手を浴びた。
現在累計発行部数3200万部を突破する大ヒットコミック「沈黙の艦隊」(かわぐちかいじ作)をAmazon MGMスタジオが実写化した劇場版の第2弾となる本作。2023年に公開された劇場版第1弾、2024年より配信されたドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦〜」に続く物語となり、米第7艦隊を東京湾海戦で圧倒し、ニューヨークへ針路をとった<やまと>がオーロラの下、流氷が浮かぶ北極海で航海最大の難局に立ち向かうさまを描く。Adoが歌い、宮本浩次が作詞・作曲、まふまふが編曲を手掛けた「風と私の物語」が、主題歌となる。
本作は通常版に加え、SCREENX、4DX、ULTRA 4DXでも公開されている。<やまと>艦長の海江田四郎を演じる大沢は、「SCREENX、4DXもすごく見応えのある作品に仕上がっていると思う。プロデューサの方が観たら、『あまりにもおもしろい』と連絡が来て。今日も上戸さんやみんなと、『みんなで一緒に観にこうとか』という話になって。行こうと準備中です」と乗り気で、「一度体験してほしい」と呼びかけていた。
また北極海を舞台にした戦いが繰り広げられる本作だが、大沢はこれまで北極海に「3度くらい行っている」のだとか。「マイナス35度の世界。普通に立っているのも厳しいような環境。その時のことを思い出しながら演じることができた」という。本編に映像が映し出されるオーロラの写真は、大沢が訪問した際に撮った写真がモデルになっているそうで、スマホに収められた写真を見せながら「オーロラを本物に近づけたいということで、この写真を提出して。それをベースに、本物に近い形を作ってくれた。僕が見てきたものと、(劇中のオーロラは)まったく同じものです」と秘話を明かしていた。
またこの日は、それぞれが自分以外の役で「演じてみたい役」を告白するひと幕もあった。内閣官房長官の海原を演じた江口は、「海江田は、僕にはできないですね」と苦笑い。「あの閉鎖された世界で、微動だにせずセリフを言う。やっぱり大沢くんの、日頃のスクワットが効いているのかな」と想像した。大沢は「海江田を演じていて大変な部分はいっぱいあるんですが、楽なのは今回0歩しか歩いていない。この前は7歩。今回はついに0になった」と語り、江口と会場も大笑い。江口は「あの姿勢のまま、海江田はすべてが見えているかのように、指揮者のように指示を出す。あれは大沢くんならではの戦闘シーン。僕にはできない」と大沢ならではのキャラクターになっていると敬意を表した。
登場時の挨拶で、海江田の右腕となる山中役の中村が「なによりもうれしいのは、前作に続いて主題歌を担当させてもらったこと。初めまして、僕がAdoです」とボケ倒しつつ、「大沢さん、すみません」と謝って会場の笑いを誘っていたことから、「山中役を演じているAdoさんの…」といじったのが本作のキーマンとなる政治家・大滝淳役を演じた津田だ。中村が「ありがとうございます」とボケを拾ってくれたお礼を伝えるなか、津田は「潜水艦のなかに入ってみたい。あの空間は怖いですが、体験してみたい」と吐露。するとフリージャーナリスト、市谷裕美役の上戸も「潜水艦に乗ってみたい。大沢さんの部下として、あのチームに入ってみたい」と願望を口にしていた。
そして「『沈黙の艦隊』という作品は海江田という主人公がいるんですが、僕が主役というよりも、まわりにいる人たちの成長物語だったりする。僕は軸としているだけで、他の役を演じる皆さんのほうが大変で、葛藤しながらなにかを乗り越えていく」と分析した大沢が、「そういった主役たちが揃っているような作品なので、僕は申し訳ないんですが、海江田のままでいい」と語ると、これからも海江田を演じてほしいという気持ちを表すように会場からは大きな拍手が上がった。
最後に大沢は「我々ができる、最大の力を出したエンタテインメント映画。同時に、観ていただいた皆さんの明日や未来が、よりよくなるのはどうしたらいいのかと考えるきっかけになるような物語でもあると思います。スタッフ、キャスト一同、皆さんによりステキな未来が訪れることを願って作っていました」と本作に込めた思いを、力強く話していた。
取材・文/成田おり枝