【ネタバレレビュー】ウェンディ大無双!誰も予想できない結末を迎えた「エイリアン:アース」最終話を徹底考察
「エイリアン:アース」のキーワード、“ピーター・パン”の正体とは
さて、そこで考察してみたいのが、シリーズを通して語られる“ピーター・パン”について。革命を起こしたウェンディたちは「大人になった」というが本当にそうだろうか。大人になるための通過儀礼のひとつが思春期であり反抗期なのだから、まだ大人になったというよりこれからなっていくという言い方のほうが正しいようにも思う。最終話でもまだネバーランドから脱出できてないのもそのため?一方、ハイブリッドに捕まってしまったカヴァリエ(サミュエル・ブレンキン)の脱出は難しそうだ…。そうなると、やっぱり彼がピーター・パン?とはいえ、そんな彼にウェンディは「あなたはずっと大人だった」といい放つのだが。
もうひとつ、陰から物語を牽引していたかのようなシンセのカーシュ(ティモシー・オリファント)の思惑。本作で解明されるかと期待していたら、ほぼわからないままだった。因縁的関係でもあるサイボーグのモローと一騎打ちをするが結局はハイブリッドに捕まってしまい、その意図は不明のままだ。
アンドロイドでいうと、意外なことにカヴァリエの相談役アトム・アインズ(エイドリアン・エドモンドソン)がなんとシンセ(だと思う)だったことがわかる。カヴァリエが、6歳の時に初めてシンセを創造し、それが父親代わりになったというのだが、もしかしたら彼がそのシンセなのかもという予想もできる。ちなみにウェンディ、アトムの動きさえも制御できる能力を持っていて、まさに無敵状態。その無敵少女が大人たち…カヴァリエ、デイム(エッシー・デイヴィス)、カーシュ、アトム、モローを監禁し、新しい支配者宣言をするという展開。そのそばには彼女と心を通わせたゼノモーフと、研究室のケージから逃げ出したその仲間がいるという興味深い構図だ。
物語の進展はあっても問題の解決や謎の解明には至ってないというシリーズものとしては不親切な終わり方。が、見方を変えれば、すべてがセカンドシーズンに持ち越されたわけだから、その期待度はMAXになっているということになる。まだ正式の発表に至ってないが、あらゆるメディアで高得点を叩き出したシリーズである。作られて当然だろう。
そのセカンドシーズンが待ち遠しいワケは目玉エイリアンの存在。目玉を持つ生物のその目玉にとって代わり知能を宿らせるらしい彼が、ホストを羊から、チェストバスターの餌食になって無残な死骸となった科学者のアーサー(デイヴィッド・リズダール)に代えたからだ。なんとこの目玉、死んだ生物を動かせるというか、生き返らせることも可能!?知能をアップグレードできるので、科学者をよりクレバーにすることも考えられるし、エイリアンたちの生態もわかるのかもしれない。高度な知能はこの目玉、そして力はゼノモーフと、エイリアンチームも最強になってしまったように思う。最強のウェンディ・チームとこのエイリアン・チームのコラボレーションはどうなるのだろうか。
そして、ネバーランドに攻め込んできたユタニ社はこのままプロディジー社を潰してしまうのか!?だったら最初の映画『エイリアン』につながりやすい気もするのだが。
ところで、11月7日(金)に世界同時公開される『プレデター:バッドランド』。この作品に登場する下半身を失ったアンドロイド少女(演じているのはエル・ファニング)はウェイランド・ユタニ社製というのも気になりまくる。「エイリアン」シリーズとはどういう関係性にあるのか、こちらも絶対にチェックしたい!
文/渡辺麻紀