来日したチョン・ウヒに聞いたメロドラマ復帰作への想い「『マイ・ユース』は自分が一番輝いていた時のことを思い出せる」
子役俳優として一世を風靡しながらも過酷な青春時代を過ごしたソンウ・ヘ(ソン・ジュンギ)が高校の同級生ソン・ジェヨン(チョン・ウヒ)と再会し、ためらいながらももう一度前へ進もうとする姿を描く「マイ・ユース」(FODで配信中)。本作はチョン・ウヒの「恋愛体質〜30歳になれば大丈夫」(19)以来となる正統派ロマンス復帰作だ。配信前より大きな注目を集めていたとおり、主演2人の緻密な感情表現は王道ロマンスストーリーをより豊かな物語へと昇華し、視聴者から好評を博している。MOVIE WALKER PRESS KOREAでは本作の配信直前に来日したチョン・ウヒを直撃!初めてシナリオに触れた時の印象からインタビューが始まり、チョン・ウヒは「誰かの日記をこっそり盗み見たような感じがしました」と語ってくれた。
「キャラクターの生き方を考えながら演じていると、気持ちが声の中に自然とにじみ出てくるんです」
「私が青春を送った1990年代から2000年代の感覚を、久しぶりに感じさせてくれたなと思ったんです。なによりも、ロマンスというジャンルにとても惹かれました。今まで私が関わってきた作品とは少しテイストが違っていましたし、ロマンスというジャンルは今の私じゃないとできないかもしれないですしね」。
高校時代、初恋の人同士だったジェヨンとソンウ・ヘはささいなすれ違いでケンカをし、二度と会わなくなってしまう。成長しエンタメ業界で働くジェヨンは、フラワーショップを経営しフローリストになったソンウ・ヘをもう一度テレビへ出演させる任務を受けたことから彼を訪ねるのだが、今なおソンウ・ヘに好意があることを自覚する。しかし、別れた時の気まずさが忘れられないせいか、大人になりすぎてしまったからなのか、なかなか素直になれない。しかし、ジェヨンは本心を隠そうとすればかえって声のトーンや抑揚が不自然に素っ気なくなったり、逆にうわずってしまったりする。声は顔の表情や身体の所作よりも雄弁だ。元々チョン・ウヒは『なまず』(19)でなまずの可愛らしい声を担当するなど、声の良さに定評があるが、今作ではそのチャームポイントを遺憾なく発揮している。
「たしかに声は人柄を表現する時の大きな要素になっているんですが、大事なのはあまりに意識的にやらないことです。いままでは声を大きく変化させるというよりも、キャラクターごとのトーンに変化を与えるために努力してきました。でもそれは意図的ではなくて、“どういう気持ちでこの人が今ここにいるのか?”やキャラクターのこれまでの生き方を考えながら演じていると、気持ちが声の中に自然とにじみ出てくるんです。だから私がそのキャラクターの役柄のトーンを考えれば、視聴者の方も私が実際に感じていることを受け取ってくださるんだと思います。実際手応えがありましたね」。
チョン・ウヒ本人も待ち望んでいた、ロマンスジャンルへの復帰。たとえば第3話、ソンウ・ヘの特別番組の撮影のため地方ロケに行くストーリーだ。自然豊かなロケーションの中で2人には飛び切りロマンティックな瞬間が訪れる。こんなふうに「マイ・ユース」には、ファンの期待を大きく上回るようなうっとりしてしまうシーンが数々登場する。
「ドラマの回を重ねるほど2人の愛も深まっていくんですが、現場でも撮影をすればするほどどんどんジェヨンのソンウ・ヘに対する気持ちが大きくなっていくのを感じました。厳しい困難に直面する瞬間があるんですが、その時に誰かのことを愛していると、その愛する人のことを理解して包み込もうとするはず。私が演じたジェヨンは、そういう気持ちが大きい人なんですね。だから私自身も演じながらどんどん恋する気持ちが高まっていきました。ワンシーンごとで自分がソンウ・ヘを愛しているという気持ちを真心から表現し、大事に撮ろうと思ったんです。撮影が終わりに近づくのが少し残念だなって思うほどでした。なので、特に気持ちが高まった後半の撮影がより印象に残っていますね。ソンウ・ヘと一緒に旅行に行くエピソードや、トイレの近くでお互い向き合って横になりつつおしゃべりしているシーンとかがとても記憶に残っています」。