【ネタバレあり】ゼノモーフと共闘…!?怒涛の急展開を迎えた「エイリアン:アース」第7話を徹底分析!
「エイリアン:アース」(ディズニープラス「スター」で独占配信中)の第7話を観終えたのだが、なんというか、胸のドキドキする感覚が止まらない。かなり緊張して観たせいもある。この第7話「出現」はスリルに満ちているばかりか急展開で、とにかく目が離せない。それだけではなく、観る者の気持ちをとてつもなくザワつかせる要素もある。ともかく、混乱したままにしておいてもしょうがないので本エピソードを整理してみよう。
※以降、「エイリアン:アース」第7話のネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)に該当する要素を含みます。未見の方はご注意ください。
第7話につながる重要ポイントをおさらい!
まず、第6話の重要なポイントが、7話でどう継がれているかを解説しておきたい。“ロスト・ボーイズ”のひとりであるトゥートルズ(キット・ヤング)を殺して標本室のケージから解放されたハエ型エイリアンの騒動は、カーシュ(ティモシー・オリファント)の手際のよい対応によって収束。しかし、科学者アーサー(デヴィッド・リズダール)の顔面に付着したフェイスハガーはアーサーの体ともども、ロスト・ボーイズのスライトリー(アダーシュ・ゴーラヴ)によって標本室の外に運び出される。また、アーサーに説得され、ウェンディ(シドニー・チャンドラー)を連れて島を出ることを決意したジョー・ハーミット(アレックス・ロウザー)は行動を起こす。
第7話のストーリーには大きな2つの幹がある。ひとつはスライトリーが、フェイスハガーが付着したアーサーを外に連れ出そうとするてん末。ユタニ社のアンドロイド、モロー(バボー・シーセイ)に脅迫され、家族の命を奪われかねないから、とにかくスライトリーは必死だ。同じくロスト・ボーイズのスミー(ジョナサン・アジャイ)に協力を頼みこみ、2人で運び出すことに。ビビリの彼らがうまくやってのけられるとは思えず、案の定、監督官のカーシュに見つかってしまう。ところが、このカーシュが意外にも彼らに脱出経路を示唆する。一見すると親心のようだが、前エピソードで描かれたとおり、カーシュはスライトリーがなにをしようとしているのかをすべて把握している。つまり、彼を“泳がせる”ことが目的なのだ。
もうひとつの幹は、前回までは兄のジョーに説得されても、プロディジー社の施設を出ることを渋っていたウェンディが、出ていくことを決めて兄と起こす行動。不死身のハイブリッドだと思っていた仲間トゥートルズが死んだことからくる悲しみや、プロディジー社の隠蔽体質への怒りが彼女をそうさせた。ジョーがウェンディと共に脱出しないと意味がないと思っているのと同様に、ウェンディも弟・妹分であるロスト・ボーイズを連れて行こうとするが、スライトリーとスミーがそれどころではないのは先述したとおり。カーリー(イラーナ・ジェームズ)は施設に残ることを選び、前話で記憶を消されたことを知りプロディジー社に絶望していたニブス(リリー・ニューマーク)だけが同行することになる。
ゼノモーフに指示を出し、人間を殺りくする…!?という驚愕の展開
かくしてウェンディは警戒厳重な施設から脱走しようとするのだが、最初に述べた、“観ている側の気持ちのザワつき”は、まずここで訪れる。警備の目をかわすために彼女が取った手段は、標本室にあるゼノモーフのケージを開錠すること。その混乱に乗じて逃げようという算段だが、これにより標本室で作業していた職員がゼノモーフに皆殺しにされる。これはさすがにやり過ぎではないか…と思わずにはいられなかった。ちなみに第2話で語られた、モニターに触れただけでオンラインシステムのコードを書き換えられるウェンディの特異な能力が、この開錠時に発揮される。
一方、施設の外に出て森の中をさまようスライトリーとスミーは、モローとの合流地点である入江を目指すが、途中でフェイスハガーがはずれたアーサーが意識を取り戻し、彼らを驚かせる。これがなんの前兆であるか、「エイリアン」ファンならおわかりだろう。すなわち、フェイスハガーがアーサーの肉体への寄生を終えたということ。そして、それがチェストバスターとなってほどなくアーサーの胸部から飛び出してくること。観客の側にしてみれば、スライトリーとスミーは、いつ爆発するかわからない時限爆弾を連れて逃亡しているようにしか見えない。このエピソードが緊張感を盛り立てるのは必然的だ。結局、モローと合流した時は、チェストバスターは外に逃げだしたあと。2つの部隊を率いて島に上陸したモローはアーサーの死体を捨て去り、絶望したスライトリーとスミーを部隊に同行させ、チェストバスターを捜索する。
同じく、波止場を目指して森の中を進んでいたウェンディとジョー、ニブスはモローの第2部隊に取り囲まれ、銃を向けられて窮地に追い込まれる。ところが、ここでもウェンディはゼノモーフと交信できるという、これまた特殊な能力を駆使し、施設から抜け出したゼノモーフに部隊を襲撃させる。いうまでもなく、この場面も皆殺しだ。窮地を脱したウェンディはゼノモーフに「見つからないようについてきて」というメッセージを送る。ウェンディはこのゼノモーフをも引き連れて島から脱出しようとしているのかどうかはわからない。わかるのは、妹によって無残に殺された兵士たちの死体を呆然と見つめているジョーのやりきれない気持ちだけだ。衛生兵の仕事に就いていた彼には耐えられないことに違いない。