少年は男から“光”をもらい、男に“人生”を与えた…年の差を超えた友情に心打たれる『港のひかり』本編映像
藤井道人監督とキャメラマンの木村大作が初タッグを組み、北陸の港町を舞台に完全オリジナル脚本で描く『港のひかり』(11月14日公開)。本作の本編映像が解禁となった。
本作は過去を捨てた元ヤクザの漁師と目の見えない少年との十数年を描く、年の差を超えた友情と再会の物語。舘ひろしが主人公で元ヤクザの“おじさん”こと三浦を演じ、彼と運命的に出会い、交流を深めていく盲目の少年、幸太役で本作が映画デビュー作となる尾上眞秀、その青年期役で眞栄田郷敦が出演する。
解禁された本予告映像の冒頭、“おじさん”こと三浦が少年時代の幸太と大人になった幸太にそれぞれ優しく寄り添う場面が映しだされている。2人の12年間に渡る物語は北陸にある小さな港町から始まった。目が見えないことを理由に同級生から酷い虐めにあっていた孤独な幸太は、漁師の三浦と出会う。三浦が元ヤクザだという噂を耳にした幸太は「ヤクザって悪い人だよね、おじさんはそんな人じゃないよね」と疑いつつも、三浦のことをおじさんと親しげに呼び、三浦も「あの子は1人の人間として接してくれました」としだいに心を通わせていく。
ある日、幸太の目が治る可能性があることを知り、手術を受けさせることを三浦は決意するが、「うちにそんなお金ないよ」と幸太は諦める。対して、「金の心配はしなくていい」と言い残し、三浦は幸太の前から姿を消してしまう。そこから12年の時が経ち、無事に目が見えるようになった幸太はおじさんのような立派な人間を目指して警察官になっていた。
一方、幸太の知らないところで三浦はヤクザのお金に手を出し、刑務所に12年間収監されていた。彼は出所したところをヤクザの組長、石崎(椎名桔平)に捕らえられ、石崎は駆け付けた幸太に対し「こんなじじいに会わなければ、いまごろもっと平和に生きられたかもしれない」と吐き捨てられる。三浦に出会わなければ、幸太は危険な人生を歩まなかったかもしれない。しかし、「あなたは誰よりもあたたかかった」という言葉が示すように、おじさんの優しさに触れた幸太は、血まみれになった三浦に「ありがとう、おじさん」と感謝の想いを伝え、ある行動を起こしてしまう。
年の差の超えた2人の友情が織り成す、魂を揺さぶる感動のエンタテインメント大作『港のひかり』。続報にも期待してほしい。
文/平尾嘉浩