『レンタル・ファミリー』2026年2月日本公開決定!東京の街並みをバックにしたポスタービジュアルも

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『レンタル・ファミリー』2026年2月日本公開決定!東京の街並みをバックにしたポスタービジュアルも

『ザ・ホエール』(22)で第95回アカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーが主演を務める『レンタル・ファミリー』の日本公開日が2026年2月27日(金)に決定。あわせてポスタービジュアルも解禁された。

長編デビュー作『37セカンズ』(19)でベルリン国際映画祭ほか世界中の映画祭で注目を集め、「Beef/ビーフ」や「TOKYO VICE」などの話題作を手掛けてきたHIKARIの長編監督2作目となる本作。フレイザーが演じるのは東京で暮らす落ちぶれた俳優フィリップ。かつて、歯磨き粉のCMで一世を風靡し一躍人気者となるものの、世間からはすっかり忘れ去られつつあるアメリカ人中年男性だ。彼は俳優業を細々と続けながら、東京で暮らす内にすっかり街になじみ、狭い電車の座席に大きな体を滑り込ませ、暗いマンションの1室で一人晩酌をする。そんな日々を送り続けていたフィリップは、ある日、ひょんなことから“レンタル・ファミリー”会社を経営する多田(平岳大)から仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、報酬を得て、その人にとって大切な「家族」のような役割を“演じる”仕事だ。人の人生に深く関わるこの仕事に最初は困惑し、戸惑いを見せていたフィリップ。しかし彼らと関わるなかで、フィリップ自身にも心にある変化が訪れていく。

先日、第50回トロント国際映画祭で世界初お披露目となるワールドプレミアが行われたばかりの本作。上映後の場内はスタンディングオベーションで満たされ、世界各国の批評家からも絶賛されている。映画『ザ・ホエール』以来の出演作となったフレイザーに対しても「東京在住のアメリカ人俳優が役者としてのあり方を独自の方法で活かす役を演じた彼は、ドラマとコメディを融合させた本作『レンタル・ファミリー』で最高の演技を披露」(The Hollywood Reporter)、「予想外に人生を肯定する経験となる仕事に就く男の姿を、魂のこもった抑制の効いた演技で見事に演じている」(DEADLINE)といった称賛が集まっている。現地時間9月14日(日)に発表されるトロント国際映画祭の観客賞の行方も気になるところだ。

このたび解禁されたポスタービジュアルでは、狭い電車の車内で肩を寄せ合い、席に腰掛けるフレイザー演じるフィリップの姿が収められている。大きな荷物を膝に抱え、体を隙間に押し込むように座るさまは、まさに日本ならではの光景とも言え、その周囲をレンタル・ファミリー社代表の多田、フィリップよりも先にレンタル・ファミリー社の俳優として働いていた山本真理演じる愛子、そして、柄本明演じる老優、喜久雄、さらにフィリップと父娘になる美亜役の新鋭ゴーマン シャノン 眞陽など、個性あふれるキャラクターたちが固めている。また車窓からは東京の街並みを見ることもできる。

多田を演じた平は、本年度の賞レースで歴史的快挙を果たした「SHOGUN 将軍」に石堂和成役として出演。確かな演技力と存在感で物語に重厚感を与え、自身も同作で英国アカデミー賞(BAFTA)およびエミー賞にノミネートされるなど、国内外からの絶賛を集めた日本を代表する俳優の一人。兼ねてから世界を舞台に活躍していて、マーティン・スコセッシの『沈黙-サイレンス-』(16)や英ドラマ「Giri/Haji」、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(24)などで着実にキャリアを築き上げてきた彼が、物語のキーパーソンを演じている。

山本が演じる愛子は、フィリップの先輩として同じ会社で働く俳優の1人。時にぶつかることもあるが、フィリップとの出会いが少しずつ愛子自身にも影響を及ぼし、彼女自身の人生を見つめ直すきっかけを得ていくことになる。山本も平同様、世界を舞台に活躍していて、近年では『GODZILLA ゴジラ』(14)からはじまった「モンスター・ヴァース」初のドラマシリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」で日本人科学者ケイコ役を熱演。俳優のみならず、脚本家やプロデューサーとしても活躍している。

柄本は、日本を代表する俳優の喜久雄というユニークな役どころで本作に出演。フィリップは、認知症により記憶を失っていく彼を想う娘からの依頼で、老いたスター喜久雄の取材をする記者として彼の元を訪れるようになっていく。仕事の枠を越えて友情を深めていくフィリップと喜久雄の交流は、日米の名優がならび立つ名シーンの連続で、本作の見どころの1つだ。柄本がしっかり準備をして臨んだという、これまでにない量の英語のセリフにも注目してほしい。

そして、ポスターの中でも一際目を引く少女が新鋭ゴーマン シャノン 眞陽。彼女は、競争率の高い私立校の受験のため、どうしても父親役が必要になったシングルマザー瞳が雇ったフィリップと“父娘”としての時間を過ごしていく美亜を演じる。幼い頃から父親に見捨てられたと思い込んでいた少女が、目の前に現れたフィリップを本当の父親と信じ、少しずつ心を開いていく。そんな繊細で複雑な演技が求められる難しい役どころではあるが、実はシャノンは映画への出演経験は本作が初めて。“父”として対峙したフレイザーに「彼女はいままで共演した中で最高の女優だ」と言わせるほどの演技を披露した彼女の名演にも期待が高まる。


ハリウッドを代表する名優が日本のキャストと共にオール日本ロケに挑んだ本作。文化や価値観がミックスされて紡ぎだされる感動を、映画館で堪能してほしい。

文/スズキヒロシ

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