『鬼滅の刃』『8番出口』『国宝』…超強力な夏のヒット作たちはいまだ衰え知らず!“秋興行”の命運は?

『鬼滅の刃』『8番出口』『国宝』…超強力な夏のヒット作たちはいまだ衰え知らず!“秋興行”の命運は?

9月5日から9月7日までの全国映画動員ランキングが発表。まだまだ真夏のような猛暑が続いているが、映画界は秋シーズンへと突入。注目の新作タイトルが続々公開されるなか、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)が公開8週目の週末も堂々首位をキープした。

『鬼滅』と『8番出口』が熾烈なトップ争い!

まだまだ強い『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』!いよいよ『千と千尋』超えが射程圏内に
まだまだ強い『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』!いよいよ『千と千尋』超えが射程圏内に[c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

今回は、前週と同じ順位を守り抜いて秋興行の初戦を凌ぎきった“夏の3作品”、『鬼滅』と『8番出口』(公開中)、そして『国宝』(公開中)にフォーカスを当てていこう。まず『鬼滅』の週末3日間成績は、観客動員50万1000人、興行収入8億400万円で前週比71%。2週連続2位の『8番出口』は週末3日間の動員46万6000人、興収6億6700万円で前週比69%となっている。

両者の動員数の差は、前週の週末3日間が3万4000人だったのに対し、今週は3万5000人とわずかに広がっている。それでも『8番出口』は、一般的に動員を落としやすい傾向にある2週目末であることに加え、ストーリーらしいストーリーを持たないオリジナルゲームのイメージが先行し、それがどのように映像化されたのかネガティブな点も含めて口コミが広がりはじめたタイミング。そのなかで“安定株”である『鬼滅』との差をほぼ維持できたことは大きく、作品のポテンシャルの高さを証明できたといってもいいだろう。

【写真を見る】“8番出口”をリアルに体感できるかも!?臨場感抜群のラージフォーマットで拡大上映へ
【写真を見る】“8番出口”をリアルに体感できるかも!?臨場感抜群のラージフォーマットで拡大上映へ[c]2025 映画「8番出口」製作委員会

公開10日間の累計成績で動員148万人&興収20億円を突破した『8番出口』は、次週末から現在の通常上映とIMAXに加え、4DやSCREENX(左右のスクリーンにはやっぱり通路の壁がずっと映っているのだろうか)、Dolby Cinemaなどのラージフォーマットでの拡大上映が控えている。次週以降、『鬼滅』との差を縮めることができるか注目しておきたい。

一方、『鬼滅』は前週の当記事でも触れた通り、公開46日目である9月1日の月曜日に累計興収300億円の大台に突入。これは『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)の59日間を大きく上回る前代未聞のスピードだ。この週末までの公開52日間での累計成績は、動員2200万7405人&興収314億2591万6900円。もう数日のうちに『千と千尋の神隠し』(01)を抜いて日本歴代興収ランキング第2位に浮上する。


『国宝』は公開14週目もトップ3をキープ!観客動員は946万人を突破
『国宝』は公開14週目もトップ3をキープ!観客動員は946万人を突破[c]吉田修一/朝日新聞出版 [c]2025映画「国宝」製作委員会

そして上位2本とはやや水をあけられてしまったが、公開14週目を迎えた『国宝』も相変わらず驚異的。週末3日間の成績は動員が27万5000人、興収が4億600万円。前週比82%を維持しており、6月の公開初週末と比較すると動員は112%、興収は117%。累計成績では動員946万6286人、興収133億2514万5900円。近日中にも“動員1000万人”に届くだろう。

後述する今週末の新作タイトルはいずれも上記3作に及ばなかったが、次週末には福山雅治主演の『ブラック・ショーマン』(9月12日公開)、さらにその次の週末には『チェンソーマン レゼ篇』(9月19日公開)など、勢力図を一変させそうな秋の新作が待機。強力な夏作品の勢いがまだ衰えないうちに秋興行を迎える。これは実におもしろいことになりそうだ。

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