個性は十人十色!青くて白い帽子がトレンドマークの愛されキャラ「スマーフ」
このたび公開される『劇場版スマーフ/おどるキノコ村の時空大冒険(パラレルアドベンチャー)』のタイトルロールである「スマーフ」は、もともと原作者ペヨが連載していた別の漫画の脇役として1958年に初登場したキャラクターだ。丸みのある体型が親しみを感じさせる小さなスマーフたちは、瞬く間に読者の人気を集め、ペヨはすぐに彼ら自身を主人公にした漫画シリーズを開始。その後、テレビアニメ、映画、キャラクターグッズなど、様々なメディアに展開され、70年近く経ったいまなお国境を越えて多くのファンを虜にしている。
スマーフたちは森の奥に、多くの仲間と協力し合うことを基盤としたユートピア的なコミュニティ、スマーフ村を築き上げ、人間に見つからないように暮らしている。彼らが住むのはキノコの形をしたカラフルなかわいい家。大勢いるスマーフそれぞれの個性は多種多様だが、みんな歌ったり、踊ったりするのが大好きで、基本的に明るい性格のキャラが多い。朝の日課として、村のスマーフ全員が広場に集まり、ノリのいいミュージックに乗って、キレ味抜群のダンスを披露する群舞シーンの華やかさは圧巻だ。人間よりもはるかに長寿の種族で、若く見えるスマーフでも100歳にはなっているらしい。
新作映画の主人公となるのは、個性豊かなキャラが多いスマーフのなかで、ただ一人だけ、個性も特技もないことを思い悩むノーネーム。これまで数えきれないほど、いろいろなことにチャレンジしてみたものの、いつもうまくいかないため、いまやすっかり自信喪失状態に。「自分をあきらめないで」と言ってくれる親友のスマーフェットの励ましが心の支えで、いつかは自分だけのなにかを見つけられることを願っている。
本作で、ノーネームと共にダブル主人公として活躍するスマーフェットは、スマーフ村における最初の女の子。実はもともと彼女はスマーフたちの宿敵である悪い魔法使いガーガメル(声:山寺宏一)によって粘土から作られ、スマーフ村を破壊する秘密の任務を命じられた存在だった。しかし、村全体に受け入れられ、ガーガメルの邪悪な魔法がとけたあとは、パパスマーフの魔法の力で現在のかわいらしい姿へと変身。村で一番、歌やダンスが上手で、賢く、独立心も旺盛。とても優しい心を持つ彼女に憧れているスマーフは多い。
スマーフ村のリーダー、パパスマーフは500歳を超える長老。といっても高齢を微塵も感じさせず、いまもスマーフたちをあらゆる危険から守ってくれる頼もしい彼は、まさに村の中心的人物だ。だが、そんなパパスマーフが今回、ガーガメルの弟ラーザメル(声:山寺宏一)に誘拐されたことで、村中がパニックに陥ってしまう。
ほかにも、ノーネームやスマーフェットと共に、パパスマーフを救出する冒険の旅に出るキャラの一人に、パパスマーフの弟子である黒ぶち眼鏡の秀才ブレイニー(声:林幸矢)が登場。また、手鏡を常に携帯している美意識の高いバニティ(声:石黒史剛)やとっても力持ちで腕のハートマークがチャームポイントのヘフティ(声:山下タイキ)なども活躍するので、ぜひ注目してほしい。
笑って、心が温まるストーリーと、アニメ、実写、視覚効果を融合させたユニークな映像。アクションと音楽に満ちたスケールの大きなアドベンチャーは、子どもはもちろん、大人もワクワクさせてくれるはず。みんなで助け合ってトラブルを乗り越え、未知の世界に挑むスマーフの愛くるしさに癒されながら、魅力的なキャラクターたちを満喫しよう!
文/石塚圭子