リンゴ3個分の身長で、青い肌に白い帽子を被ったキュートなキャラクター「スマーフ」。ベルギーの漫画家ペヨによって生みだされ、1958年に登場して以来、世界中で愛され続けてきたスマーフが活躍する映画最新作『劇場版スマーフ/おどるキノコ村の時空大冒険(パラレルアドベンチャー)』が9月19日(金)に公開される。
奥深い森の中にあるキノコ村で、毎日ハッピーに暮らしているスマーフたち。しかし、彼らの長老であるパパスマーフ(声:茶風林)が突然、何者かにさらわれてしまったことから、のどかな生活は一変。ノーネーム(声:宮野真守)やスマーフェット(声:早見沙織)ら、村のスマーフたちは、パパスマーフを見つけて無事に連れ戻すため、予想もしなかった時空を越える大冒険へと出発する。
「スマーフ」の物語が半世紀以上にわたって人々を夢中にさせてきた理由の一つは、観る人それぞれが共感できる多様なキャラクターの魅力にある。そこで今回は、スマーフたちのように、集団としては見た目がそっくりだけれど、実はそれぞれの個性が立っている愛すべきキャラクターが登場する作品を紹介していきたい。
控えめなキャラにホッとする「すみっコぐらし」
「すみっコぐらし」はサンエックスのキャラクターとして2012年に登場。すみっこが好きというユニークな設定のキャラたちは、子どもから大人の女性まで幅広い層の心をつかんだ。グッズやテレビアニメの人気はもちろん、泣ける映画として話題を集めた『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(19)以降、3本の映画が制作された。第4弾となる新作『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』は10月31日(金)に公開される。
すみっこにいると、なぜか落ち着く仲間たち「すみっコ」の多くは、なにかしらのコンプレックスを持っているため、ちょっぴりネガティブだけれど、実に個性的。人気キャラの「しろくま」は生まれながらの寒がりで、北から逃げてきた人見知りのクマ。緑色の「ぺんぎん?」は、自分がペンギンなのかどうか自信がなく、昔は頭の上に皿があったような気がしている自称ペンギン。外に見せている自分と本来の性格とのギャップ、アイデンティティの模索など、かわいらしいビジュアルの裏側に深いテーマ性が隠されているキャラ像が愛おしい。
モルモットが車になった「PUI PUI モルカー」
子ども向け番組のコーナーアニメとして、2021年に第1期、2022年に新シリーズが放送され、大反響を呼んだストップモーションアニメ「PUI PUI モルカー」。モルモットが車になった世界を舞台に、もふもふの質感のモルカーたちが毎回ハチャメチャな騒動を繰り広げる。2021年と2022年には劇場でシリーズ全話一挙上映も行われたほか、2024年にはCGアニメとしてシリーズ初のオリジナル長編映画『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』が公開された。
人間が中に入って運転できるサイズの乗り物であると同時に、生き物でもあるモルカーは、食事や排泄もするし、自分の感情も持った不思議な存在だ。普段はのんびり屋だけれど、困っている誰かのために行動を起こせる勇敢なモルカー「ポテト」や、モルモットらしい臆病で甘えん坊な性質を持つゆえにトラブルに巻き込まれがちな「シロモ」といったモルカー以外にも個性あるキャラが多数登場。セリフがないのに動きや音だけで感情移入できるモルカーの絶妙な描写と、意表を突くシュールな展開に引き込まれる。