家族をやり直す4日間を映しだす『兄を持ち運べるサイズに』家族への想いにあふれた本予告到着
作家、村井理子が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに映画化した『兄を持ち運べるサイズに』が11月28日(金)より公開となる。中野量太監督が脚本、監督を務める本作より、本予告と本ビジュアルが到着した。
宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)で日本アカデミー賞や報知映画賞など多くの映画賞を席捲、二宮和也主演の『浅田家!』(20)では、国内の大ヒットのみならずフランスでも大ヒットを記録した中野監督の5年ぶりの新作。主演を務めるのは、マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公の理子役の柴咲コウ。共演に、家族を振り回す原因となる、映画史上稀にみるダメな兄ちゃんを演じるオダギリジョー、兄と一時は夫婦でありながらも、ある理由で離婚した元嫁、加奈子を演じる満島ひかり、兄と加奈子の娘で両親離婚後は母と暮らす満里奈を演じる青山姫乃、2人のもう1人の子どもで最後まで兄と暮らした息子、良一を演じる味元耀大。実力はキャストがそろい、泣き笑い、時々怒った兄を送るためのてんてこまいの4日間を紡いでいく。
今回到着した本予告で映るのは、母の葬儀中、人目をはばからず泣きながら「かぁーちゃん」と叫びながら木魚を叩き続ける兄。そんな、「大嫌いだった兄」を冷ややかな目で見つめる主人公の理子。いびつな兄妹の関係がこの葬儀のワンシーンだけでも浮き彫りとなっている。そして「突然兄が死んだ」という驚きの急展開で、予告編は始まる。
”ダメ兄”の急死をきっかけに集まった、妹、元妻、娘と息子の4人。兄と息子が暮らしていた散らかり放題の家の掃除をしていくなかで、幼少時代の写真、壊してしまった家族の写真を大切に飾っていた兄に少なからず気持ちが揺れる理子。「身勝手で落ち着きがなく、1人では生きられない人だった」うえ、多額の借金を作ったことで離婚した兄に同じように迷惑かけられたはずの元嫁から、「理子ちゃんには、あの人の知らないこところがあるのかなって思っちゃた」と言われ、思わず「じゃ、教えてよ」と言い返してしまう。兄は理子に、家族だからこそ言えなかったことがあったのだろうか?
「ねぇ兄ちゃん、最後に1つだけ聞いていい?」と言う理子が最後に、聞きたかった言葉とは?亡くなった兄の「理子はこの先も生きていくんだから、自分で答えを出さないと」という言葉に秘められた思いとは? 誰もが観終わったあとに自分の家族を想う、本編が垣間見える予告編が完成した。
あわせて解禁となった本ビジュアルは、家族が兄のパネルを持ち運ぶタイトルをそのまま表したようなデザイン。ティザービジュアルでは軽やかな黄色に彩られていたビジュアルが、ある建物から兄を持ち運んでいる背景に変わっている。兄の急死をきっかけに、個々が“家族”を見つめ直した4日間の始まりを感じさせるビジュアルに仕上がった。
9月17日(水)~9月26日(金)には、韓国、釜山で開催される第30回釜山国際映画祭のOPEN CINEMA部門に正式出品が決定しており、レッドカーペットセレモニーには柴咲が参加予定。少しずつ公開が迫る本作の続報に期待したい。
文/サンクレイオ翼