“マスター・オブ・ホラー”ジョン・カーペンターがゲーム界に進出!?念願のゾンビゲームに「ハロウィン」のゲーム化も
『ハロウィン』(78)や『ゼイリブ』(88)などで知られる“マスター・オブ・ホラー”ジョン・カーペンター監督。彼が本格的にゲーム界に進出し、ストーリーと音楽を手掛けたFPSゲーム「John Carpenter's Toxic Commando」のゲームプレイトレーラーが公開され、2026年初頭に発売されることが正式に発表された。
今年4月にハリウッドの殿堂“ウォーク・オブ・フェイム”に仲間入りしたカーペンター監督は現在77歳。『ザ・ウォード 監禁病棟』(10)を最後に長編映画を手掛けておらず、近年は音楽家としての活動が中心で、昨年4月にはアルバムをリリースし、今年10月にはライブも予定。他にもミュージック・ビデオの制作からコミックのプロデュースまでマルチに才能を発揮している。その一方で、息子の影響でゲームに興味を持ち、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」にハマって以来、大のゲームマニアとなったことでも知られている。
そんなカーペンター監督が最初にゲーム作品に携わったのは、1998年に発売された「Sentinel Returns」で、同作には作曲家として参加。2002年には自身の代表作である『遊星からの物体X』(82)の数ヶ月後を舞台にしたシューティングゲーム「遊星からの物体X episodeII」を映画の続編として公認し、自らキャラクターのボイスキャストとして参加。さらに2011年にはサイコホラーゲーム「F.E.A.R.3」のクリエイティブ・コンサルタントを担当。同作を基にした長編映画を手掛ける計画もあったが、実現には至らなかった。
その後、オリジナルゲームの制作に強い意欲を示すようになり、2023年6月に念願叶って制作が発表されたのが「John Carpenter's Toxic Commando」。舞台設定は、地球の核の力を利用する実験的な試みが恐ろしい惨事へと代わり、土壌はスカム化、生き残った人々は“アンデッド・モンスター”と化した近未来。プレイヤーは雇われた“コマンドー”の一員として、銃火器や特殊能力などを駆使しながら、襲い来るアンデッドに立ち向かうミッションへと挑んでいく。
ゲームについてカーペンター監督は「ゾンビを撃つのが本当に好きで、奴らは“感染者”と呼ばれているが、“グール”です。爆発がすごいし、その数もすごい。きっとこのゲームを気に入ってもらえることでしょう」と語っている。ゲーム内には1980年代のB級映画を想起させる要素はもちろん、カーペンター作品を彷彿とさせるホラー映画ファン必見のオマージュも存分に込められているのだとか。
さらに、「ハロウィン」シリーズをゲーム化する「Halloween: The Game」にクリエイティブ・コンサルタント兼エグゼクティブ・プロデューサーとして参加することも決まっているカーペンター監督。同作も2026年に発売されることが先日発表されたばかり。“マスター・オブ・ホラー”が映画界と音楽界に続いてゲーム界を席巻する日も、そう遠くはなさそうだ。
文/久保田 和馬