ジャッキー・チェン「みなさんのおかげ」と感謝!映画『ベスト・キッド:レジェンズ』来日舞台挨拶で芸歴64年を振り返りしみじみ

ジャッキー・チェン「みなさんのおかげ」と感謝!映画『ベスト・キッド:レジェンズ』来日舞台挨拶で芸歴64年を振り返りしみじみ

全世界で大ヒットを記録してきた「ベスト・キッド」シリーズ最新作となる映画『ベスト・キッド:レジェンズ』(公開中)の来日記念舞台挨拶が8月30日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、ジャッキー・チェンが登壇した。本作では、1984年のオリジナル版で主人公ダニエルを演じたラルフ・マッチオと、2010年のリメイク版でカンフーの師匠を演じたジャッキー・チェンが共演を果たしている。

【写真を見る】昭和、平成、と日比谷に手形を残してきたジャッキー・チェンが令和版の手形を作成!
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「これからも映画を作り続けます!」「頑張ります!」と宣言
「これからも映画を作り続けます!」「頑張ります!」と宣言

大きな拍手と歓声に包まれた熱気あふれる舞台挨拶のステージに登場したジャッキーは、今月の中旬からとても忙しい日々を過ごしているとのこと。「スイス、イタリア、ロンドン、北京、マカオ、広州、香港。そして一昨日から日本にいます」と挨拶。「自分がいま、一体どこにいるのかも分からなくなっている」とニヤリとしながらも「セルビアやカザフスタンにもいた」と付け加えつつ、「とにかくみなさんに会えてとてもうれしいです」と笑顔。時折日本語を交えながらのトークに会場に集まったファンも大興奮。「一昨日、日本にやってきて…」と伝えるくだりでは、「昨日の昨日」と日本語で説明。通訳からの「日本語でおとといですね」とフォローが入ると、「昨日の昨日、同じだよ(笑)」と返答し、笑いを誘いながら盛り上げていた。

ファンに愛をたくさん贈っていた
ファンに愛をたくさん贈っていた

本作が出来上がるまでの過程は「まさにミラクル!」と話したジャッキー。「小さい頃からアクション映画が大好きで、『ベスト・キッド』が公開された時は香港の映画館で観ました』と振り返り、「『このアクションは、僕にもできる。なぜオファーが来ないんだ!』と思いました」と思い出を語る。リメイク版の『ベスト・キッド』(10)については「ウィル・スミスから電話がかかってきました。リメイクをやろうって。でも、僕にとってはそれはあまりいいニュースじゃなかったんです」としょんぼりとした表情を見せたジャッキー。その理由は「だって、僕はもうキッドではなかったから」とニヤニヤ。「(ウィル・スミスから)『カラテ・キッドをやるのは僕の息子。あなたはマスターの役です』って言われて…」と笑いながら「大人になったんだなぁって思いました」としみじみ。

観客の撮影タイムで、自らポーズや角度をバンバン繰り出すジャッキー
観客の撮影タイムで、自らポーズや角度をバンバン繰り出すジャッキー

リメイク版の大成功を受け、「ウィルから続編を作ろうと言われました」と明かし、「いいアイデアもあると思ったけれど、脚本が問題でした」と告白。「出来上がってはダメ、を繰り返していたら10年も経ってしまって。ウィルにこの企画はやめようと伝えました。しかもジェイデン(・スミス)が僕よりも大きくなっていて、もうキッドじゃなくなっていたんです…」と企画がなくなるピンチがあったことも打ち明ける。しかし、カラテ・キッド役探しは続いていたようで、「あれから3、4年経って、子役が見つかりましたって。でも、アクションはできないと聞いたので、ジャッキー・スタントチームを派遣して4か月ノンストップのトレーニングをしました」と企画が再始動してからの道のりを説明。

ジャッキーは、高校生のリー役を演じるベン・ウォンに対し、4か月後のクランクインに向け、ハードなトレーニングに入る時に次のような言葉をかけたという。「普通は10数年かけてトレーニングするアクションを覚えなければいけない。その過程は痛みがあり、辛いこともあるし、怪我をするかもしれない。でも、オーディションで選ばれたのだから、しっかりやりなさいと言いました。君が40歳、50歳になった時、いまの努力に感謝るすことになるとも伝えました。それは僕も同じだからです」と自身の経験を踏まえた上の言葉だったと語る。

昭和の手形を作成した時の様子を見て「イケメンでしょ」とニコニコ
昭和の手形を作成した時の様子を見て「イケメンでしょ」とニコニコ

「僕は20歳の時に一生懸命頑張りました。その時の自分にいつも感謝しています。この仕事を始めて64年目。この64年の間にいろいろな映画に出会いました」と懐かしみながら充実感を滲ませ、「子役から、小さなスタント。徐々にレベルが上がっていって、ステップバイステップで今日までやってきました。努力もしたし、こだわりを持ってやっていたけれど、なにより大事なのは、みなさんも含めて世界中にいるファンのため。みなさんのおかげで今日まで歩んでこられました。ありがとうございます!」と感謝すると、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こり、たくさんのファンから「ありがとー!」の言葉も飛ぶなか、続けること、そして教えてもらったこと、身につけたことを次の世代へ繋いで行くことが大事とも付け加えていた。

練習を繰り返す場面も
練習を繰り返す場面も

ジャッキーは今回、2日間で11回の舞台挨拶に登壇。「11回は大変だったけれど、まだまだいけるよ!」と余裕を見せる場面も。さらに、過去の来日舞台挨拶では歌を披露したこともあるとMCが明かすと、映画『ファースト・ミッション』(85)の日本公開版エンディングテーマ「TOKYO SATURDAY NIGHT」をワンフレーズ披露し、イベントを盛り上げた。ジャッキーは昭和、平成と過去に2回、日本で手形を残している。その時の様子をレポートした記事がスクリーンに写し出されると「結構、イケメンでしょ(笑)」とコメントし会場を和ませる。イベントでは令和にも過去と同じく日比谷で手形を残す企画が実施され、ものまねタレントのジャッキーちゃんのサポートのもと、用意された粘土板にパンチする形で、握り拳型の手形を残した。この手形は8月31日より2026年5月までTOHOシネマズ日比谷にて展示される予定だ。


取材・文/タナカシノブ

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