【ネタバレあり】前半戦を相関図でおさらい!「エイリアン:アース」第4話で考察&妄想が加速…鍵は“ピーター・パン”!?
「エイリアン」初ドラマシリーズであり、同じく初めて地球を舞台に描かれる「エイリアン:アース」(ディズニープラス「スター」で独占配信中)。映画・ドラマの批評集計サイト「Rotten Tomatoes」では、『エイリアン』(93%)、『エイリアン2』(94%)を超え、シリーズ最高となる批評家スコア95%フレッシュ(9月1日時点)を獲得し話題となっている。
このところ、本作のおかげで、新エピソード配信日である水曜日の到来が待ち遠しく感じられる。特に第3話配信後から今回の4話目までの1週間は長く感じたが、それでも待った甲斐はあった!というわけで、注目の第4話をレビューしていこう。
※以降、「エイリアン:アース」第4話までのネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)に該当する要素を含みます。未見の方はご注意ください。
これまでの人物関係を相関図でまるっと振り返り!
その前に、第3話までのストーリーと人物関係をざっとおさらいしておこう。時は映画『エイリアン』(79)で描かれた西暦2122年の2年前、世界が5大企業によって分割統治されている未来。そのひとつ、プロディジー社によって作られたアンドロイドに人間の意識や記憶が移植された“ハイブリッド“の第1号、ウェンディ(シドニー・チャンドラー)は人間だったころの兄ジョー(アレックス・ローサー)を守るため、スペースシップの墜落現場に向かい、損傷を受けながらも救出に成功する。ところが、この宇宙船は5大企業の一つであり、「エイリアン」シリーズのファンにはおなじみのウェイランド・ユタニ社のもので、5種のエイリアンの標本を積んでいた。
プロディジー社社長で若きITの天才カヴァリエ(サミュエル・ブレンキン)の指示により、ウェンディと共に事故現場に向かったプロディジー社の探索チームが、このエイリアンの標本を社に持ち帰ったことから話がこじれてくる。ユタニ社は返還を求めるが、標本に興味津々のカヴァリエは、自社ビルに墜落したことを理由に拒否。標本の存在は、ウェンディはもちろん、探索に同行した次世代のハイブリッド5体――通称“ロスト・ボーイズ”や、プロディジー社の学者たちにも少なからず影響を及ぼしていく。
エイリアンの言葉が聞こえるウェンディ。“ロスト・ボーイズ”の5人にも異変が…
さて、注目の第4話。冒頭では、3話で標本に接する主人公ウェンディの身に起こった異変の、驚くべき秘密が明かされる。彼女はエイリアンの声を聞いたというのだ!この事実はカヴァリエのエイリアンへの興味をさらに強く引き寄せる。異星生物の言語に学術的に興味を引かれたのか、それとも金の匂いを察したのか?現時点では不明だが、いずれにしてもカヴァリエは強引な手段で、ウェンディにエイリアン言語の翻訳を強要してくる。ちなみに第4話の主要な舞台は、孤島にあるプロディジー社の研究施設。そこではカヴァリエこそが最高権力者であり、ほかの者は人間、サイボーグ、ハイブリッドを問わず従うしかない。
怪我を負って治療を受けたウェンディの兄ジョーも同様だ。回復したことで、妹を連れて家に帰りたいと訴えるも、プロディジー社はそれを許さない。当然だ。人間のころの記憶を残しているとはいえ、ウェンディはいまや同社の“開発物”なのだから。結果、ジョーは施設にとどまることを余儀なくされる。それにしても、権力者のレトリックはイヤらしいというか、汚いというか。このドラマシリーズにヴィランがいるとすれば、それはエイリアンではなく、プロディジー社なのではないか?観ていて、そんな気さえしてくる。
同じくプロディジー社の“開発物”であり、ウェンディが弟・妹たちのように接している“ロスト・ボーイズ”ら5人にも異変が起こる。ハイブリッドは、死期を待つ重病の子どもたちの意識を転送したAI生命体で、意識は子どものまま。である、はずなのだが、少しずつ自我が表面化しているのは、3話でウェンディへの対抗心をあらわにしたカーリー(イラーナ・ジェームズ)の承認欲求のエピソードからも明らか。今回は、学者肌のトゥートルズ(キット・ヤング)が、あたえられた名前が嫌だと反抗心を見せる。
さらにニブス(リリー・ニューマーク)は、「赤ちゃんができたの」とありえないことを言って世話係の女性学者デイム(エシー・デイヴィス)を困惑させる始末。それだけならよかったが、信じない彼女にいらだち暴力を振るう仕草まで見せるのだから、人間に従うべきハイブリッドとしては問題行動だ。ちなみに、ニブスは第2話でタコ型のエイリアンに襲撃されており、彼女が寄生され、それを赤ちゃんと思っている可能性も否定できない。いずれにしても、大いに気になるエピソードだ。