【ネタバレあり】前半戦を相関図でおさらい!「エイリアン:アース」第4話で考察&妄想が加速…鍵は“ピーター・パン”!?
眼球から生命体に寄生…ドラマシリーズでも容赦ないショック描写
5人のなかでもっとも深刻な立場に追い込まれるのがスライトリー(アダーシュ・ゴーラヴ)だ。3話で標本に固執するユタニ社のサイボーグ、モロー(バボー・シーセイ)と遭遇したことで、彼とテレパシーのような交信を行うようになり、ついには標本を施設から持ち出すことを強要される。その手段とは、施設内の人間に卵からかえったフェイスハガーを寄生させ、運び出すという荒っぽいもの。人間時代の母や兄弟をモローに人質に取られては従うしかないが、さてどうなるか?
施設で働く科学者の間にも、カヴァリエが狂暴なエイリアンの研究に乗り出したことで動揺が広まる。しかし、もっとも気になるのは、まったく動揺しないカーシュ(ティモシー・オリファント)の存在だ。科学者であり、ハイブリッドたちの管理者も務めているサイボーグだから落ち着いているのは当然といえば当然だが、それにしても不気味。エイリアンに体を乗っ取られた実験用のヒツジをまばたきもせず見つめ、スライトリーとモローの通話記録をじっと凝視する。ただただ、冷徹な観察者。サイボーグは会社の方針に反抗しないようプログラムされているが、3話でモローがそれを破ったことにより定説は崩れた。何事もひたすら観察しているカーシュはなにを考えているのだろう?ひょっとしたら、今後の展開を揺さぶるキーパーソンになってくるかもしれない。
また、第4話では「エイリアン」らしいグロい描写もある。カーシュがたずさわった実験用ヒツジに、タコ型エイリアンが寄生する場面がそれで、眼球をえぐり、そこに“目”となって収まるさまは、鮮血も含めてショッキング。エイリアン目線の映像も挿入され、これがなかなか異様なシークエンスとなっているのだ。そしてそれは、研究施設の中にはなにをするかわからない未知の異星生物の標本が、ほかにも収められていることを改めて思い出させる。人間にとって、そこはとてつもなく危険な場所なのだ。
4話のラストでもそれは示唆される。水溶液の中に保管された内臓器官を見つめるウェンディ。それがうごめきだしたと思いきや、中からチェストバスターが飛び出して、容器を破壊してウェンディと対峙する。それをじっと見つめるウェンディの屈託のない笑顔。エイリアンの言葉を聞き取れる彼女は、なんらかの意思の疎通ができるのだろうか?とにかく、興味が尽きないまま次話へとドラマは持ち越され、シリーズは全8話の折り返しとなった。
本作で“ピーター・パン”の役割を果たすのは、まさかのエイリアン説!?
最後に本作と深くつながっている童話「ピーター・パン」について語っておこう。ご存じ、子どもが大人にならない場所ネバーランドを舞台にした冒険物語。「エイリアン:アース」のウェンディやロスト・ボーイズの面々が子どもの心のままなのは、役名を含めてこの設定と同様だが、「ピーター・パン」のラストで子どもたちはネバーランドを離れて大人になることを選ぶ。この展開は本シリーズにも生かされるのだろうか?
そして、肝心のピーター・パンは「エイリアン:アース」では、どこにいるのだろう?シリーズの序盤ではハイブリッドの生みの親である天才少年カヴァリエがそのポジションにいるように見えたが、悪辣さが見えてくるにつれて、そう思えなくなってきた。真のピーター・パンは、今後ウェンディを導いていくかもしれないエイリアンなのでは!?そんな妄想を膨らませつつ、楽しみでしかない次の水曜日を待つとしよう。
文/相馬学