V6達成の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』と実写邦画歴代2位浮上の『国宝』、“夏の2強”のお盆休み明け成績を徹底分析

V6達成の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』と実写邦画歴代2位浮上の『国宝』、“夏の2強”のお盆休み明け成績を徹底分析

8月22日から8月24日までの全国映画動員ランキングが発表。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)がこの週末も首位をキープし、これで6週連続のNo.1を達成。今回はその『無限城編』と、前週に実写日本映画22年ぶりの興収100億円超えという快挙を成し遂げた『国宝』(公開中)の“夏の2強”の現状を詳しくチェックしていくことにしよう。

『タイタニック』超えの『無限城編』9月に入ってからが試金石に?

【写真を見る】『千と千尋の神隠し』まであと36億円!『無限城編』はどこまで勢いを持続できるのか
【写真を見る】『千と千尋の神隠し』まであと36億円!『無限城編』はどこまで勢いを持続できるのか[c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

公開6週目を迎えた『無限城編』は、週末3日間で観客動員76万4000人、興行収入11億5400万円を記録。これは前週末3日間との対比で63%の成績。週末成績としては文句ない好成績であるが、さすがにそろそろ客足も落ち着きはじめているように思えなくもない。

参考までに、先々週(8月12日から8月17日まで)と、先週(8月18日から8月24日まで)の動員成績を比較してみよう。先々週は6日間で動員257万4739人を記録しているので、1日の平均は42万9123人。平日3日間の平均動員が45万人を超えているのに対し、週末3日間の平均動員は40万6000人ほど。やはりお盆休みのピーク期間とあって、平日も週末も関係なしに満遍なく、やや平日に比重が大きくなっていたことがわかる。

お盆休みが終わり、平日の動員からやや落ち着きを見せはじめている
お盆休みが終わり、平日の動員からやや落ち着きを見せはじめている[c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

対して先週は、先述の週末3日間を含む7日間で155万2614人。1日の平均は22万1802人まで減少し、平日の平均は20万人を割り込み、週末は25万人を超えている。数字自体の下げ幅の大きさはともかくとして、動員の比重が一気に週末に傾く“通常通り”にはっきりと戻っている点がポイントだろう。おそらくこれは、9月に入ってから(つまり小中高生の夏休みが終了してから)より顕著なものになると推測できる。

とはいえこの週末時点での累計成績は動員1982万5555人、興収280億8769万4600円となり、『タイタニック』(97)を抜き去って日本歴代興収ランキングの3位まで浮上。その『タイタニック』が2023年のリバイバル公開でいくらか興収を上乗せしているため正確な比較は難しいが、前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)が、数億円を上乗せする前の『タイタニック』を超えたのが公開7週目末。『無限城編』はまだ6週目末なので、ペースとしては前作以上であることは明白だ。


夏休みが終わる9月以降の持続力がカギに!
夏休みが終わる9月以降の持続力がカギに![c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

もちろんそれは、夏休みの恩恵があったからにほかならない。『無限列車編』はコロナ禍でライバル不在の状況だったとはいえ、長期休みの恩恵をほとんど受けずに興収を積み上げてきた。ライバル作が多い現在の状況で、夏休みの貯金を活かして持続させるだけのポテンシャルが『無限城編』にあるのかどうかが今後の焦点――つまり『千と千尋の神隠し』(01)をいつ超えるのか、『無限列車編』にどこまで迫れるのか――となってくるだろう。

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