『Weapons』が北米V2達成も、夏の終わり恒例の閑散期に突入!?頼みの綱は前売りセールス絶好調の『鬼滅の刃』か

『Weapons』が北米V2達成も、夏の終わり恒例の閑散期に突入!?頼みの綱は前売りセールス絶好調の『鬼滅の刃』か

先週末(8月15日から8月17日まで)の北米興収ランキングは、週末3日間の総興収9033万ドルと、5月の2週目以来およそ3か月ぶりに同1億ドルを割り込む事態に。もっとも、サマーシーズンの終盤に急激に数字が落ちるのは例年通りのこと。昨年は9月に一度だけ1億ドル台に持ち直したものの、感謝祭週末まで閑散期が継続。はたして今年はどうなるのか。

前週比56.2%と、やや大きな下落に見舞われた『Weapons』
前週比56.2%と、やや大きな下落に見舞われた『Weapons』[c]Everett Collection/AFLO

ランキングのほうは、ザック・クレッガー監督の『Weapons』が2週連続でNo. 1を獲得。週末3日間の興収は2445万ドルで、好発進だったオープニング週末との対比で56.2%。初夏に現象級のヒットを巻き起こした『罪人たち』(25)に匹敵するムーブメントが期待されていたことを踏まえると物足りない結果にも見えるが、それでもまだまだ好調維持といえよう。

週末時点での累計興収は8850万ドル。平日に入ってからもデイリー興収で1位を保ち続け、8月20日の水曜日の時点で累計興収9786万ドルに到達。木曜日か、少なくとも今週末の早い段階で2025年公開作として13本目の累計1億ドル達成が確実に。ちなみに、『Weapons』を含めた13本中6本がワーナー・ブラザース配給作品であることは特筆しておく必要があるだろう。

ボブ・オデンカーク主演『Mr.ノーバディ2』は3位に初登場
ボブ・オデンカーク主演『Mr.ノーバディ2』は3位に初登場[c]2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

新作タイトルで最上位にランクインしたのは、ボブ・オデンカーク主演の『Mr.ノーバディ2』(10月24日日本公開)。初日から3日間で興収925万ドルというオープニング興収は、コロナ禍からの復活途上にあった2021年春に公開された前作との対比で135%。その前作は制作費1600万ドルで最終興収2756万ドルと、公開時期を踏まえてもまずまずの結果に終わったが、批評家からの評価が上々で、公開3週間後にスタートしたPVODがとにかく大成功。制作費を2500万ドルに増額してまで続編を作ったのは、やはりPVODでの成功に勝算があると見込まれたからであろう。

一方、12位には4K版として再上映を迎えた『シン・ゴジラ』(16)がランクイン。木曜日に公開され、週末3日間で興収163万7322ドル、初日を合わせた4日間では248万3679ドルと、1か月の上映期間で興収191万ドルだった北米初公開時を大きく上回る結果に。『ゴジラ-1.0』(23)の効果でゴジラ人気が高まっていることもさることながら、政府の危機管理にフォーカスを当て続ける独特な作風が、コロナ禍を経たことで海外からもより理解しやすいものとなったのかもしれない。

 【写真を見る】『無限城編』が北米No. 1獲得の前作を上回る前売りセールス!1か月後の北米公開に期待充分
【写真を見る】『無限城編』が北米No. 1獲得の前作を上回る前売りセールス!1か月後の北米公開に期待充分[c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

日本関連の話題といえば、まだ北米公開前でありながら『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(日本公開中)が早くも加熱しているようだ。9月12日(金)に公開を控え、8月15日から前売りがスタート。すでに『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)を上回るほどの記録的な売り上げに達していると報じられている。『無限列車編』はオープニング興収2120万ドルで、北米No. 1を獲得。当然それを上回るヒットが期待されており、『無限城編』が冒頭で述べた閑散期に待ったをかける可能性も高い。


文/久保田 和馬

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