これをやればキミも強くなれる!?「ベスト・キッド」式トレーニングのススメ
さえない少年が日系人の師匠から授けられた空手を通じて成長していく様を描き、その後もリメイクやドラマ版が製作されるなどユニバースを築いている「ベスト・キッド」シリーズ。その最新作となる『ベスト・キッド:レジェンズ』が8月29日より公開中だ。このシリーズの大きな魅力といえば、Mr.ミヤギ(パット・モリタ)をはじめとする“センセイ”たちによる個性豊かな特訓シーンの数々。ユニークなトレーニング方法を真似て、キミも強くなろう!
ワックスがけ!床掃除!日常の動作から空手をマスター
シリーズのなかで最も有名なトレーニングといえば、第1作『ベスト・キッド』(84)で、ミヤギの元に弟子入りしたダニエル(ラルフ・マッチオ)が命じられた車のワックスがけだ。
“ワックスオン、ワックスオフ”でおなじみのこのトレーニング。動きはいたってシンプルで、円を描くように右手でワックスをかけ、同じく円を描くように左手で拭き取るだけ。その時、息を吸って、吐くことも忘れずに。
ずらりと並んだ車にひたすらワックスをかけることを命じられたダニエルが疑問を抱いたように、一見、意味不明だが、円を描く動きの反復によって、相手の攻撃をいなす守備の基本動作が自然と身についているというロマンあふれるトレーニングとなっている。
このほかにも、ワックスがけと逆方向に円を描く“床磨き”やミヤギの家を囲う塀を手首のスナップを効かせながら上下に塗装する“ペンキ塗り”、ミヤギが釣りをする船の上で型を行うバランス稽古など、理不尽と思えることにも黙って従うことで、自然と動きを身につけたうえ、メンタルもムッキムキのダニエルさん。受けた恩(?)は次の世代に…とばかりに、「コブラ会」でも自分の弟子たちを存分にパシっていた。
ジャケットの着脱など人生のすべてにカンフーがある!
日常の動作が武術の基礎につながっているという考え方は「ベスト・キッド」シリーズのお家芸。舞台を中国に移し、題材も空手からカンフーに変更したリメイク版『ベスト・キッド』(10)では、ミスター・ハン(ジャッキー・チェン)が、“人生のすべてにカンフーがある”をモットーにドレ(ジェイデン・スミス)を鍛えていく。
その代表的トレーニングが“ジャケットを掛ける、取る、着る、脱ぐ、下に置く、拾う”という動作をひたすら行う反復動作。雨の日でもいやいやジャケットの着脱を繰り返したドレは、気付かぬうちにハンの奇襲をいなせるまでに成長しているのだった。
さらには洗濯物越しにパンチを読む無理ゲーな特訓、万里の長城でのダッシュ、椅子に足をかけながらの腕立て伏せなど、“ザ・カンフー映画”なスパルタ特訓も数多く登場した。
空手をダンスに落とし込んだミヤギの大発明
主人公が少女へと変更された『ベスト・キッド4』(94)では、ヒラリー・スワンク演じるジュリーに対して、ミヤギはこれまでとはひと味異なるアプローチでカラテのいろはを叩き込んでいる。その一つが“カラテ・ワルツ”だ。
ジュリーと向かい合うと、パンチ、前後左右のステップなど鏡写しに自分と同じ動きをするように指示するミヤギ。ジュリーが徐々に動きを理解すると、終いには音楽をかけ、そのまま手を取り合ってワルツを踊るというシリーズ屈指のほんわかシーンとなった。
このほかにも綺麗な砂模様が描かれた美しい日本庭園に足を踏み入れるように指示すると、さらに庭石からの回し蹴りを仕込むという“庭園トレーニング”など、『ベスト・キッド4』ではシリーズ4作目ながら様々なトレーニングシーンが飛びだした。