杉咲花演じる由嘉里が新たな世界と出会う『ミーツ・ザ・ワールド』等身大な日常を捉えた場面写真
杉咲花が主演を務める『ミーツ・ザ・ワールド』(10月24日公開)。今回、等身大の27歳の日常を捉えた場面写真が解禁となった。
第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説を、『リライト』(25)、『ちょっと思い出しただけ』(22)の松居大悟が映画化する本作。焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」の推しカプに全力で愛を注ぐも、自分を好きになれず、仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じる主人公の由嘉里を杉咲が演じるほか、彼女が新宿の歌舞伎町で出会う希死念慮を抱えた美しいキャバ嬢ライを南琴奈、既婚者で不特定多数から愛されたいホストのアサヒを板垣李光人、人が死ぬ話ばかりを書いている毒舌な作家ユキを蒼井優、街に寄り添うBAR「寂寥」店主オシンを渋川清彦が演じる。
このたび、本作の場面写真が一挙解禁。歌舞伎町という未知の世界に迷い込んだ由嘉里の様々な姿が切りとられている。歌舞伎町で出会ったキャバ嬢のライ、ホストのアサヒと夜の歌舞伎町を笑顔で歩くカットや、散らかったライの部屋で大好きな擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」のアクリルスタンドをぼんやり眺めるカット、アサヒと推しカプのぬいぐるみを真剣な眼差しで見つめるカット、同僚を引き連れたアサヒに店外から声をかけられて戸惑うカットがあると思えば、合コンで出会った奥山譲(令和ロマン くるま)との焼肉デートも写しだされている。そして、ライとアサヒに連れられて足を踏み入れたBAR「寂寥」で出会う毒舌な作家、ユキと街に寄り添うマスター・オシンとの姿も。人生の先輩のような二人と一緒にいる由嘉里はどこか落ち着いた雰囲気をまとっている。
さらに、由嘉里がオタク友だちと「ミート・イズ・マイン」の推し活を全力で楽しんでいるカット、反対に敬遠する母親(筒井真理子)との関係性が垣間見えるカットも。生きづらさを抱える由嘉里が新たな出会いでどのような展開を迎えるのか、期待せずにはいられない。等身大の主人公を演じる杉咲は脚本の打ちあわせ段階から本作に参加し、松居監督をはじめとするプロデューサー陣を、その並々ならぬ熱意で驚かせたという。60~70ページに及ぶ台本と原作小説のほぼすべてのページに付箋が貼られており、「小説のこのセリフはなぜなくなったのか、台本のこのセリフはどう生まれたのか」といった細部に関して様々な質問が飛んだそう。
歌舞伎町を舞台に、様々な思いを抱えながら生きる人々の姿に迫った本作。プロデューサー視点も併せ持つ杉咲が演じ切った由嘉里の姿ををぜひ劇場で見届けてほしい。
文/鈴木レイヤ