『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ギャレス・エドワーズ&デヴィッド・コープが打ち解けられたのは、あのモンスター映画のおかげだった!

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ギャレス・エドワーズ&デヴィッド・コープが打ち解けられたのは、あのモンスター映画のおかげだった!

「『ジュラシック』シリーズには、“生命は必ず道を見つける”というテーマが根幹にある」(デヴィッド)

秘密工作の専門家、ゾーラを演じるスカーレット・ヨハンソンは「ジュラシック」シリーズへの出演を熱望していた
秘密工作の専門家、ゾーラを演じるスカーレット・ヨハンソンは「ジュラシック」シリーズへの出演を熱望していた[c] 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

――この映画ではスカーレット・ヨハンソン扮する秘密工作の専門家、ゾーラがメインのキャラクターになっています。「ジュラシック」シリーズで女性が最も頼もしいキャラクターに設定されるのは珍しいですが、このアイデアはどのようにして生まれたのですか?

デヴィッド「新作に取り組む度に感じることですが、これまでやったことのないことをしたいという欲求がありました。これは私にとって、初めて女性を主人公にした映画です。数年前、別の作品のリサーチで、女性の傭兵の方と知り合う機会がありました。彼女はとても魅力的な人物でした。その作品では活かすことができませんでしたが、今回の『復活の大地』は絶好のチャンスだったのです」

史上最大級の翼竜とされる、ケツァルコアトルス。翼開長は最大10m以上あるとか!
史上最大級の翼竜とされる、ケツァルコアトルス。翼開長は最大10m以上あるとか![c] 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

――ギャレスさんにおうかがいします。この映画では海の場面は『ジョーズ』、陸の場面では「インディ・ジョーンズ」シリーズといった具合に、あなたのスピルバーグ愛を見ることができましたが、より深い部分で彼にオマージュを捧げた部分があれば教えてください。

ギャレス「技術的な話になりますが、例えばこの映画にはボートに乗った10人の会話のシーンが4分ほどあります。彼らがただ座って話しているところにカメラを向けるのは簡単ですが、それだと観ていて退屈してしまう。ならば、彼らに動いてもらって話をさせるほうがおもしろいと思いました。
そこでスピルバーグの手法の出番です。彼にならい、登場人物を動かしながら、カメラも動くという手法です。しかもスピルバーグは、次のシークエンスも同じテンションでつなげていく。これを模倣するのは難しく、うまくいったかどうかはわかりませんが、楽しい作業でした」

ゾーラたちが挑む3大恐竜のDNA採取のミッションに巻き込まれた家族の命が危ない!?
ゾーラたちが挑む3大恐竜のDNA採取のミッションに巻き込まれた家族の命が危ない!?[c] 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

――「ジュラシック」シリーズにはつねに、人間の科学に対する過信や驕りというテーマが根底にあります。今回はそれを強く感じましたが、意図的なことだったのですか?

デヴィッド「というより、これは『ジュラシック』シリーズすべてに言えることですが、まず“生命は必ず道を見つける”というテーマが根幹にあります。そこに人間の欲が絡むことで、事態がややこしくなる。そういう意味では、怪物を作ってしまったフランケンシュタイン博士の物語と一緒ですね。私自身、これはシリーズに盛り込むべきだと思いました。『ジュラシック・パーク』では、人間が科学の力で現代に恐竜を甦らせることに成功します。さらに本作ではハイブリッドの恐ろしい恐竜をも作り出します。しかし、それはやってはいけないことだったのでしょう。フランケンシュタインはいまや古典ですが、その物語のすばらしい点は、人間の驕りや科学への過信というテーマが、いつの時代にも合うことだと思います」

【写真を見る】モンスター映画がつないだ友情…ギャレス・エドワーズとデヴィッド・コープがWピース!?
【写真を見る】モンスター映画がつないだ友情…ギャレス・エドワーズとデヴィッド・コープがWピース!?撮影/木村篤史


取材・文/相馬学

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