TWICEのダヒョンにインタビュー!俳優デビュー作『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』は「“私たち色”の作品」

インタビュー

TWICEのダヒョンにインタビュー!俳優デビュー作『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』は「“私たち色”の作品」

「雨宿りのシーンはソナの世界が恋によって色づいていく様子がよく表現されている」

監督いわく、ダヒョンが感情を引き出すために突然大声を上げた瞬間がとても印象に残っているという
監督いわく、ダヒョンが感情を引き出すために突然大声を上げた瞬間がとても印象に残っているという[c]]2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.

勉強にしか興味がなかったソナは、ふとした瞬間から同級生のジヌを異性として意識しだし、やがて恋を自覚するようになる。気づいたらその人のことを目で追っている。好きな人に無駄にちょっかいを出してしまう。劇中には、そんな誰しもが経験したことがあるような甘酸っぱい初恋の1ページが散りばめられていて、初恋の記憶を呼び起こされる。撮影しながらときめいたシーンを尋ねると、「本当にたくさんあって、すべてのシーンが胸を躍らせたのですが、あえて一つを選ぶなら…」と前置きをしつつ、教えてくれた。

「ヤジャ(夜間自律学習:韓国の中高生が、授業の後、学校に残って自習をすること)を終えたソナと、学校に残っていたジヌが、下校途中で夕立に遭い、バス停で雨宿りをするシーンです。雨よけを飛び出したジヌの姿を見て、ソナも雨よけから出ていって、2人でペットボトルの水をかけ合って遊ぶ姿がとてもかわいくて!ジニョンさんとの撮影もとても楽しかったです。それに、そのシーンは、ジヌをきっかけにソナの世界が広がったことを描写する意味のあるシーンでもあるんです。勉強一筋で、自分の世界の中だけで生きてきたソナが、雨に当たるという自分なりの小さな逸脱をする。フルショットシーンで背景がホワイトから黄色く変わるのも、ソナの世界が恋によって色づいていく様子がよく表現されていると思います」。

ソナの成長を髪型の変化で表現した
ソナの成長を髪型の変化で表現した[c]]2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.

男子高校生たちが遠足で「マルトゥクバッキ(韓国版馬とび)」をして遊んだり、先生に歯向かって正座で両腕を上げるお仕置きを受けたり、大学の新入生歓迎合宿の様子が出てきたり。韓国の学生生活の解像度の高さも見どころの一つ。台湾版をご覧になった方は、台湾と韓国の青春描写の違いを見つけながら観るのもおもしろいだろう。例えば、台湾版には、普段髪をおろしているヒロインがポニーテールになって男性主人公をドキっとさせるが、今作では反対にポニーテールから髪を下ろす設定に変わっている。

「ポニーテールから髪をおろすことになったのは、監督のアイデアだったと思います。この映画は高校生時代を主に描いているので、ポニーテールで学生らしさや、ソナの学級委員らしい姿を表現したかったのではないでしょうか」

「ソナを思いながら、心を込めて歌った主題歌も愛してほしい」

今回ダヒョンは、ジニョンと共に主題歌「You Are the Apple of My Eye」の歌唱と作詞・作曲に参加した。ジニョンもかつてB1A4メンバーとして活躍していた“演技ドル”だけあって、歌唱力はお墨付き。透明感のあるダヒョンの歌声とジニョンのスイートボイスの掛け合いは何とも心地よく、映画にロマンチックな彩りを与えている。

B1A4出身のジニョンと相性抜群だったダヒョン
B1A4出身のジニョンと相性抜群だったダヒョン[c]]2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.

「初めてミーティングでジニョン先輩とお会いしたときに、主題歌の話が出て。TWICEの曲でもいくつか詞を書かせていただいていますし、演じた身だからこそ理解できる感情があると思ったので私も楽曲制作に参加させてほしいとお願いをしました。曲作りはしたことがありませんでしたが、初めて演技をした作品で作曲に初挑戦したらより特別な作品になるのではないかと思い、曲にも携わりたいと伝えました」。

曲作りは昨年の夏頃スタートし、冬にレコーディングが行われたそう。
「歌詞は、ジヌとソナの思いや、私とジニョン先輩が台本を読んだ時に抱いた感情を込めて、ジニョン先輩と2人で書き上げました。本当に、本当に一生懸命書いたんです。ジニョン先輩は作詞や作曲の経験が豊富なのでいろいろとサポートしてくださいました。先輩のおかげで満足のいく楽曲が出来て、感謝しています。レコーディングには、ジニョン先輩をはじめ、プロデューサーさん、音楽監督さん、演出家さん、エンジニアの方まで、たくさんの方が立ち会ってくれました。ソナを思いながら、心を込めて歌ったので、主題歌にも愛情を注いでいただきたいです」。

TWICEのワールドツアーで7~9月は日本各地のドーム公演に参加するダヒョン
TWICEのワールドツアーで7~9月は日本各地のドーム公演に参加するダヒョンクレジット: JYP Entertainment

今作で表現者としての存在感を存分に示したダヒョン。今後、ダヒョンの表現活動がどのように広がっていくのか楽しみでしかたがない。


取材・文/酒井美絵子


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