入場特典は背筋書き下ろし短編小説!『近畿地方のある場所について』戦慄の本編映像も
発行部数70万部を突破した背筋によるホラー小説を、菅野美穂、赤楚衛二をW主演に迎えて映画化した『近畿地方のある場所について』(8月8日公開)。7月29日に開催された、“東京のある場所”へと当選者を誘う前代未聞のミステリー・バスツアーも大盛況のうちに幕を閉じ、話題はますます過熱中だ。このたび、公開初日から、原作者である背筋自ら書き下ろした短編小説が、入場者プレゼントとして配布されることが決定。さらに戦慄の本編映像も解禁された。
原作は、2023年1月にWeb小説サイト、カクヨムに第1話が投稿されると、様々な反響がSNSで拡散されて熱を帯びた議論が巻き起こり、瞬く間に大注目作として2200万PVを超えるヒットを記録した「近畿地方のある場所について」。菅野と赤楚が、これまでのキャリアのなかでも異色の役どころに挑戦し、『ノロイ』(05)、『貞子VS伽椰子』(16)、『サユリ』(24)の白石晃士が監督を務める。さらに監督の大ファンであり、著作への影響も受けているという原作者の背筋も自ら脚本協力として参加した。
行方不明となったオカルト雑誌の編集長。彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪、中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々だった。同僚の編集部員、小沢(赤楚)とオカルトライターの千紘(菅野)は、彼の行方を捜すうちに恐るべき事実に気がつく。それらはすべて、“近畿地方のある場所”へとつながっていたのだった。
映画では、千紘と小沢を中心に物語が展開されていくが、7月25日より発売中の文庫版小説「近畿地方のある場所について」では、単行本版とは登場人物もストーリーも異なるという大胆な試みで、改めて注目を集めている。そして、入場者プレゼントとなる書き下ろし小説では、失踪した編集長の謎に迫る手がかりが描かれる。彼はなぜ“近畿地方のある場所”へと誘われてしまったのか、原作を生みだした背筋だけが描ける、新たな“恐怖”が待ち受ける。背筋は、完全書き下ろし小説を手掛けるにあたり、「本編では語られなかった真実の一端を、ある手記を通じて垣間見ることができます」とコメントしている。
なおこちらの短編小説は、劇場で配布される呪符カードに記載されたQRコードから閲覧することが可能。真っ赤な背景に謎めいた絵と文字、中央には『近畿地方のある場所について』の文字が浮かぶ“お札”のようなビジュアルが施された呪符カードという異様なデザインとなっている。映画鑑賞後に読むことで、その恐怖はさらなる深みへ。背筋が贈る“もう1つのある場所”に、あなたも導かれてほしい。なお、入場者プレゼントは数量限定のため、確実に手に入れたい方は、ぜひお早めに劇場へ。
さらに、戦慄の未解禁映像が特別公開された。失踪した編集長が残した資料を調べるうち、千紘と小沢は、ある1本の古びたビデオテープにたどり着く。再生すると映しだされたのは、中学生たちの林間学校の記録。揃いのジャージに身を包み、無邪気にはしゃぐ姿は、どこか微笑ましさすら感じさせるが、夜を迎え、雰囲気は一気に不穏さを帯びていく。どこからともなく響いてくる、低く、不気味な声。「おーい」「おやまにきませんか」「かきもあります」と、とても人間のものとは思えないその声に、最初はおもしろがっていた生徒たちの間に、じわじわと不安が広がっていく。そして誰かが、窓の外に“なにか”を見つけてしまった瞬間、教室内は騒然となる。まさに異常事態ともいうべき集団ヒステリーが発生。そのおぞましい映像を、息を呑みながら凝視する千紘と小沢。編集長はなぜ、この忌まわしい映像を手にしていたのか?だが、これはほんの入り口にすぎない。やがてこの映像が“近畿地方のある場所”へと通じていくことなど、2人にはまだ知る由もなかった。
現実と錯覚するほど生々しいフェイクドキュメンタリーパートと、演技派キャスト陣が織りなすエモーショナルで不穏な劇映画パートという2つの世界が緻密に融合することで、これまでにない恐怖と深い余韻を生み出している本作。今回解禁された映像は、まさにそんな本作の魅力を体感できるシーンとなっている。どうか目を逸らさず、覚悟して観てほしい。
文/山崎伸子