俳優デビューのTWICE・ダヒョン、IZ*ONE出身のキム・ミンジュら”演技ドル”が輝く韓国映画まとめ
端正なルックスと音楽活動で培われた表現力を武器に、俳優としても存在感を放つK-POPのアーティスト、通称“演技ドル”。昨今のK-POPの世界的人気の高まりと共により勢いを増し、ドラマだけでなく映画でもその姿を見かける機会が多くなっている。TWICE・ダヒョン主演作『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』(公開中)や、IZ*ONE出身のキム・ミンジュの『君の声を聴かせて』(9月26日公開)といった演技ドルたちが名を連ねる作品が待機中。ここでは映画界で活躍する演技ドルたちとその代表作を集めてみた。
イム・シワン(ZE:A)…『名もなき野良犬の輪舞』
先日、完結した「イカゲーム」で、イメージを裏切るクズ役でインパクトを残したZE:A出身のイム・シワン。映画では、政府に弾圧される学生を演じた『弁護人』(13)、悪役としてイ・ビョンホン、ソン・ガンホら名優たちと渡り合った『非常宣言』(22)、伝説のマラソンランナーのソ・ユンボクに扮した『ボストン1947』(23)など、話題作に引っ張りだこ。近年ZE:Aとしての活動がないこともあり、もはや俳優として認識している人も多いのではなだろうか。
そんな彼の代表作として挙げたいのが、裏社会を生きる犯罪者たちの悲しき友情を描いた『名もなき野良犬の輪舞』(17)。シワンは刑務所で出会ったソル・ギョング扮する兄貴分と絆を築いていく野心ある若者を演じ、嬉々とした狂犬ぶりなど勢いのある演技を披露。かと思えば、実はある秘密を抱えており…というナイーブなキャラクターの葛藤、苦悩まで、名優に引けを取らない存在感を示した。
D.O.(EXO)…『スウィング・キッズ』
イム・シワンと並び現行演技ドルのなかでも特に高く評価されているのが、EXOのD.O.(ディオ)ことド・ギョンスだろう。昨年、日本リメイクされた台湾映画『言えない秘密』(07)の韓国版の公開が、今年控えるなど出演作が絶えることなく、これまでにも軍隊に適応できない兵士を演じた「神と共に」シリーズや、月で孤立した宇宙飛行士に扮した『THE MOON』(23)など注目作に出演してきた。
キャリアの中でもD.O.だから演じられたと言っても過言ではないのが、朝鮮戦争下の捕虜収容所を舞台に、収容所のイメージアップのために結成されたタップダンスチームの姿を描いた『スウィング・キッズ』(18)だ。D.O.はトラブルメーカーの北朝鮮兵士を演じ、北と南のイデオロギーに苛まれながらもダンスによって抑制から解放されていくエモーションを表現。さすがはアイドルというべきクオリティのタップダンスなど、全身を使い感情を表現する演技は圧巻だった。
チャウヌ(ASTRO)…『デシベル』
7月28日に軍楽隊に入隊したばかりのASTRO、チャウヌも“顔の天才”と称されるほどのルックスと演技力を生かし、「私のIDはカンナム美人」や「女神降臨」といったウェブトゥーンを原作とするロマンスドラマで活躍。“マンチッナム”(漫画の中から飛び出してきたかのような男)と呼ばれるほどの存在感を示してきた。
ドラマを中心に活躍する中で新境地を示す1本となった映画が『デシベル』(22)だ。サッカースタジアムを舞台に、ある一定の音量を超えると爆発する騒音反応型爆弾をめぐるパニックを描いた本作に、鋭い聴覚を生かして水中の音響情報を分析するキーパーソンとして登場。強い信念を持つキャラクターをまっすぐな眼差しで表現した精悍でシリアスな姿で、甘いイメージを覆した。