アリ・アスター監督作『ヘレディタリー/継承』がIMAXで先行上映!山中瑶子監督のトークイベントも開催決定
A24×ハピネットファントム・スタジオ配給作品の特別上映第8弾として、『ヘレディタリー/継承』(18)のIMAX上映が8⽉24⽇(日)に開催されることが決定。さらに来場者プレゼントやイベント情報も解禁された。
2023年10⽉、ニューヨークが拠点の独⽴系スタジオA24とパートナーシップ契約を締結したハピネットファントム・スタジオ。今年1⽉より両社によるA24×ハピネットファントム・スタジオ配給作品の特別上映が、TOHO シネマズの劇場にて毎⽉24⽇に開催されている。
2018年のサンダンス映画祭で発表されるやいなや、「ホラーの常識を覆した最高傑作」、「現代ホラーの頂点」と批評家から高い評価を得た『ヘレディタリー/継承』。祖母の死をきっかけに、ある家族の周りで奇妙な出来事が頻発して起こるようになり、やがて死よりも恐ろしい運命と想像を絶する恐怖が彼らに襲い掛かる。一家は、祖母からの忌まわしい“なにか”を受け継いでしまっていることを知らず、恐怖の渦に飲み込まれていく。
トラウマ級の恐怖で全米を震撼させ、その年の末に⽇本でも公開された本作だが、初日以降「噂通りの恐怖」「怖すぎて眠れなくなった」「1人で夜道を歩くのが怖い」などの感想が相次いだ。さらに、映画全編にちりばめられたメタファーや隠された謎のすべてがラストに待つ恐怖の伏線になっているという計算し尽くされた脚本に物語の解明を求めるリピーターも続出。映画公式サイトには、鑑賞後専用として徹底解説する特設ページが設置されていたが、週末にはアクセスが集中し、一時ダウンするという事態にもなった。
いまや⽇本中のホラーファン、映画ファンから熱視線を浴びるアスター監督にとっての本作は、記念すべき長編映画監督デビュー作であり、以降映画制作の同志となるA24との初めてのタッグ作となった。10本目の脚本が遂に映画化できたアスターだが、当時ホラー映画についてこう語っている。
「ホラー映画はいろいろなテーマを表現できるジャンルだと思っています。家族を失った不幸とトラウマについての映画を作りたかった。不幸がもたらす家族への巨大な影響について。不幸によって家族の絆が強まるという映画が近年は大半を占めており、それも嘘ではないと思いますが、不幸が起こり、そこから立ち直れない人たちがいるのも真実です。私は後者についての映画を作りたいと思いました。そしてホラージャンルにすることで、物語に悲惨さを加え、より多くの観客に観てもらえる可能性を得ることができると思いました。なにより、ホラーはカタルシスを必要とします。それがいかに恐ろしいものだったとしても、ホラー映画ではそれが喜びになりますから」。
IMAXで作品の世界観を堪能できる今回の特別上映。公開当時、「本物の幽霊が映っている」と映画誌に紹介されたことがきっかけで、“どのシーンに本物の幽霊が映っているのか”を議論する声も上がっていたが、いま改めて、巨大なスクリーンでアスター監督の仕掛けた謎解きに参加してほしい。
また、来場者プレゼントとして特製ステッカーのプレゼントが決定。また、全国のTOHOシネマズにて全作品来場者(先着限定)へ海外ビジュアルを使用したポストカードの配布も実施される。さらに、TOHOシネマズ日比谷では『ヘレディタリー/継承』のファンだと公言する、『ナミビアの砂漠』(24)の山中瑶子監督によるトークイベントが8⽉24⽇(⽇)12:00回上映後、TOHO シネマズ 日比谷で開催されることも決定。昨年カンヌ国際映画祭にて、女性監督として最年少で国際映画批評家連盟賞を受賞した山中監督が紐解く本作やアリ・アスターの魅力とは?ぜひチェックしていただきたい。
これからのA24×ハピネットファントム・スタジオの新作には、クリステン・スチュワート主演最新作、制御不能なクライマックスへと向かう『愛はステロイド』が8月29日(金)より、アイデンティティにもがく若者たちを描くメランコリック・スリラー『テレビの中に入りたい』が9月26日(金)より全国公開を控えている。そのほかバラエティ豊かな新作の続報にも期待してほしい。
文/山崎伸子