描くこと、それは生きること『おーい、応為』葛飾北斎の娘、応為の人生を照らす本予告映像

描くこと、それは生きること『おーい、応為』葛飾北斎の娘、応為の人生を照らす本予告映像

葛飾北斎の娘であり、数少ない女性の絵師として活躍した葛飾応為の物語を描く『おーい、応為』(10月17日公開)。今回本作の本予告映像、本ポスタービジュアルが解禁となった。

江戸時代、破天荒な絵師、葛飾北斎と、彼の娘であり弟子でもあった葛飾応為。「美人画では父を凌ぐ」と言われた才を持ち北斎の右腕として、そして数少ない女性の絵師として人生を描き抜いた。茶も入れられず、針仕事もできないが、親ゆずりの画才と豪胆さで、男社会を駆け抜けていく。自分の心に正直に自由に生きた彼女が、最後にたどり着いた幸せとは?

監督、脚本を手がけるのは、『日日是好日』(18)、『星の子』(20)などで人間の奥行きを繊細に描いてきた大森立嗣。主人公の応為を演じるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)で脚光を浴びて以来、日本映画界を牽引し続けてきた長澤まさみ。『MOTHER マザー』(20)以来となる大森監督との再タッグにして、長澤にとって本作は初の時代劇主演作となる。さらに、葛飾北斎役で永瀬正敏、北斎の門下生で美人画を描く渓斎英泉(善次郎)役で高橋海人も名を連ね、寺島しのぶ、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太らが応為を取り巻く人物を演じる。

完成した予告編は、お栄(応為)と父、北斎の怒鳴り合いからはじまり、次いで、世間に媚びず強い眼差しで世の中を渡る姿が映しだされていく。バツイチで実家に出戻り、父と小汚い長屋で暮らす彼女。よき理解者である善次郎(渓斎)とは友情を育み、父であり師でもある北斎の元でともに絵を学びながら、その背中を追いかける日々を送る。そんな彼女の絵の才能は父親ゆずりで、天才と言われた北斎も目を見張るほど。当時では珍しい女性の浮世絵師として、その生涯を惜しみなく絵にささげた彼女だったが現存する作品は、世界に数点しかなくその人生も謎に満ちている。

あわせて解禁となった本ポスターは、応為、北斎、善次郎が、各々の作品を背景に筆を持った姿が写され、実在した人気絵師の物語ならではの贅沢なポスターに仕上がっている。応為の背景は、「吉原格子先之図」。吉原、遊郭の光と闇を描いた作品で、本予告編の中にも、遊郭で働く女性たちを見つめる応為を映しだした本作品の誕生を捉えたシーンが収められている。北斎の背景は、もはや説明不要なほど世界中で広く知られている「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。善次郎の背景は、美人画を得意とした渓斎英泉の代表作で、吉原の遊女をモデルにした「鯉の滝登り裲襠の花魁」だ。「光と闇を描いた彼女が照らし続けたのは―」というキャッチコピーにもある通り、明暗のコントラストの天才画家になぞらえ、江戸のレンブラントと言われる応為が、自身の人生の悲しみも幸せも描ききった彼女の素顔が本作で明かされる。

知られざるもう1人の天才絵師、応為の本当の姿とは?北斎の娘、応為が最後に照らした光をぜひ劇場で目にしてほしい。


文/鈴木レイヤ

※高橋海人の「高」は「はしご高」が正式表記

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